クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは?メリットや資質を紹介
「あなたの強みは?」と聞かれると皆さんどのようなことを思い浮かべますでしょうか。
自分の強みを知ることで自己理解を促進し、また他者の強みを理解することで他者理解を促進し、信頼関係が構築されます。そして、一人ひとりの強みを活かすことは、組織の持続的な成長につながっていきます。
この記事では「クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)」を通じて、個人もしくは組織で強みを知り・活かす方法について取り上げます。
●関連プログラム:【ストレングスワークショップ】無理なく一人ひとりが強みを活かし成長する組織へ
HRインスティテュートでは、一人ひとりの強みを活かして個人・チームの変革を目指すプログラム「ストレングスワークショップ」を開催しています。
そもそも「強み(ストレングス)」とは
才能の定義
「才能」 x 「投資」=「強み」。クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)を考案したドン・クリフトンは、「才能」を“自然に繰り返される思考、感情または行動のパターン”と定義しています。才能とは生まれ持った考え方、感覚、行動といった先天的な能力であり、それを強みにするには「投資」が必要といいます。ここでいう「投資」とは訓練やスキル開発を指し、才能に投資を掛け合わせることで一人ひとりの「強み」として発揮できるという考え方を示しています。
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは、自身の強みを知り・活かすためのアセスメントツールです。177個の質問に対する回答から一人ひとりの才能を測定して34資質に分類し、優先度の高い資質が診断結果として提示されます。アメリカの調査会社であるギャラップ社が開発したもので、現在は「クリフトンストレングス」へブランド変更しています。
参考:クリフトンストレングスの科学について知る|GALLUP
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)のメリット
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)を受けることで以下のようなメリットを享受できます。
自己理解が深まる
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)によって自分の才能が明らかになり、その才能を強みとして仕事に活かすことができます。仕事選びにおいても、自分の強みが活かせる仕事がわかることで、やりがいを持って働ける環境を選ぶことができるようになります。また、自らの強みを理解し、それを活かしている人は、エンゲージメントや生産性、生活の質が高い傾向にあります。
チームパフォーマンスが向上する
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)を受けることでメンバーの強みが可視化され、多様な視点が持てるようになります。自分と他者との違いを知り、メンバー同士の理解が深まると、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。また、強みを活かしたチームは、従業員エンゲージメントやパフォーマンスが高く、離職率が低い傾向にあります。
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)でわかる資質
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)でわかる資質は34種類あり、以下4つの領域に分類されます。
実行力
実行力とは物事を成し遂げていく力です。
「実行したい」「達成したい」という資質で、全部で9種類あります。
資質 | 特徴 |
達成欲 | 物事を一つひとつ完遂させる資質 |
アレンジ | 効率的な方法を見つけて成果を出す資質 |
信念 | 自分の価値観を堅く信じる資質 |
公平性 | 個よりも全体の利益を優先する資質 |
慎重さ | 確実に成果を出すためにリスクに対する備えを怠らない資質 |
規律性 | 物事を習慣化する資質 |
目標志向 | 自分が決めた目標に向かって突き進む資質 |
責任感 | 自分の責任を果たす資質 |
回復志向 | 問題点を見つけて解決する資質 |
影響力
主導権を握る方法を熟知し、自分の意見を主張して他者を巻き込む力です。
「人に影響を与えたい」という資質で、全部で8種類あります。
資質 | 特徴 |
活発性 | 失敗を恐れずにスピード感を持って行動する資質 |
指令性 | 対立を恐れずに何事も主導権を握り決断する資質 |
コミュニケーション | 言葉を使って他者を納得させる資質 |
競争性 | 他者との競争に勝ち、常に一番を目指す資質 |
最上志向 | 常に上を目指して、強みをさらに向上させる資質 |
自己確信 | 自分がやると決めたことに対して確固たる自信を持つ資質 |
自我 | 自分の存在を認めさせ、周囲に影響を与えたいという資質 |
社交性 | 初めて会う人ともすぐに打ち解けられる資質 |
人間関係構築力
安定した人間関係を構築し、大きな力を発揮するチームをつくる力です。
「他者と良好な関係性を築きたい」という資質で、全部で9種類あります。
資質 | 特徴 |
適応性 | 未来は変わるものと認識し、今の状況に柔軟に対応する資質 |
運命思考 | すべての物事がつながり、互いに影響し合っていると考える資質 |
成長促進 | 他者の可能性に目を向け、成長を信じて関わる資質 |
共感性 | 他者の感情を自分ごとのように考える資質 |
調和性 | 他者との対立を避け、全員で歩調を合わせる資質 |
包含 | メンバー全員に役割と居場所を与えられる資質 |
個別化 | 一人ひとりの個性を見極め、尊重し受け入れる資質 |
ポジティブ | 何事も前向きに捉える資質 |
親密性 | 互いに深く信頼し合い、親密な関係性を築く資質 |
戦略的思考力
課題を解決するために、自ら情報を取り入れて分析し、より適切な判断をおこなう力です。
「考えたい」「学習したい」という資質で、全部で8種類あります。
資質 | 特徴 |
分析思考 | 客観的な事実をもとに分析する資質 |
原点思考 | 物事のルーツを探り、本質的に理解しようとする資質 |
未来志向 | ポジティブな未来を想像する資質 |
着想 | 独創的な視点から新たなアイデアを生み出す資質 |
収集心 | 自分の知りたい情報を集める資質 |
内省 | 自分の知り得たことを深く考える資質 |
学習欲 | 学びのプロセスを楽しむ資質 |
戦略性 | 成果を得るためのアプローチ方法を考える資質 |
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の注意点
資質を強みとして発揮できるかは、人によって変わるものです。診断結果の上位にある資質(上位資質)が「強み」、下位にある資質が「弱み」と断定できるわけではありません。自分の上位資質をしっかりと理解し、投資をすることで「強み」として再現性高く活かしていくことが重要です。
このため、企業としてはクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の診断結果を人事評価に直結させないように注意が必要です。
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の活用方法
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)には以下のような活用方法があります。
キャリアデザイン
分析結果から自分の資質を把握し、その資質を活かせるかどうかという視点で仕事を探すことで、自分にとってやりがいのある仕事を見つけられる可能性が高まります。資質を明らかにすることは、自分のキャリアを考えるきっかけとなるでしょう。転職活動においても、資質を活かして発揮した強みをアピールポイントにすることができます。
チームビルディング
分析結果を共有することで、チームにおける他者理解・相互理解が促進されます。結果的にコミュニケーションが円滑になり、チーム全体の受容性が高まる効果が期待できます。また、チームメンバーの多様な才能や価値観を受け入れることで、多角的な視点から課題解決に取り組むことができるようになります。
マネジメント
分析結果から一人ひとりの資質が明らかになると、各々の「強み」を活かした役割分担や業務の割り当てができるようになります。それぞれの「強み」を活かし、お互いを補い合うことで、チーム力が強化されるとともに全体のパフォーマンスも向上します。また、部下の資質を知り、それに合わせたコミュニケーションをとることで、エンゲージメントの向上につなげることができます。
他のアセスメントツールとの比較
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)と、自己理解を促す他のアセスメントツールとの違いを以下にまとめました。
エニアグラム
エニアグラムとは、個人の性格を9つのタイプに分けるアセスメントツールです。自分や他者の性格タイプを知ることで、自己理解と相互理解が促進され、他者とのよりよい関係性を構築できます。強みを明らかにするクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは異なり、エニアグラムでは行動の裏にある無意識下の判断基準「動機」を明らかにしていきます。
用語解説:「エニアグラム」|組織・人材開発のHRインスティテュート
DiSC
DiSCとは、個人の思考や行動パターンを4つのタイプに分けるアセスメントツールです。思考のクセを理解することで、相手に適したコミュニケーションの取り方がわかり、円滑な情報伝達や関係構築に役立てることができます。強みを明らかにするクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは異なり、DiSCでは個人それぞれの思考とコミュニケーションの傾向を明らかにしていきます。
関連プログラム:DiSC®アセスメント~多様性・個を活かすコミュニケーション
まとめ
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは、アメリカのギャラップ社が開発した強みを知り・活用するためのアセスメントツールです。自身のキャリア形成やチームビルディング、マネジメントなどに活用できます。一方で、アセスメントを受けるだけではなく「才能」に投資をし続けることで再現性高く強みとして活用していくことが重要です。
HRインスティテュートでは、一人ひとりの強みを活かして個人・チームの変革を目指すプログラム「ストレングスワークショップ」を開催しています。自分とチームメンバーそれぞれの強みを理解し、組織全体で強みを活かせるようになれば、持続的に成果を出せる組織に生まれ変わります。
もし以下の様な悩みをお持ちで本プログラムに興味のある方は、以下のリンク先より詳細をご確認ください。
・「従業員エンゲージメントが低く悩んでいる」
・「組織として、成果・生産性をより高めていきたい」
・「各チームメンバーを活かしたキャリア形成や、組織づくりをしたい」
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