HRテックのサービスをカオスマップからカテゴリーごとに解説

読了まで約 7

人事領域にテクノロジーを融合させ、あらゆる課題を解決に導く「HRテック」。企業が抱える深刻な人材不足や働き方の多様化に対応するために必須のサービスとして期待され、人事部門全般のあらゆる業務の効率化に大きく寄与します。そのHRテックを一覧で確認できる「HRテックカオスマップ2022年最新版」がWebメディア『HR Techガイド』にて公開されました。

この記事では、HRテックとは具体的にどのようなものなのかを紹介し、HRテックの主なサービスをカオスマップのカテゴリーごとにわかりやすく解説します。

目次

HRテックとは?

HRテックとは、「HR(Human Resources:人的資源)」と「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせてつくられた造語です。AIやIoT、ビッグデータ、クラウドなどのテクノロジーを活用し、人事全般の業務を効率化する技術サービスをいいます。

少子高齢化や働き方の多様化で労働力不足が深刻化する現代において、企業活動の維持・発展のためには社員の業務負担を軽減する取り組みが欠かせません。HRテックを導入すれば、定型的な人事業務が自動化・効率化・システム化され、従来かかっていた時間と手間を削減できます。企業が抱える課題の解決に貢献するHRテックは、企業活動を発展させていくうえで必須ともいえるサービスです。

また、HRテックを活用すれば、集約した人事データをもとに効果的な採用活動や適材適所の人員配置、社員のエンゲージメント向上、競合他社との差別化なども効率的におこなえるようになります。業務効率の向上により、人事部門の担当者が本来注力すべき人事戦略や経営戦略に集中できるため、経営ビジョンの早期実現にも期待が持てるでしょう。

カオスマップとは?

HRテックのサービスを網羅的に確認できる「HRテックカオスマップ」。

カオスマップとは、特定の業界におけるサービス提供者・事業者をカテゴライズし、わかりやすくまとめたものをいいます。その業界にはどのようなサービスを展開する企業が存在し競合はどこになるのかなど、業界の動向や状況を含め、全体像をトータルで確認できることがポイントです。

HRテック情報メディア『HR Techガイド』にて公開されたカオスマップには以下の特徴があります。
●ジャンル別で細分化され、知りたいサービスを絞り込みやすい
●市場やサービスのポジショニングを俯瞰的視点から確認できる
●国内の創業3年以上の会社が展開するサービスに絞られている

一口にHRテックと言っても、その種類やジャンルはさまざまです。多種多様なサービスを俯瞰的に確認できるHRカオスマップは、自社の条件に合う最適なHRテックサービスの情報収集・選択に役立つでしょう。

HRテックカオスマップ2022年最新版のカテゴリー

HR Techガイド』にて公開された「HRテックカオスマップ2022年最新版」には、982ものHRテックサービスが掲載されています。そのカテゴリーは以下の12個です。

【求人】
アルバイト、オンデマンドワーク、中途採用、新卒採用、副業、転職、業界特化、
エンジニア、リファラル採用、ダイレクトリクルーティング、ビジネスSNS、
フリーランス、人材マッチング
【採用】
アルバイト、コンサルティング、サイト作成、採用管理、バックグラウンドチェック、
マーケティング、リファラル採用、求人票支援、広報、新卒採用、中途採用、
代行、適性検査、面接
【組織開発】
キャリア自立支援、社内報、社内コミュニケーション、副業サポート、組織診断
【労務管理】
給与管理、勤怠管理、経費管理、総合
【エンゲージメント】
ウェルネス、オンボーディング、社内コミュニケーション、人材開発、日報管理、総合
【タレントマネジメント】
タレントプール、モチベーション管理、人材管理、人事評価、目標管理
【育成管理】
オンライン研修、マネージャー研修、内定者研修
【Web会議】
【アウトソーシング】
【アルムナイ】
【チャットボット】
【マイナンバー】

参照:HRテックカオスマップ【2022 年最新版】
ここからは、HRテックカオスマップに掲載されている主なカテゴリーをピックアップし、それぞれのサービスの概要や特徴をご紹介します。

求人カテゴリー

求人のカテゴリーには、新卒採用や中途採用、業界特化型の求人サービス、転職エージェント、人材マッチングサイトなどが掲載されています。求めるスキルや経験、雇用形態、採用活動の進め方など、自社の方針に合わせて適切なHRテックサービスを選択できます。

【求人】 HRテックサービスの一例
●マイナビ転職(株式会社マイナビ)
●キャリタス就活(株式会社ディスコ)
●介護求人ナビ(株式会社ハートメディカルケア)
●ハタラクティブ(レバレジーズ株式会社)

採用カテゴリー

採用のカテゴリーには、採用広報や採用マーケティング、採用管理システムなど、採用活動のプロセスを一元管理できるサービスが掲載されています。また、入社後のトラブルを防ぐためのバックグラウンドチェック、マッチングの精度を上げるための適性検査、求職者の応募意欲を高める戦略的な採用サイト制作サービスなどもあります。

【採用】 HRテックサービスの一例
●e2R PRO(株式会社ワークス・ジャパン)
●ジョブカン採用管理(株式会社DONUTS)
●Wantedly(ウォンテッドリー株式会社)
●Compass(株式会社イング)

労務管理カテゴリー

労務管理のカテゴリーには、勤怠管理システムや給与計算システムなど、企業の労務手続きに関するクラウドサービスが掲載されています。勤務体系が複雑化・多様化する現代において、社員のデータを集約・管理できる労務管理システムの導入は、人事担当者の業務効率化とともに人為的ミスの削減にも効果的です。

【労務管理】 HRテックサービスの一例
●AirSHIFT(株式会社リクルート)
●マネーフォワードクラウド給与(株式会社マネーフォワード)
●らくらく旅費経費(株式会社無限)
●労務三昧(株式会社システム総合研究所)

エンゲージメントカテゴリー

エンゲージメントのカテゴリーには、社員の健康診断や組織の現状把握、日報管理、社員のエンゲージメント向上のためのサービスが掲載されています。HRテックの導入により社内での情報共有や社員同士のやりとりが円滑化されることで、社内コミュニケーションの活性化にも期待できます。

【エンゲージメント】 HRテックサービスの一例
●ハタラクカルテ(株式会社OKAN)
●Chatwork(Chatwork株式会社)
●日報くん(BPS株式会社)
●エアリーエンゲージメントクラウド(EDGE株式会社)

育成管理カテゴリー

育成管理のカテゴリーには、既存社員向けのeラーニングシステムやマネジメント育成サービス、内定者向けの研修プログラムが掲載されています。導入から研修までオンラインで完結するクラウドサービスのため、インターネット環境があればスマートフォンやタブレットを用いたスキマ時間での学習も可能です。

【育成管理】 HRテックサービスの一例
●E-learning ASP(株式会社大宮商会)
●Udemy Business(株式会社ベネッセコーポレーション)
●マネトレ(Paddle株式会社)
●PHP人材開発(株式会社PHP研究所)

アウトソーシングカテゴリー

アウトソーンシングのカテゴリーには、採用業務やノンコア業務、システム開発などのアウトソース(外注)に関するサービスが掲載されています。アウトソーシングで工数を削減することで、これまで手が回っていなかったコア業務に専念できるようになります。また、専門的な技術・ノウハウを持つ委託先に業務を任せられるため、業務の品質向上に期待が持てることもメリットです。

【アウトソーシング】 HRテックサービスの一例
●CON-NECT(ランサーズ株式会社)
●リモリク(株式会社ハイウェル)
●Crowd Agent(株式会社grooves)
●CASTER BIZ(株式会社キャスター)

まとめ

HRテックとは、企業の深刻な人材不足や働き方の多様化に対応するため、AIやビッグデータなどのテクノロジーを駆使して人事全般の課題解決を図る技術サービスです。

Webメディア『HR Techガイド』が公開した「HRテックカオスマップ2022年最新版」では、合計982ものHRテックサービスが網羅的にまとめられています。国内の創業3年以上の会社が展開するサービスがジャンル別で細分化され、俯瞰的に情報を確認できることがポイントです。

HRテックの活用は、人事業務の効率化による担当者の負担軽減はもちろんのこと、空いたリソースで重要な意思決定を要するコア業務に注力できるメリットもあります。HRテックカオスマップを活用し、自社に最適なHRテックサービスの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事

記事一覧

おすすめ記事

ページトップへ
©2021 HR Institute Inc.