すでに2026年卒学生向けインターンシップが本格化している8月、2025年卒(25卒、以下同じ)の就活動向は終盤に入りつつある。25卒学生の動きを振り返ることで、インターンシップ参加を経て内定を得る学生がどの程度いるのか、ターゲット層の学生はいつ頃から就職活動を始めているのかなど、26卒学生の就活動向にも共通しそうな様々な情報が見えてくる。
HR総研と「就活会議」(就活会議株式会社)は、2025年卒学生の就職活動動向調査を実施し、その結果について「就職活動編」と「就職意識編」の2回に分けて報告する。
前回の「就職活動編」に続いて、今回は「就職意識編」として内定承諾に関する意識、入社に向けた不安、就業観など、様々な項目に関する調査結果を以下に報告する。

25卒学生の就職活動、「大変だった派」が多数派

まず、25卒学生の就職活動に対する所感を聞いてみた。
「やや大変だった」が最多で37%、次いで「やや楽だった」が20%となり、「大変だった派」(「かなり大変だった」と「やや大変だった」の合計)が55%で多数派となっている(図表1)。

【図表1】就職活動に対する所感

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

内定後の入社に向けて「不安がある」、文系では6割近く

内定後の入社に向けた不安については、文系では「(不安が)ある」が58%と6割近くで多数派であるのに対して、理系では「(不安が)ない」が55%でやや多い結果となっている(図表2-1)。それでは、学生が持つ入社に向けた不安には、どのようなものがあるのだろうか。

【図表2-1】文理別 内定承諾した(する)企業への、入社に向けた不安の有無

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

入社に向けた不安の内容としては、文系では「仕事で成果を出せるか」が最多で38%、次いで「職場メンバーに馴染めるか」が35%といずれも4割近くに上っている。理系では「職場メンバーに馴染めるか」の方が1位で47%、次いで「仕事で成果を出せるか」が45%といずれも半数近くに上り、文系より多く挙がっている。さらに理系では「生活環境の変化への対応」が文系より12ポイントも高く33%、「社会人としてのマナーやエチケットの習得」が文系の倍で25%に上り、社会人生活や社会人としてのふるまいに対する不安を持つ理系学生が比較的多い傾向となっている(図表2-2)。このような入社に向けた不安要素は、入社前からあまり気負う必要はなく、入社後の研修への積極的な参加や仕事への真摯な姿勢で解決できることが多いものだ。しかし、学生にとって社会人は未知の領域であり、このような不安は簡単には拭い去れないものであることに配慮し、不安感を持っていることを前提にして学生に寄り添った採用活動や内定者フォローが大切になるだろう。

【図表2-2】文理別 入社に向けた不安の内容

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

2社以上に内定承諾している学生は3~4割程度

本調査の実施時期だった2024年6月現在で、内定した企業に対する「内定承諾」の連絡状況を見ると、文系・理系ともに「内定した1社だけに内定承諾した」が最多で文系で52%、理系で63%と6割以上に上っている。ただし、「内定したすべての企業に内定承諾した」とする学生が文系・理系ともに2割近く、「内定した一部(2社以上)の企業に内定承諾した」とする学生は文系で20%、理系で13%となり、少なくとも2社以上に内定承諾している学生も3~4割程度いることがうかがえる(図表3-1)。

【図表3-1】文理別 内定した企業への「内定承諾」の連絡状況

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

内定承諾する際にどのような意識を持っていたかについては、「内定承諾した企業に入社することを、強く希望している」が文系・理系ともに圧倒的に多く、文系で63%、理系では78%と8割近くに上っている。ただし、特に文系では残りの4割近くは、「内定承諾した企業に入社するつもりだが、まだ他の企業も考えたい」(26%)や「入社する企業を絞り込めておらず、とりあえず承諾しておく」(6%)、「選考中の企業があり、とりあえず承諾しておく」(5%)としており、入社企業を迷う気持ちが垣間見える(図表3-2)。この状況を見ると、企業としては学生から内定承諾の回答を得たとしても安心せず、学生の強い入社意思を維持しさらに高めるべく、入社まで丁寧な内定者フォローを続けていく必要があることが分かる。

【図表3-2】文理別 内定承諾の連絡をする際の意識

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

内定承諾を決断する際に参考にしたのは「家族の意見」が最多で6割

内定承諾をする際に参考にした情報については、「家族の意見」が最多で61%、次いで「友人・知人の意見」が53%、「口コミサイトの情報」が45%などとなっている(図表4-1)。やはり最後は身近で信頼できる人の意見を参考にして、最終判断を下す人が多いようだが、「口コミサイトの情報」にも半数近くが気にかけていることには注意が必要だ。

【図表4-1】内定承諾を決断する際に参考にした情報

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

内定承諾に関する相談相手については、前述した「内定承諾をする際に参考にした情報」と同様に「親・兄弟などの親族」と「友人・知人」が最多で69%と7割に上っている。これら2つから大きく離れて「大学の教授・キャリアセンター」が27%などとなっている。人生に関わる就職については、自分のことをよく知ってくれていて親身に相談に乗ってくれるだろうと信頼できる相手にこそ、意見を聞きたいと思うのだろう(図表4-2)。

【図表4-2】内定承諾に関する相談相手

HR総研×就活会議:2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)【就職意識編】

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研×就活会議】2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、就活会議(就活会議株式会社)
調査期間:2024年6月3~17日
調査方法:WEBアンケート
調査対象: 2025年卒業予定の「就活会議」会員学生
有効回答:338件

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