2018年7月3日、有楽町FiNCホールにて、人事・採用担当者・経営者向けのトークイベント「第1回HR Knowledge CAMP~powered by LiB~」が開催された。テーマは、成長企業の要となる「コミュニケーション人材」について。同イベントでは、昨今注目を集める成長企業4社のキーパーソンが集まり、AIや機械には代替できないコミュニケーション人材の採用方法や活用方法に関するトークセッションが行われた。
存在感を増すコミュニケーション職種「カスタマーサービス」「カスタマーサクセス」
第1部のゲストトーク&トークセッションの登壇者は以下のとおり。・株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田昇始氏
・株式会社メドレー 執行役員 加藤恭輔氏
・株式会社メルカリ People Partners マネージャー 石黒卓弥氏
・株式会社LiB 代表取締役 松本洋介氏(主催者)
まず、技術・プロダクトの強さに加えて、人材やコミュニケーションの強みをどのように事業に組み込んでいくのかについて、議論が交わされた。
宮田氏が代表取締役CEOを務める株式会社SmartHR(SaaS事業)では、カスタマーサクセスチームの設置などにより、月次解約率0.2~0.4%を達成しているという。(SaaSサービスの一般的なKPIは月次解約率2%以下。)
サービス開始初期は、解約率が2%を超えた月もあったというが、カスタマーサクセスチームが、解約した顧客に解約の理由をヒアリングし、サービスの改善につなげたり、解約の兆候がある顧客を重点的にケアしたりすることで、解約率を下げていった。
SaaSのようなtoBサービスは、大規模なデータが急速に動いていくtoCサービスと異なり、顧客と顔を合わせて定性的な情報を得ながら、サービスを改善する必要がある、と宮田氏は述べる。カスタマーサクセスチームのミッションは「お客様の成功」。顧客がSmartHRを運用する際に障壁となる課題があれば共に解決していくことにあるという。
加藤氏が執行役員を務める株式会社メドレー(オンライン診療事業など)でも、サービスを利用する顧客に伴走する役割として、カスタマーサクセスチームがその重要性を増してきているという。
同社では「プロダクトエクセレンス」と「オペレーションエクセレンス」の2つの軸を追求。これを組織的に表現するため、組織運営体制として、プロダクトマネージャーと、事業部長のツートップ制を採用している。そのため、プロダクトごとにプロダクトマネージャーと事業部長がおり、プロダクト品質と事業成長のバランスを取っているという。
石黒氏がPeople Partners マネージャーを務める株式会社メルカリ(フリマアプリ事業)では、サービスがCtoCであることから、取引のルールを原則減らし、基本的にはユーザー同士のやり方で取引を進めてもらうことを方針としているという。
社内外へのメッセージ発信が、コミュニケーションを生かせる組織作りのカギに
次に、事業優位性を生み出す「人によるコミュニケーション」を引き出すために工夫している組織の作り方、設計、登用、権限移譲について、議論が交わされた。株式会社メルカリでは、事業規模拡大などに伴う組織の変化が多いなか、従業員がそうした変化に対する許容性を持っていることが重要になっているという。採用の段階でも、変化への許容性の有無を見ているとのこと。
具体的には、社内外に対するメッセージを込めた組織設計をしているという。たとえば、外部に対しては、株式会社ソウゾウ、株式会社メルペイといったグループカンパニーもあることから、「小さなスタートアップで新しいチャレンジをしながら、メルカリでは大きなインパクトをだしていく」といったメッセージを発信。意図的に求職者の選択の幅を広げている。
また、今後も事業優位性を高めていくためには、「性善説」を保ち、メンバーが信頼し合える組織作りを継続する必要があると述べられた。具体的には、バリューに共感し、信頼し合える人材を採用するとともに、社内でも「メルカリの性善説」について、積極的に啓蒙していくという。
株式会社メドレーでは、事業をリードできるような人にとって魅力的な存在になれるよう、様々な発信を行っているという。具体的な例として、会社として7つのブログを運営し、王道の企画と遊びの企画、しっかりしたトーンの発信から崩した発信まで、幅広く織り交ぜながら伝えていることが紹介された。これらのブログで同社の「人格」を多面的に伝えることで、求職者らがいろいろな角度から、同社に愛着を持ってもらえるようにしているとのこと。
また今後、300人体制を超えてますます事業優位性を高めていくために、プロダクトチームとビジネスサイドが、互いの考え方や方針を理解するとともに、社内のメンバーがさまざまなことを「自分事」にして考え、率先して仕事をしたくなるような雰囲気作りをしていくことが必要だと語った。
株式会社SmartHRでは、「100の問題を50人で2問ずつ解く」というコンセプトを掲げている。これは、社長1人で多くの課題に取り組むのではなく、社員全員が試行錯誤することで、課題解決のスピードを上げ、より正解に近づきやすくする、という意味だ。そのために、組織に3つの工夫を施しているという。
1つ目は、行動規範・判断基準としているバリューの浸透。2つ目は、若いメンバーでも率直に意見を言えるような、フラットな組織作り。3つ目は、情報をオープンにすること。たとえば、週1回の経営会議が終わったあとは、議事録を公開し、全メンバーを集め、議論した内容をすぐに伝えたり、それに対する質問に答えたりしているという。経営陣と現場が同じ情報を持てば、意思決定も似るようになり、現場レベルで最適な判断ができるようになる、と強調した。
さらに今後の組織的なテーマとしては、リーダーやマネジメント層が、自社にとって正しいリーダーシップ像・マネジメント像を言語化して定義することを重視したいと述べた。
また今後、300人体制を超えてますます事業優位性を高めていくために、プロダクトチームとビジネスサイドが、互いの考え方や方針を理解するとともに、社内のメンバーがさまざまなことを「自分事」にして考え、率先して仕事をしたくなるような雰囲気作りをしていくことが必要だと語った。
株式会社SmartHRでは、「100の問題を50人で2問ずつ解く」というコンセプトを掲げている。これは、社長1人で多くの課題に取り組むのではなく、社員全員が試行錯誤することで、課題解決のスピードを上げ、より正解に近づきやすくする、という意味だ。そのために、組織に3つの工夫を施しているという。
1つ目は、行動規範・判断基準としているバリューの浸透。2つ目は、若いメンバーでも率直に意見を言えるような、フラットな組織作り。3つ目は、情報をオープンにすること。たとえば、週1回の経営会議が終わったあとは、議事録を公開し、全メンバーを集め、議論した内容をすぐに伝えたり、それに対する質問に答えたりしているという。経営陣と現場が同じ情報を持てば、意思決定も似るようになり、現場レベルで最適な判断ができるようになる、と強調した。
さらに今後の組織的なテーマとしては、リーダーやマネジメント層が、自社にとって正しいリーダーシップ像・マネジメント像を言語化して定義することを重視したいと述べた。