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質問力とは?高めるメリットやトレーニング方法を解説

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必要な情報を得ながら新たな気づきも生み出す「質問力」。相手が負担なく答えられるような質問スキルが身につくと、相手との相互理解が促進し、より深い話を引き出せるようになります。仕事ではもちろん、プライベートでも身につけておきたい能力のひとつです。

この記事では、質問力を高めるメリットやトレーニング方法について詳しく解説します。

●関連プログラム/質問力のノウハウ・ドゥハウ
質の高い質問をする上で重要な「聴く力」と「訊く力」の2つのスキルに意識を向け、相手との間に信頼関係を構築し、より深い話を引き出せる実践的なスキルを鍛えます。

目次

質問力とは

質問力とは、相手に的確な質問を投げかけ、情報や意見を引き出す力のことです。質の高い質問を通じて、相手の意図を汲み取り、物事を正しく理解する力ともいえます。

質問力が高い人は、自分にとって必要な情報を引き出すだけでなく、相手の視野を広げたり気づきを促したりすることができます。良い質問をすることは相手との信頼関係の構築につながり、プライベートや仕事などさまざまな場面で役立つスキルです。

質問力を高めるメリット

質問力を高めると以下のようなメリットを得られます。

相手に興味・関心を示す

質問を通じて、相手に対する興味や関心を示すことができます。これにより、相手は「自分の話に興味を持ってくれている」と感じ、安心して話せるようになります。結果として会話が弾み、相手から好意を持たれやすくなるメリットがあります。

スムーズに信頼関係を構築する

質問力が高まると、相手の話をうまく引き出し、正しく理解できるようになります。ビジネスにおいては、質問を通じて相手の状況や要望を的確に汲み取ることで、より効果的な提案をすることができます。相手から信頼を得たり、良好な関係性を築いたりするうえで、質問力が重要なスキルとなります。

より多くの情報を収集する

質問力が高い人は多様な視点を持っており、さまざまな切り口で相手の関心を引き出しています。質問力を高めると、一人ひとりの状況や意図を汲み取ったアプローチがおこなえるようになり、より多くの情報を収集することができます。

問題解決のためのヒントが見つかる

ビジネス上の問題を解決するためには、まず問題そのものを明らかにして、それが起こった原因を究明する必要があります。的確な質問をおこなうと、問題となっている事象の原因が明確になり、解決に導くためのヒントを見つけやすくなります。また、対話を通じて相手が認識していなかった問題が見つかることもあり、相手にとってよりよい解決策を提案できるようになります。

相手の思考・理解を深める

質の高い質問をすると、自分が必要とする情報を得られるだけでなく、相手の思考や理解も深められるメリットがあります。自分自身の思考を振り返るきっかけとなり、これまでになかった視点に気づかされたり、問題に対する関心や理解が深まったりと、質の高い質問は相手にもよい影響を与えることが期待できます。

良い質問と悪い質問

質問力を高めるメリットは「良い質問」をしたときのものであり「悪い質問」をしてしまうと相手との関係が悪化するおそれがあります。「良い質問」「悪い質問」とはどのような質問を指すのでしょうか。

良い質問

良い質問とは、相手の意見や体験を引き出し、新たな気づきをもたらすものです。これらは自分で調べられず、相手に質問しなければ得ることができません。また、相手との距離を縮め、良好な関係性の構築につなげられるような質問も「良い質問」といえます。

悪い質問

悪い質問とは、検索すればすぐにわかる知識を尋ねるものです。自分で調べられる内容を他者に聞く必要はなく、そのような質問をしてしまうと相手からの信頼を失うおそれがあります。また、相手に不快感を与えるようなネガティブな質問も極力避けるべきでしょう。

質問力が高い人の特徴

質問力が高い人には以下のような特徴があります。

傾聴する

相手の話に関心を持ち、共感や理解を示しながら話を聴くことを「傾聴」といいます。相手と気持ちを通わせる傾聴力はコミュニケーションの基礎であり、相手の話す内容を正しく理解するうえで必須のスキルです。質問力が高い人には傾聴力があり、相手の話に真剣に耳を傾けて最後まで聴くことができます。

整理された質問で問いかける

質問力が高い人は、事前に情報収集と整理をおこない、ゴールまでの道筋を立ててから質問をしています。矛盾のない論理的な話し方ができるため、質問の内容が明確でわかりやすく、相手から的を射た回答を得ることができます。

相手が話しやすい雰囲気を醸し出す

質問力が高い人は、相手に合わせた質問をおこない、相手が話しやすい雰囲気をつくることができます。対話をするなかで、質問の仕方や表現方法を工夫し、相手が答えやすい質問を投げかけています。また、質問力のある人はコミュニケーションスキルも高く、質問を通じて相手との距離感を縮めることができます。

質問力を上げる3つのスキル

質問力を上げるスキルには以下の3つがあります。

仮説構築力

仮説構築力とは、相手の意図や状況を予測し、適切な質問をするスキルのことです。相手のことを考えず思いつくままに質問するのではなく「おそらくこうだろう」という仮説(自分が考える仮の答え)をもって問いかけることを意識すると、より効果的な質問ができるようになります。

ツリー活用力

ツリー活用力とは、階層的に質問を展開し、深い洞察を得るスキルのことです。ロジカルシンキング(論理的思考)に即した手法であり、質問項目を整理してツリー状に展開させます。全体像をつかみやすくなるので、複雑な内容もわかりやすくなります。

質問話法力

質問話法力とは、相手に合わせて質問の仕方や表現方法を工夫するスキルのことです。営業トークでよく活用されるスキルであり、質問を投げかけながら相手の課題を探り、それを解決するための方法を提案していきます。アイスブレイク的な質問を通じて、相手が話しやすい流れをつくることができます。

質問の種類

質問にはさまざまな種類があります。各種類の特徴を理解し、相手の答えを引き出せる的確な方法を選ぶことが大切です。

拡大質問・限定質問

拡大質問とは、回答の範囲を限定しない質問で、相手に自由に答えてもらうことができます。一方、限定質問とは「はい」「いいえ」のような明確な答えが返ってくる質問で、相手に回答の選択肢を与えるのが特徴です。拡大質問は「オープンクエスチョン」、限定質問は「クローズドクエスチョン」ともいいます。

過去質問・未来質問

過去質問とは、過去に起きたことに対する質問をいいます。相手が経験したことに対して「なぜこうなったと思いますか」というような問いかけが過去質問にあたります。一方、未来質問とは今後の展望に考えを向けた質問で「その問題を解決するには何が必要だと思いますか」というような問いかけを指します。

サトルクエスチョン

サトルクエスチョンとは、仮説をもとに質問し、相手の本音を引き出すテクニックのことです。相手との関係性が十分に構築されていないときに活用できる方法で、質問していることを相手に悟らせないことがポイントです。サトルクエスチョンを用いると、相手の警戒心が薄れ、本音を話してもらいやすくなります。

質問力向上のトレーニング方法

質問力を向上させるための具体的なトレーニング方法を以下にまとめました。

事前に情報収集を行い整理する

質問力が高い人は、相手に聞かなくてもわかる質問は自分で調べ、相手に聞かなければわからないことだけ問いかけています。質問を投げかける前に、情報を収集・整理し、自分なりの仮説を立てることを意識しましょう。

いろいろなことに疑問を持つ

質問力を高めるためには、日常生活のあらゆる物事に疑問を持ち「なぜそうなるのか」「他の方法はあるのか」といった思考を巡らせるのが効果的です。日頃から疑問を持つことを意識すると、さまざまな角度から物事を捉えることができるようになり、質問の方法や表現のバリエーションを増やすことができます。

質問力が高い人を観察する

良い質問をする人の質問方法や話し方を模倣することも質問力の向上につながります。ミーティングなどで周囲の人が対話している場面を観察し、相手が答えやすい質問をしている、相手に気づきを促すような質問をしている人を探してみましょう。

自分が受けた質問を振り返る

これまでに自分が受けた質問を振り返り、新たな気づきをもたらした「良い質問」がどのような問いかけだったか考えるのも効果的です。また逆にネガティブな感情が湧き起こった「悪い質問」について考えることも、質問の質を上げるうえで効果があります。自分が質問をする際には、ぜひ良い質問を模倣しながら取り入れていきましょう。

質問をして経験を積む

質問力を高めるためには、実際に質問をして経験を積み「質問すること」に慣れていく必要があります。はじめはうまくいかなくても、実践を重ねることで徐々に効果的な質問方法がわかるようになります。質問力を高める研修プログラムを取り入れ、自分の質問に対して第三者からフィードバックを受けるのも効果的です。

まとめ

質問力とは、相手に合わせた的確な質問を通じて知識や情報を引き出すスキルのことです。良い質問をすることで相互理解が深まり、相手との信頼関係を構築できます。情報を整理して自分なりの仮説を立て、相手が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。

HRインスティテュートが提供する「質問力のノウハウ・ドゥハウ」は、相手のニーズを引き出せるような質問力を養成するプログラムです。参加者が自ら考える演習ベースの内容となっており、ビジネスで活用できる実践的なスキルを身につけることができます。社員の質問力に課題を感じている企業様は、以下のリンク先より本プログラムの詳細をご確認ください。

関連プログラム:質問力のノウハウ・ドゥハウ|組織・人材開発のHRインスティテュート

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監修者
米虫 瞳
早稲田大学教育学部卒業後、総合人材サービス会社に入社。官公庁や自治体を対象とするBPO事業部にて、人材採用の観点から多岐にわたるプロジェクトを支援。 HRインスティテュートでは主にロジカルシンキングやビジネスコミュニケーション、プレゼンテーションに関するプログラムを担当。 日本アクションラーニング協会公認アクションラーニングコーチ(ALC)/キャリアコンサルタント(国家資格)/青山学院大学学校教育法履修証明プログラム修了ワークショップデザイナー
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