昨年夏以降、「静かな退職」(quiet quitting)という言葉が多くの人々から注目されました。「退職するわけではないが、仕事に対する熱意を失い、与えられた仕事以上のことをしない働き方」を意味する言葉です。皆様の職場においても、こうした考え方に共感を示す方々が一定数いらっしゃるのではないでしょうか。本講演では、自発的な貢献意欲を前提とする「エンゲージメント」に対して真逆の働き方である「静かな退職」について、日本における実態や今後想定される影響について論じてみたいと思います。
提供:クアルトリクス合同会社
近年、従業員エンゲージメントの維持・強化に注力する企業が大幅に増加しているといえます。しかし、思ったようにスコアが上がらない、色々な施策を試してみているが効果を実感できていない、という企業が少なくないように見受けられます。背景には、働くことに対する価値観の変化も一因として考えられますが、その実態を把握するような定量的な分析に基づく議論は必ずしも十分とはいえません。本講演では、今年の年初にクアルトリクスが実施した働く人を対象とした調査から浮かび上がった「静かな退職」に関するデータを紹介しながら、エンゲージメント向上策を考えてみたいと思います。
クアルトリクス合同会社 ソリューションストラテジー シニアディレクター
市川幹人氏
シンガポール国立大学経営大学院修了。住友銀行(現三井住友銀行)、三菱総合研究所を経て、ヘイコンサルティンググループ(現コーン・フェリー・ジャパン)およびウイリス・タワーズワトソンにおいて、従業員意識調査チームの統轄責任者を歴任。様々な業界のリーディング企業に対し、プロジェクト全体の企画から、調査設計、実査準備・運営、集計分析、結果報告、アクションプラン策定のためのワークショップ運営まで、豊富な経験を有する。 クアルトリクスでは、従業員エクスペリエンス分野推進のシニアディレクターを務める