HR総研では、ウェルビーイングや健康経営の実態を把握するアンケートを実施した。その調査結果レポートを2回に分け、今回は「健康経営編」について以下に報告する。
「健康経営」の認知度は9割超、ほぼ全ての企業に周知
まず、「健康経営」の認知度について前回(2022年)調査の結果と比較して見てみる。
全体的に前回調査と同じ割合となっており、「以前から意味も知っている」の割合は69%、「以前から言葉だけは知っている」の割合は25%で、これらを合わせて94%と9割以上にも上っている(図表1)。「意味も知っている/言葉だけは知っている」の割合を認知度とすると、今回調査における認知度は極めて高く、既にほとんど全ての企業で認知されていることが分かる。
【図表1】「健康経営」の認知度(前回調査との比較)
健康経営の実践率は4割で前年とほぼ同等、大企業では過半数が実践中
健康経営の取組み実践率については、「実践している」の割合が今回調査では38%で、前回調査の36%より2ポイント増加と微増傾向となっている。また、「導入を準備中/検討中」(17%)と合わせた「前向きに対応中」(以下同じ)の企業の割合は55%と6割近くにも上っている(図表2-1)。
これを企業規模別に見ると、「前向きに対応中」の割合については、従業員数1,001名以上の大企業では71%と7割にも上り、301~1,000名の中堅企業では60%と6割、300名以下の中小企業では40%と4割で、企業規模が大きいほど実施率が高い傾向が顕著に見られる(図表2-2)。
【図表2-1】健康経営の取組み実践率(前回調査との比較)
【図表2-2】企業規模別 健康経営の取組み実践率
半数の企業で、経営戦略や経営方針にて「健康経営」を位置づけ
次に、健康経営の実践継続期間については、「3~5年未満」が最も多く22%、次いで「1~2年未満」が21%、「2~3年未満」が19%などとなっている。「3年以上」(「3~5年未満」~「10年以上」の合計、以下同じ)は44%で4割を超えている(図表3-1)。
【図表3-1】健康経営の実践継続期間
健康経営が自社の経営戦略や経営方針の中に位置づけられているかについては、50%が「位置づけられている」としており、今はまだ位置づけられていなくとも「位置づける予定である」とする企業が31%で、これらを合計すると81%と8割の企業で今後、経営戦略や経営方針の中に位置づけられることが期待される(図表3-2)。
【図表3-2】健康経営の経営戦略・経営方針での位置づけ
増加した関連予算の項目は、「健康経営推進体制費」が最多で68%、次いで「健康教育費」が42%、「ハイリスクアプローチ費」が26%などとなっている(図表9-3)。
増額をしている企業の7割近くが挙げている「健康経営推進体制費」については、健康管理システムの導入、産業医等専門人材の配置、健康施策の企画・実行支援等が入っており、社員一人ひとりの健康管理をサポートしやすい環境整備を強化しようとしていることがうかがえる。
【図表9-3】増加した関連予算の項目
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【調査概要】
アンケート名称:【HR総研】「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2023年10月2~10日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・ウェルビーイングまたは健康経営担当者・人事担当者様
有効回答:229件
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