どんな相手も説得できる!交渉相手の「タイプ別」対応法

人間にはタイプがあります。それらの「特性」を理解し、相手のタイプに「対応」した話し方や説得をしないと、良い交渉成果は得られません。あなたの話し方は、あるタイプの人には好まれても、あるタイプの人には嫌われる恐れがあります。つまり、俗に言う「馬が合わない」相手がいるということです。しかし、交渉においては「馬が合わない」とか「不得手なタイプ」だから「無理!」と、避けて通ることはできません。その相手を説得したいのであれば、あなたの話し方や説得の仕方を相手が受け入れ易いやり方に変える必要があります。

相手のタイプ別識別法「Bafi(バフィー)」

 交渉相手のタイプを識別し、個々のタイプの「特性」を知り、それらに適切に「対応」することが良い成果に結びつきます。
 そこで、私どもでは、この交渉相手のタイプ別識別法として「Bafi タイプ診断」を活用しています。
どんな相手も説得できる!交渉相手の「タイプ別」対応法
 同表では、縦軸で「人間志向」を表現しています。上方が「ビジネスライク」、下方が「ヒューマンライク」です。また、横軸で「主張度合」を表現しています。右方が「主張が強い」、左方が「主張が弱い」です。
 それにより4つの象限が出来ます。右上の「ブルドーザ(断定)型」から、逆時計回りで「アナリティカル(計画)型」、「フレンドリー(安定)型」、「インチュアティヴ(外交)型」です。この頭文字を取って「Bafi(バフィー)」と呼んでいます。
 この「Bafiタイプ診断」は次の4段階のステップで活用します。

1.「4象限の各タイプの特性」を知ります。
2.「自分のタイプ」を知り「Bafiタイプ診断グリッド表」にプロットします。
3.相手の言動、しぐさ、表情などをよく観察し「相手のタイプ」を識別し、「Bafiタイプ診断グリッド表」にプロットします。
4.「4象限の各タイプの対応法」を知り適切に説得をします。

上方:「ブルドーザー」、「アナリティカル」の特性と対応法

【タイプ1】「ブルドーザー:Bulldozar」(行動派/断定的)の特性と対応法。
「特性」
・現実的で行動的。個人的感情や感動を人前で表さない。
・仕事第一主義。仕事の結果を重視し、効率的に進めようとする。など。
「対応」
・重要なモノのみ提示する。
・単刀直入に、ポイントを言う。
・結果を断言する。など。

【タイプ2】「アナリティカル:Analytical」(理論派/計画的)の特性と対応法。
「特性」
・決断を下す前に、進め方の善し悪し、成功の可能性を慎重に考慮する。
・問題解決に必要とされる正確な資料を丹念に収集する。など。
「対応」
・予測される結果や実行を保証する。
・せかさない。情報を提示して時間を与える。
・こちらが先に結論を出さない。など。

下方:「フレンドリー型」、「インチュアティヴ型」の特性と対応法

【タイプ3】「フレンドリー:Friendly」(協調派/安定的)の特性と対応法。
「特性」
・対人関係の対立を起こさないように努める。
・仕事と人間関係のバランスを取り、多くの合意を得ようとする。など。
「対応」
・信頼関係を築く。
・身の上話をして、同情を引く。
・仲良しグループに入る。など。

【タイプ4】「インチュアティヴ型:Intuitive」(直感派/外交的)の特性と対応法。
「特性」
・未来志向。独創的な創造力に富む。ひらめきがある。
・他人に話を聞いてもらうことを好む。など。
「対応」
・説明は簡潔明瞭に。
・譲る。花を持たせる。
・自尊心をくすぐる。など。
 一般的には、4象限で接する面が大きいほど「相性が良い」、「馬が合う」関係と言われています。このタイプ同士であれば、そう説得に苦労はしません。
 しかし、斜向かいのタイプ(「ブルドーザー」vs「フレンドリー」、また「アナリティカル」vs「インチュアティヴ」)は「相性が悪い」関係になり、説得に苦労します。
 そのために、個々のタイプの「特性」を知り、それらに適切に「対応」することにより、良い交渉成果をあげることができます。