理系院生の4分の3が「仕事内容への自身の専門性活用は重要」

仕事内容に自身の専門性を活用することの重要度について見てみると、「重要である」は25%、「やや重要である」が49%で、「重要である派」(「重要である」と「やや重要である」の合計)は74%と、4分の3の理系院生が仕事内容に自身の専門性を活用することを重視していることがうかがえます[図表1]
第120回 推薦応募枠廃止の動きを理系院生はどう捉えたか
では、活かしたい専門性の内容とは、どのようなものでしょうか。「これまでに培ったPCスキルや論理的思考力などを活かしたい」が最多で37%、次いで「学部や大学院での専攻で培った知識を活かしたい」が32%、「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」が19%などとなっており、専門性のレベル感に差はありながらも、大学院までに培ったスキルや知識等を何らかの形で活かしたいと考える理系院生が多いことがうかがえます[図表2]
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理系院生として実験や実測などの研究を日々続けることにより、研究対象は各々違えども「PCスキルや論理的思考力」が着実に身に付いていることを実感していることも、あらゆる職場で必要となる「これまでに培ったPCスキルや論理的思考力」が最多となる背景にあるのでしょう。

理系院生の6割がダイレクトリクルーティングでスカウト受けた経験あり

従来型の就職ナビだけでなく、学生の登録情報を基に、企業が求める人材にオファー(スカウト)を発信していく逆求人型サイトの利用が、企業、学生ともに年々伸びています。理系院生での普及率を探るべく、ダイレクトリクルーティングツール等で企業からのスカウトを受けた経験の有無について確認してみたところ、6割が「ある」としていました。理系院生の早期獲得の場は、インターンシップだけでなくさまざまな手法で行われているとともに、理系院生の中で、ダイレクトリクルーティングツールを就職活動に利用する学生が多数派となっていることもうかがえます[図表3]
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1月時点で既に内定を得た理系院生は1割

理系院生の就職活動の状況として、調査時点で内定(内々定)が出た社数を聞いてみたところ、「0社」が88%と圧倒的で、「1社」が11%となっており、1割程度と少数派ではあるものの、年明け早々の時点で既に内定を得た学生がいることが分かります[図表4]。なお、図表ではいずれも1%未満のために表示されていませんが、「2社」「3社」「4社以上」と回答した学生がそれぞれ2~3人います。また、内定を持っている学生のうち29%と3割近くは、既に内定承諾をしているようです[図表5]
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内定保有状況を志望する職種別に見てみると、「コンサルタント」(18%)が最も多く2割近くにも上り、次いで「ITエンジニア」(16%)や「データサイエンティスト」(16%)など需要が高まり続けている理系人材の職種を志望する学生が、早期に内定を得ている傾向が見られます[図表6]
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内定した企業のインターンシップ参加状況は、「すべての企業で参加した」が64%と圧倒的に多く、「参加した企業もある」(9%)と合計すると、73%が少なくとも内定した企業のうち1社ではインターンシップに参加していることが分かります[図表7]。したがって、この時期に内定を得る学生は、インターンシップ経由での採用選考が主流となっていると推測されます。ただし、中にはインターンシップの事前選考で落選したにもかかわらず、その企業の内定を勝ち取った学生も複数いるなど、必ずしもインターンシップ参加がありきではない選考が実施されているようです。
第120回 推薦応募枠廃止の動きを理系院生はどう捉えたか

推薦応募枠の廃止に「困る」は4割

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