企業内教育はEdTechでどう変わる?人事が求めるIoT・AIの活用法

読了まで約 5

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行を機に、企業内教育のあり方を見直す企業が増えています。
そのような中で特に注目を集めているのが、テクノロジーを教育分野に掛け合わせてイノベーションを起こす「EdTech」と呼ばれる教育サービスです。

この記事では、EdTechが企業内教育にもたらす効果やメリット、具体的な活用方法をご紹介します。

目次

EdTechとは

EdTech(エドテック)とは、「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせてつくられた言葉です。
IoTやAI、ICTなどのデジタル技術を活用した教育技法を指し、教育領域にイノベーションを起こす次世代型のサービスとして世界中で注目を集めています。

代表的なEdTechとしては、デジタルデバイスとインターネットを利用して学習する「eラーニング」、教材の配信や学習の進捗管理をする「LMS(学習管理システム)」、学習者と教育者をつないだり学習者同士で学びを深め合ったりできる「学習SNS」などが挙げられます。

関連記事:EdTech(エドテック)の市場規模とは?拡大が進む背景と導入する際のポイント
関連記事:世界(海外)のEdTech市場規模とは?日本との違いについても解説

EdTechが企業内教育にもたらす効果・メリット

コロナ禍で急速にオンライン化が進み、企業内教育にEdTechを取り入れる企業が増えています。
ここでは、EdTechが企業内教育にもたらす効果・メリットをご紹介します。

学習効率の向上

タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスで利用できるEdTechを導入することにより、時間や場所の制約なく個々が都合のよいタイミングで学習に取り組めるようになります。
また、従業員一人ひとりの学習状況や理解度に応じて必要な学びを提供できるEdTechを取り入れることで学習効率をより高めることができるでしょう。

学習意欲の向上

スキマ時間を使って学習できるコンテンツを定期的に配信するなど、気軽に学べ、学習の成果が目に見えるEdTechを導入することにより、社員の学習意欲の向上が期待できます。
また、他人の目を気にせず一人でも学習を進められるEdTechを活用することで、直接の指導が難しくなりがちなベテラン社員にも自ら進んで学習するよう促すことができます。

学習管理の効率化

従業員一人ひとりの学習進捗や理解度を正確に把握し、適切な教育プログラムを提供できるEdTechを導入することにより、効率的な学習管理が可能です。
さらに、学習者と管理者が気軽にコミュニケーションをとれるEdTechや、自動で瞬時に学習者からの質問に答えてくれるEdTechを活用することで、困っている学習者をもれなくサポートすることができます。

関連記事:EdTech(エドテック)企業7選!企業内教育にも導入できるサービスを紹介

企業内教育におけるEdTechの活用法

最新のテクノロジーを駆使したEdTechの活用法は多岐にわたり、企業内教育においてもさまざまな手法が用いられています。
ここでは、企業内教育でEdTechがどのように活用されているのか、具体的な学習方法をご紹介します。

マイクロラーニング

マイクロラーニングとは、1〜5分の短い時間で取り組める動画や音声、テキスト、クイズなどの学習コンテンツを活用した学習形態です。
短時間であるために集中して学習に取り組むことができ、ちょっとしたスキマ時間を活用して何度も学習できることから、高い学習効果が得られます。

ブレンディッドラーニング

ブレンディッドラーニングとは、eラーニングと集合研修など、複数の学習手法を組み合わせた学習形態です。
予習によって知識を身につけたうえで、実践演習を中心とした研修を受ける「反転学習」も、ブレンディッドラーニングのひとつです。
複数の学習手法のいいとこ取りができるため、学習効果と学習効率の両方を高められます。

アダプティブラーニング

アダプティブラーニングとは、学習者一人ひとりの理解度に合わせて適切な教育プログラムを提供する学習形態です。
ビッグデータやAIを活用して学習者の課題を割り出し、個々に最適な教育プログラムを組めるEdTechを利用することで、より効果的なアダプティブラーニングを実現できます。

疑似体験学習

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用したEdTechを利用すれば、よりリアルな擬似体験学習が可能です。高所作業や外科治療、製造など、準備に手間やコストがかかる実践研修も、擬似体験学習であれば手軽に何度もできるようになります。

AIコーチング

AIコーチングとは、AIの力で学習者の学習状況を分析し、適時評価したり、気づきにつながる問いを投げかけたりする学習サポートシステムです。
その時々に応じた精度の高い評価・問答ができるようになるため、学習効果・学習効率の向上に寄与します。

ソーシャルラーニング

ソーシャルラーニングとは、学習SNSをはじめとするソーシャルメディアを活用して学ぶ学習形態です。
同じソーシャルメディアに参加する受講者同士で学び合ったり、教育者に気軽に質問できたりするため、学習意欲の向上や主体的・能動的な学びが期待できます。

関連記事:EdTechのサービスをカオスマップからカテゴリーごとに解説
関連記事:VR(仮想現実)とは?意味や活用例、教育分野での将来性を解説

まとめ

EdTechとは、IoTやAIなどの最新テクノロジーを教育領域と掛け合わせてイノベーションを起こすサービスの総称です。企業内教育にEdTechを導入することで、従業員の学習効率や学習意欲を高められるとともに、管理者がおこなう学習管理の効率化も期待できます。企業内におけるEdTechの活用法は多岐にわたるため、人事としては学習の目的を明確にしたうえで、自社の事業内容や従業員のニーズに合った学習形態の導入が求められます。

関連記事

記事一覧

おすすめ記事

ページトップへ
©2021 HR Institute Inc.