こと仕事に関していえば、そもそも自分の思い通りになることなんてほとんどない。この元も子もない真実を直視さえしておけば、戦争や病気のような余程のことがない限り、困難も逆境もありません。逆境がなければ挫折もない。成功の呪縛から自由になれば、目の前の仕事に気楽に取り組み、淡々とやり続けることができます。GRID無用、レリジエンス不要――絶対悲観主義がもたらす仕事への構えと、長期的なキャリア開発について論じる。
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一橋ビジネススクール 特任教授
楠木 建氏
一橋ビジネススクール特任教授。専攻は競争戦略。企業が持続的な競争優位を構築する論理について研究。 大学院での講義科目はStrategy。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。 一橋大学商学部助教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授などを経て、2010年から現職。 著書として『逆・タイムマシン経営論』(20年、日経BP、杉浦泰との共著)、『「好き嫌い」と経営』(14年、東洋経済新報社)、 『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(10年、東洋経済新報社)などがある。