優先順位をつけて戦略的に時間を作り出すタイムマネジメントスキルとは?

読了まで約 5

近年、ワークライフバランスや働き方改革の推進を図るうえで注目されている「タイムマネジメント」。
限られた時間の中で付加価値の高い仕事を実現させるためには、戦略的に時間を作り出すタイムマネジメントスキルが欠かせません。

この記事では、タイムマネジメントスキルとは具体的にどういう能力なのか、そのメリットやプロセス、注意点まで詳しく解説します。

目次

タイムマネジメントスキルとは?

タイムマネジメントスキルとは、業務の生産性を最大化するために時間をどのように使うか考え、適切に配分・管理する能力です。
限りある時間を有効に活用し、必要なタスクを効率的におこなうには、適切なタイムマネジメントスキルを身につける必要があります。

タイムマネジメントは単なる「時間管理」や「スケジュール管理」とは違い、限られた時間の中でいかに高いパフォーマンスを発揮できるかが大きなポイントとなります。
作業効率や成果を重視し、やるべき業務を洗い出して優先順位をつけるなど、主に「時間」ではなく「出来事」を管理することがタイムマネジメントの本質です。

関連記事:タイムマネジメントとは?ビジネスパーソンに必要な効果的な時間の使い方のポイントを解説

タイムマネジメントスキルを身につけるメリットとは?

タイムマネジメントスキルを習得するメリットとして挙げられるのが「業務の効率化」と「生産性の向上」です。

タイムマネジメントスキルを身につければ、これまで起こりがちだった「仕事に追われる」感覚や「締め切り前の焦り」などが解消され、体力面と精神面で大きな余裕が生まれます。
社員は自身のやるべきことに集中でき、能率アップにもつながっていくでしょう。
また、社員一人ひとりが「使える時間」を戦略的に増やすことで組織全体の生産性が高まり、飛躍的なビジネス成長にも期待がもてます。

一方で、タイムマネジメントに取り組むうえでは「減らせる時間」にも注目すべきです。
長時間の残業がなくなり、長期休暇が取りやすくなれば、社員のプライベートやキャリアアップに要する時間が充実し、社員満足度の向上につながります。
企業は残業代の削減や利益率の向上だけでなく、社員のモチベーションが高まることで離職率の低下も見込めるようになるでしょう。

関連記事:HRテックを活用するために、これからの人事にとって必要な人材とは?企業に求められる人材育成
関連記事:ビジネス課題を解決するコンサルティングスキルとは?

タイムマネジメントのプロセス

良質な時間の使い方を計画し実行するタイムマネジメント。
主なプロセス・手法は以下のとおりです。

1.すべてのタスクを洗い出す
タスクの洗い出し作業は、時間のロスや無駄を省いてタイムマネジメントを適正化するために、まず最初に取り掛かるべき作業です。
担当している仕事を正確に把握するには、業務内容やタスクを「見える化」することが大切です。どの業務にどれくらいの時間をかけているのか仕事を細かく分解し、業務の流れを明確にしていきます。

2.優先順位をつける
優先順位をつけるには以下の4つを基準にします。
①緊急性も重要度も高い
②緊急性は低いが重要度は高い
③緊急性は高いが重要度は低い
④緊急性も重要度も低い

上の基準に沿ってタスクを振り分けると、優先度が高いのは①と②です。①のタスクはすぐに取り掛かり、終わり次第②のタスクに取り組みます。優先度が低い③と④は本当に必要かどうかも含め、業務内容の検討・改善をおこなう必要があります。

3.目標を設定する
洗い出したタスクごとに細かな目標を設定し、これまで無意識におこないがちだった作業の背景・目的を明確にします。

4.計画を立てる
優先順位や目標に従って実行可能な計画を立てていきます。
計画策定のポイントは、余裕を持って業務に取り組めるよう自身が主体となり「いつまでに何をすべきか」時間を整理することです。そのためには「適切な計画の立て方」を学ぶための研修プログラムを導入するなど、企業がタイムマネジメントスキル習得の機会を設け、社員をサポートすることが大切です。

5.実行して振り返る
計画を実行した後は、作業効率に課題はないか、時間あたりの成果は最大化できているかなどの「振り返り」をおこないます。計画との差異を把握・分析し、無理なく適切な計画になっているか定期的に見直しをすることがポイントです。

関連記事:ロジックツリーとは?特徴や作り方、具体例を解説

タイムマネジメントの注意点

タイムマネジメントを導入する際は、時間に余裕を持って計画を立てることが大切です。

タイムマネジメントに取り組むと、はじめは仕事の効率化や生産性の向上を意識するあまり、業務自体を詰め込みすぎたり、それぞれのタスクにかかる時間を短く見積もってしまったりすることが考えられます。
最適なタイムマネジメントをおこなうには、突発的なトラブルが発生しても無理なく対応できるように、業務の準備や後処理にかかる時間も考慮して計画を立てなければなりません。

また、タイムマネジメントスキルを向上させるためには、良い点・悪い点を客観的な視点から判断できるような知識や考え方を習得する必要があります。
実践につながる良質な研修プログラムを取り入れ、タイムマネジメントの基本から計画、実行、運用上のポイントまで学んでおくことをおすすめします。

まとめ

タイムマネジメントスキルとは、限りある時間を適切に配分・管理し、業務における生産性を最大化させるための能力です。
社員がタイムマネジメントスキルを習得すれば戦略的に有意義な時間を作り出せるようになり、業務の効率化や生産性の向上、コスト削減、社員の満足度向上といったさまざまな効果が期待できます。

企業がさらなる成長を目指すには、社員一人ひとりのタイムマネジメントスキルが欠かせません。
外部の研修プログラムを導入してタイムマネジメントに対する認識を深めさせるなど、企業は実践につながるスキル習得の機会を社員に提供することが求められるでしょう。

記事一覧

おすすめ記事

ページトップへ
©2021 HR Institute Inc.