ベンチャー企業とは?売上・時価総額ランキングも紹介
独自の技術やアイデアを用いて新しいビジネスを展開する「ベンチャー企業」。成功しているベンチャー企業の事業や動向は、自社で新規事業を立ち上げる際の参考となるでしょう。この記事では、ベンチャー企業の売上・時価総額ランキングをご紹介します。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、既存のビジネスモデルをベースに新しい製品やサービスを開発している若い企業を指します。小規模から中規模の企業が多く、大企業が進出していない領域において独自の技術やアイデアを用いた事業を展開し、イノベーションを生み出しています。
ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い
スタートアップ企業とは、革新的な技術やアイデアを武器に短期間で急激に成長する企業のことです。ベンチャー企業では既存のビジネスモデルをベースとしますが、スタートアップ企業はこれまでにない革新的なアイデアをベースにビジネスモデルを構築します。また、リスクの少ない経営で着実な成長を重視するベンチャー企業に対し、スタートアップ企業はトライ&エラーを繰り返しながら短期間での急成長を目指します。
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【売上】ベンチャー企業ランキング
有名メガベンチャー企業の売上高を有価証券報告書および企業サイト(2024/12/24時点)に記載の内容をもとにランキング形式でご紹介します。
1位:リクルートホールディングス
リクルートホールディングスは、HRテクノロジー事業・マッチング&ソリューション事業・人材派遣事業を手掛けるリクルートグループの持株会社です。売上ランキングトップとなった同社の連結売上収益は3兆4,164億円、連結営業利益は4,025億円でした(2023年度)。
創業・設立 | 1960年3月31日 |
事業内容 | リクルートグループの経営方針策定・経営管理 |
従業員数 | 119名 |
グループ従業員数 | 51,373名 |
資本金 | 400億円 |
2位:楽天
楽天グループは、インタネットサービスやフィンティックサービス、モバイルサービスなど多岐にわたるサービスを展開する会社です。2023年度の連結売上収益は2兆713億円でランキング2位に入りましたが、携帯電話事業の不振により5年連続の赤字となっています。今後の携帯電話事業の契約者数増加と通信品質向上が要です。
創業・設立 | 1997年2月7日 |
事業内容 | インタネットサービスなど |
従業員数 | 10,350名 |
グループ従業員数 | 30,830名 |
資本金 | 4,467億6,800万円 |
3位:LINEヤフー
LINEヤフーはインターネット広告事業などを手掛ける日本最大級のテックカンパニーです。115のグループ会社があり、約230か国・地域にサービスを提供しています。2024年3月期の売上収益は1兆8,146億円、営業利益は2,081億9,100万円でした。
創業・設立 | 1996年1月31日(ヤフー株式会社として) |
事業内容 | インターネット広告など |
従業員数 | 11,176 人 |
資本金 | 2,487億7,300万円 |
4位:サイバーエージェント
サイバーエージェントは「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、さまざまなインタネットサービスを展開している会社です。2024年度の売上高は8,030億円、営業利益は418億4,300万円でした。
創業・設立 | 1998年3月18日 |
事業内容 | メディア、インターネット広告など |
従業員数 | 7,251名 |
資本金 | 73億6,900万円 |
5位:DMM.com
DMM.comはエンターテインメントやEコマースなど多岐にわたる事業を展開し、4,500万人以上もの会員を抱えている会社です。コロナ禍の2020年にも新規事業を複数立ち上げ、2022年度にグループ総売上3,000億円を突破しました。2024年度の売上高は3,637億円でした。
創業・設立 | 1999年11月17日 |
事業内容 | エンターテインメント、Eコマース、ゲームなど |
従業員数 | 2,584名 |
資本金 | 1億1円 |
6位:GMOインターネット
GMOインターネットは56もの海外拠点を持ち、インターネット聡明期の1995年からインターネット事業を開始している会社です。2023年度の売上高は2,586億円、営業利益は424億円でした。
創業・設立 | 1991年5月24日 |
事業内容 | インターネットインフラ、インターネット広告など |
従業員数 | 7,546名 |
資本金 | 50億円 |
7位:エムスリー
エムスリーはインターネットを利用した医療関連サービスを提供するベンチャー企業です。2023年度の売上収益は2,388億円で、COVID関連を除く事業の売上成長率は前年比11%増となりました。
創業・設立 | 2000年9月 |
事業内容 | 医療関連サービス |
従業員数 | 649名 |
グループ従業員数 | 12,100名 |
資本金 | 293億1,700万円 |
8位:メルカリ
メルカリはフリマアプリ「メルカリ」など多数のサービスを創造し、創業の翌年からグローバル展開している会社です。「メルカード」や「メルカリ ハロ」などの新規・強化領域も成長しており、2024年6月期の売上収益は対前期9.0%増の1,874億円となりました。
創業・設立 | 2013年2月1日 |
事業内容 | フリマアプリ「メルカリ」の運用など |
従業員数 | 2,080名 |
資本金 | 473億4,900万円 |
9位:ミクシィ
ミクシィは「『心もつながる』場と機会の創造。」をミッションに掲げ、スポーツやライフスタイル、デジタルエンターテインメントなどを展開している会社です。2024年3月期の売上高は1,468億円、営業利益は191億7,700万円でした。
創業・設立 | 1999年6月3日 |
事業内容 | スポーツ、ライフスタイルなど |
従業員数 | 1,645名 |
資本金 | 96億9,800万円 |
10位:DeNA
DeNAはゲームやスポーツ、スマートシティ、ヘルスケアなどさまざまな分野の事業を展開している会社です。2024年3月期の売上収益は1,367億円でしたが、ゲーム事業の減収により282億円の営業損失となりました。
創業・設立 | 1999年3月4日 |
事業内容 | ゲーム、ライブコミュニティなど |
従業員数 | 1,397名 |
グループ従業員数 | 2,897名 |
資本金 | 103億9,700万円 |
【時価総額】ベンチャー企業ランキング
続いて、時価総額の高いベンチャー企業10社を「国内スタートアップ評価額ランキング最新版【2023年1月版】(データ出元:STARTUP DB)」をもとにランキング形式で紹介します。
1位:Preferred Networks
時価総額ランキング第1位の「Preferred Networks」は、AIチップや計算基盤などAI関連技術を活用した製品の開発・販売をおこなうベンチャー企業で、AI技術のバリューチェーンを垂直統合し、産業や社会などさまざまな領域に水平展開しています。
創業・設立 | 2014年3月26日 |
事業内容 | AI関連技術を活用した製品開発など |
従業員数 | 350名 |
時価総額 | 3,539億円 |
Company – 株式会社Preferred Networks
2位:ADVASA
ADVASAは労働者への資金提供サービス「FUKUPE」を提供している会社で、時価2,301億円です。労働者からの申請により働いた分の給与相当額をすぐに引き出せるサービスで、求人応募の増加や離職率の低下につながることが期待されています。
創業・設立 | 2017年4月12日 |
事業内容 | 資金提供サービスの開発・提供など |
時価総額 | 2,301億円 |
3位:GVE
GVEは金融システムとデジタルヘルスの変革を目指し、デジタルトランスフォーメーション・プラットフォームの開発をおこなっているスタートアップ企業です。同社の金融システムは日本やアメリカ、シンガポールで特許を取得しています。
創業・設立 | 2017年11月10日 |
事業内容 | DXプラットフォームの開発 |
時価総額 | 2,245億円 |
4位:スマートニュース
スマートニュースは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションのもと、ニュースアプリ「SmartNews」を運営しているベンチャー企業です。3,000メディアもの情報から、世の中で「いま」起きているニュースを無料配信しています。
創業・設立 | 2012年6月15日 |
事業内容 | スマホアプリの開発・運営など |
時価総額 | 2,004億円 |
5位:SmartHR
SmartHR はクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を運営している会社です。人事・労務業務の効率化とタレントマネジメントにより、働く人と組織のパフォーマンス向上につながる施策を推進しています。
創業・設立 | 2013年1月23日 |
事業内容 | SmartHR の企画・開発・運営・販売 |
従業員数 | 1,100名 |
時価総額 | 1,732億円 |
6位:TRIPLE-1
TRIPLE-1は先端半導体を活用したデータセンター事業や高速無線通信事業、グリーンエネルギー事業などを推進するスタートアップ企業です。2018年にビットコイン用のチップ「KAMIKAZE(カミカゼ)」を開発し、世界中から注目が集まりました。
創業・設立 | 2016年11月 |
事業内容 | 半導体の設計・開発など |
時価総額 | 1,650億円 |
7位:スリーダムアライアンス
スリーダムアライアンスは先進的なバッテリー技術を中核に、次世代交通インフラの電動化サービスに取り組んでいる会社です。陸・海・空の先進アプリケーションの開発など、100%自動化社会を実現するための事業を展開しています。
創業・設立 | 2014年2月24日 |
事業内容 | EVサービス事業、電動船事業など |
従業員数 | 102名 |
時価総額 | 1,527億円 |
8位:クリーンプラネット
クリーンプラネットは、次世代のクリーンエネルギー「量子水素エネルギー(QHe)」の実用化に取り組むベンチャー企業です。東北大学との産学連携体制で研究を重ね、安全・安定・安価なクリーンエネルギーを世界中に普及させることを目指しています。
創業・設立 | 2012年9月10日 |
事業内容 | 量子水素エネルギー(QHe)の研究 |
従業員数 | 12名 |
時価総額 | 1,457億円 |
9位:Spiber
Spiberは環境課題へのソリューションとなる次世代バイオ素材の開発・生産をおこなう会社です。同社が開発した、直物由来のバイオマスを原料とする構造タンパク質素材「Brewed Protein」は柔らかく上質な肌触りで、カシミヤやシルクなど従来のタンパク質素材を選んでいた人々の新たな選択肢となることが期待されます。
創業・設立 | 2007年9月26日 |
事業内容 | 新世代バイオ素材開発 |
従業員数 | 284名 |
時価総額 | 1,457億円 |
10位:TBM
TBMは環境配慮型の素材開発と製品の製造・販売をおこなう会社です。プラスチックや紙の代替となる無機フィラー分散系複合素材「LIMEX」を開発し、すでに5,200以上の企業や自治体で採用されています。
創業・設立 | 2011年8月30日 |
事業内容 | LIMEX事業、資源循環事業 |
従業員数 | 315名 |
時価総額 | 1,339億円 |
【注目】19位:五常・アンド・カンパニー
五常・アンド・カンパニーは途上国での事業向け少額金融サービスを提供するスタートアップ企業です。「世界中に金融包摂を届けること」をミッションに、5カ国で139万人にサービスを提供し、運用資産残高は1,000億円を超えています。
創業・設立 | 2014年7月4日 |
事業内容 | 途上国向け小口金融サービスの提供 |
従業員数 | 単体37名、連結約6000人超 |
時価総額 | 689億円 |
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まとめ
ベンチャー企業では、独自の技術や専門的な知識を用いて、創造的かつ革新的なビジネスを展開しています。特に時価総額の高い企業は社会からの期待も大きく、将来的にさらなる成長が見込まれます。新しい事業で成功しているベンチャー企業の情報は、自社で新規事業プランを検討する際にも役立つでしょう。
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