2018年2月22日~23日、TRUNK(HOTEL)(東京都渋谷区)にて、株式会社メディアジーン主催のビジネスカンファレンス「MASHING UP」が開催された。異なる性別や年齢、国籍、業種などを混ぜ合わせる(mash upする)ことで、働き方やビジネスにつながる化学反応を起こすことを目的としたイベントだ。同イベントでは、働き方のダイバーシティに関するセッションも複数開催された。今回はそのなかから、「進化し続けるリモートワークの可能性」および「大企業をやめるわけ、やめないわけ」の2セッションについてレポートする。
「進化し続けるリモートワークの可能性 Think Nomad-Why Stay in One City!」
本セッション登壇者は以下の4名。・鈴木 絵里子 氏(モデレーター):Mistletoe株式会社 投資部、ディレクター
・末松 弥奈子 氏:株式会社ジャパンタイムズ 代表取締役会長
・岡 徳之 氏:株式会社Livit Tokyo/Livit Singapore Pte. Ltd/Livit Amsterdam 代表取締役
・武井 史織 氏:アドビシステムズ株式会社 コミュニティーマネジャー
まず、リモートワークをするにあたり、チームと顔を合わせられないことによる問題について議論が交わされた。
岡氏は、東京でライターとして独立したのち、海外の情報を現地から日本に届けたいとの思いで、シンガポール、そしてアムステルダムにわたった経歴の持ち主。シンガポール時代には、リモートワークのマネジメントがうまくいかず、日本にいるライター2人とのチームワークに苦労したという。これには、メンバーのパフォーマンスやスキル、やる気、姿勢が実感しにくかった点が理由として挙げられた。
末松氏は、大学院卒業後に起業して以降、株式会社ジャパンタイムズ代表取締役会長のほか、さまざまなロールをこなす。彼女は、そうしたロールのすべてに平等にコミットするために、またチームメンバーが末松氏に常にコンタクトできるように、毎日ブログを書いているという。末松氏は主に、「1対大勢」という、1人だけチームから離れていることの難しさについて語った。
武井氏は、アドビシステムズ社でクリエイターのコミュニティ活動に従事するマネージャー。チームミーティングの際は、今、自分がやっていることだけでなく、なぜその仕事をやっているかを説明するようにしているという。やっている仕事の目的をチーム内でシェアすることで、互いにコラボレーションできるところを模索できると述べた。
武井氏は、アドビシステムズ社でクリエイターのコミュニティ活動に従事するマネージャー。チームミーティングの際は、今、自分がやっていることだけでなく、なぜその仕事をやっているかを説明するようにしているという。やっている仕事の目的をチーム内でシェアすることで、互いにコラボレーションできるところを模索できると述べた。
次に、リモートワークについてどのようにとらえているか、具体的なエピソードを交えて議論された。
岡氏は、リモートワークの経験により、家族の在り方が変わったという。具体例として、日本語の学校に通わせようと思っていた1歳の娘を、アムステルダムのデイケア(託児所)に預けたり、フリーランス志向のなかった妻もフリーランスになったりしたことが挙げられた。さまざまな場所で、さまざまな人とリモートワークするなかで、チームと顔を合わせなくても充分に仕事ができるという安心感が生まれ、価値観が変わってきたかもしれない、と同氏は述べた。
末松氏は、リモートワークそのものが目的ではない点を強調し、さまざまな事情で通勤できなくなる人とも働き続けたい、という思いが自らの実行を牽引している点について説明。具体例として、ジャパンタイムズ社のある単身赴任をしている社員が、家族と暮らしたいために、会社を辞めたいと申し出た際、リモートワークにしてもらい解決したエピソードを挙げた。同氏は、マネジメントとして、社会との結びつきのなかで、働く人自身が働き方を選んでいく形にチャレンジしていきたいと述べた。さらに、イギリスではロンドンオリンピックの際、通勤ラッシュ時の混雑緩和のため、企業に対してリモートワークを推進する働きかけがあったことを挙げ、これから東京オリンピックを迎える日本も、リモートワークを始めるさまざまなエクスキューズを利用して、導入を検討してほしいと主張した。
武井氏も、末松氏と同様、仕事や働き方の目的が明確になれば、どこで働くかといった問題は自ずと答えが出て、落ち着くべきところに落ち着くのではないかと述べた。
岡氏は、リモートワークの経験により、家族の在り方が変わったという。具体例として、日本語の学校に通わせようと思っていた1歳の娘を、アムステルダムのデイケア(託児所)に預けたり、フリーランス志向のなかった妻もフリーランスになったりしたことが挙げられた。さまざまな場所で、さまざまな人とリモートワークするなかで、チームと顔を合わせなくても充分に仕事ができるという安心感が生まれ、価値観が変わってきたかもしれない、と同氏は述べた。
末松氏は、リモートワークそのものが目的ではない点を強調し、さまざまな事情で通勤できなくなる人とも働き続けたい、という思いが自らの実行を牽引している点について説明。具体例として、ジャパンタイムズ社のある単身赴任をしている社員が、家族と暮らしたいために、会社を辞めたいと申し出た際、リモートワークにしてもらい解決したエピソードを挙げた。同氏は、マネジメントとして、社会との結びつきのなかで、働く人自身が働き方を選んでいく形にチャレンジしていきたいと述べた。さらに、イギリスではロンドンオリンピックの際、通勤ラッシュ時の混雑緩和のため、企業に対してリモートワークを推進する働きかけがあったことを挙げ、これから東京オリンピックを迎える日本も、リモートワークを始めるさまざまなエクスキューズを利用して、導入を検討してほしいと主張した。
武井氏も、末松氏と同様、仕事や働き方の目的が明確になれば、どこで働くかといった問題は自ずと答えが出て、落ち着くべきところに落ち着くのではないかと述べた。
それに付け加える形で、鈴木氏は、あえて積極的に地方や海外へ行くという選択肢も考えられると述べた。場所を変えることで自分の持っているものが光ったり、新しい視点が加わったりするという持論を展開し、そのうえで、地方や海外ならではの実体験エピソードを語った。
広島の家業にも従事する末松氏は、広島におけるUターンの多さ、さらにその動きにIターンまでが加わっていることに言及。地方だけにいるとその土地に対する不満が出てくるが、一度東京や大阪といった都心部に出ると、都会にない地方のよさが改めてよくわかるというのが同氏の見解だ。時代とインフラの影響で、東京一極集中の流れに乗らない地方の在り方が表れてきていると述べた。
岡氏は、オランダに住むようになってから、子育てをするようになったとのこと。働き方先進国のオランダでは週に1回、父親が子供の面倒を見る「パパの日」というものがあり、これを自分にも採り入れようと思ったそうだ。
武井氏は、水産業が盛んな東北を例に挙げ、生まれたときから水産業に就くと思い込んでいる地方の人たちに、クリエイティブの視点が加われれば、独自のプロデュースやデザインのアイディアが生まれ、新しい働き方が創出されるだろうと述べた。
総じて、リモートワークはけっしてそれ自体が目的ではなく、社員の定着度向上や、視点の変化によるイノベーションの創出という、さまざまな目的のための一手段である、という視点が強調されていたセッションだった。
広島の家業にも従事する末松氏は、広島におけるUターンの多さ、さらにその動きにIターンまでが加わっていることに言及。地方だけにいるとその土地に対する不満が出てくるが、一度東京や大阪といった都心部に出ると、都会にない地方のよさが改めてよくわかるというのが同氏の見解だ。時代とインフラの影響で、東京一極集中の流れに乗らない地方の在り方が表れてきていると述べた。
岡氏は、オランダに住むようになってから、子育てをするようになったとのこと。働き方先進国のオランダでは週に1回、父親が子供の面倒を見る「パパの日」というものがあり、これを自分にも採り入れようと思ったそうだ。
武井氏は、水産業が盛んな東北を例に挙げ、生まれたときから水産業に就くと思い込んでいる地方の人たちに、クリエイティブの視点が加われれば、独自のプロデュースやデザインのアイディアが生まれ、新しい働き方が創出されるだろうと述べた。
総じて、リモートワークはけっしてそれ自体が目的ではなく、社員の定着度向上や、視点の変化によるイノベーションの創出という、さまざまな目的のための一手段である、という視点が強調されていたセッションだった。