2025卒採用では、対面でのインターンシップや説明会、面接を重視する企業が増えるなど、24卒採用からの顕著な変化も見られている。
学生の価値観や就職観の変化にも配慮しながら、試行錯誤の新卒採用を行っている企業も少なくない。
HR総研では、毎年の定点観測として、2025年卒新卒採用活動のここまでの振り返りと、2026年新卒採用活動の予定について動向調査を実施した。前年採用活動の振り返り実施状況、ターゲット層応募者の獲得状況、面接開始時期、内定出し開始時期など、様々な項目に関する調査結果を以下に報告する。

25卒採用で重視した施策、大企業で「自社採用HP」、中小企業で「就職ナビ」

まず、2025年卒(25卒、以下同じ)採用活動の振り返りの結果から見ていく。
25卒採用で重視した施策としては、従業員数1,001名以上の大企業では「自社採用ホームページ」が最多で64%、次いで「対面型のインターンシップ」が41%、「対面型の自社セミナー・説明会」が39%などとなっている。301~1,000名の中堅企業では「自社採用ホームページ」が大企業と同様に最多で52%となり、次いで「就職ナビ」が46%、「オンライン型のインターンシップ」が36%などとなっている。300名以下の中小企業では「就職ナビ」が最多で46%となり、次いで「自社採用ホームページ」が39%、「学内企業セミナー」が29%などとなっている。
「自社採用ホームページ」についてはいずれの企業規模でも上位に挙がる中、大企業では「対面型」自社イベントの割合が中堅・中小企業より高い一方、中堅・中小企業では「就職ナビ」の割合が大企業より顕著に高くなっている。この傾向から、大企業ではターゲット層の獲得を重視し、中堅・中小企業では母集団形成を重視しているという違いがあることがうかがえる(図表1)。

【図表1】企業規模別 25卒採用で重視した施策

HR総研:2025年&2026年新卒採用動向調査(6月)結果レポート

24卒採用の定量評価KPIは「選考辞退率」と「内定数・内定辞退率」が最多

毎年定期的に実施する新卒採用活動について、前年度活動の振り返りを適切に行うことで、次回の効果的な改善に繋げることができる。
そこで、24卒・25卒採用活動をともに実施した企業に対して、24卒採用活動の振り返りの実態について確認した。
まず、24卒採用活動の振り返りによる課題抽出を実施したかについて、「実施した」と回答した割合は、大企業では85%、中堅企業では73%、中小企業では58%となっている。いずれの企業規模でも実施した企業が多数派で、企業規模が大きいほどその割合が高く、大企業では9割近くが実施したことが分かる(図表2-1)。

【図表2-1】企業規模別 2024年卒採用までの振り返りによる課題抽出の実施

HR総研:2025年&2026年新卒採用動向調査(6月)結果レポート

24卒採用振り返りを実施した企業において、課題抽出の方法を確認してみたところ、最も多く挙げられたのが「KPIの定量評価をもとに、新卒採用の担当者間で意見交換」と「振り返り報告資料の作成」でともに33%、「KPIの定量評価は使わず(実施せず)、新卒採用の担当者間で意見交換」が31%などとなっている(図表2-2)。

【図表2-2】24卒採用振り返りによる課題抽出の方法

HR総研:2025年&2026年新卒採用動向調査(6月)結果レポート

定量評価のKPIとして活用した評価指標については、「選考辞退率」と「内定数・内定辞退率」が最多で60%にも上り、次いで、「セミナー・会社説明会参加者数・参加率」が55%、「内定承諾数・内定承諾率(辞退率)」が53%などと、過半数に上っている。上位に挙がる項目には採用選考の各ステップにおける代表的な評価指標が多くあり、一方、「前年または数年前までの新入社員の定着率」や「数年前の新入社員のオンボーディング率」などの既に入社した社員の活躍状況を評価する指標は、ほとんど活用されていない状況にあることがうかがえる(図表2-3)。
長期的視点で良い採用に繋げるためには、採用段階のみの評価ではなく、採用後数年間の育成状況も評価項目に含めて、自社によりマッチして活躍しやすい人材を採用するためのブラッシュアップに活用することが望ましいだろう。

【図表2-3】定量評価のKPIとして活用した評価指標

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【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】2025年&2026年新卒採用動向調査(6月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2024年6月3~14日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2025年卒採用活動を実施している/実施した企業の採用責任者・担当者
有効回答:173件

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