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第120回 推薦応募枠廃止の動きを理系院生はどう捉えたか
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では、活かしたい専門性の内容とは、どのようなものでしょうか。「これまでに培ったPCスキルや論理的思考力などを活かしたい」が最多で37%、次いで「学部や大学院での専攻で培った知識を活かしたい」が32%、「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」が19%などとなっており、専門性のレベル感に差はありながらも、大学院までに培ったスキルや知識等を何らかの形で活かしたいと考える理系院生が多いことがうかがえます[図表2]。
理系院生として実験や実測などの研究を日々続けることにより、研究対象は各々違えども「PCスキルや論理的思考力」が着実に身に付いていることを実感していることも、あらゆる職場で必要となる「これまでに培ったPCスキルや論理的思考力」が最多となる背景にあるのでしょう。
内定保有状況を志望する職種別に見てみると、「コンサルタント」(18%)が最も多く2割近くにも上り、次いで「ITエンジニア」(16%)や「データサイエンティスト」(16%)など需要が高まり続けている理系人材の職種を志望する学生が、早期に内定を得ている傾向が見られます[図表6]。
内定した企業のインターンシップ参加状況は、「すべての企業で参加した」が64%と圧倒的に多く、「参加した企業もある」(9%)と合計すると、73%が少なくとも内定した企業のうち1社ではインターンシップに参加していることが分かります[図表7]。したがって、この時期に内定を得る学生は、インターンシップ経由での採用選考が主流となっていると推測されます。ただし、中にはインターンシップの事前選考で落選したにもかかわらず、その企業の内定を勝ち取った学生も複数いるなど、必ずしもインターンシップ参加がありきではない選考が実施されているようです。