地方自治体のe-ラーニングはどこまで進んでいるのか?
少子高齢化やグローバル化により社会環境が大きく変化し、住民のニーズがますます多様化する現代。
専門的な知識やスキルを持ったプロフェッショナルな職員を確保・育成することは、地方自治体に求められる課題のひとつとなっています。
近年、総務省による自治体のDX(Digital Transformation)推進計画により、研修資料をデジタルコンテンツ化したe-ラーニングの導入が進んでいます。
新しい学習スタイルのe-ラーニングは、自治体にどう浸透し活用されているのでしょうか。
この記事では、デジタル化を目指す地方自治体の研修制度に欠かせないe-ラーニングについて、その導入事例や取り組み状況をご紹介します。
地方自治体のデジタル化推進とe-ラーニング
e-ラーニング(Electronic Learning)とは、インターネットを利用した学習形態です。
受講する場所や時間を選ばないこと、主体的に繰り返し学習できること、管理者がシステム上で受講者の習熟度を把握できることなどから、戦略的な人材育成をおこなううえでは効果的な研修プログラムといえます。
e-ラーニングは企業内のネットワークが広がった2000年代前半から導入が進み、各時代の最先端技術を取り入れながら飛躍的な進化を遂げてきました。
現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響など社会情勢の劇的な変化により、従来は対面形式だった研修のオンライン化が進み、e-ラーニングの需要もますます増加している状況です。
人材育成にかかる費用や時間に限りがある中で、人材管理の一元化・効率化を進めながら個々のキャリア開発を目指せるe-ラーニングは、地方自治体においても有効な方策といえます。
また、行政システムのオンライン化によるデジタル活用支援の住民サービスや、テクノロジー活用による社会課題の解決に対応できる職員を確保・育成していくには、専門性の高い研修制度の充実が不可欠となるでしょう。
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地方自治体のe-ラーニング導入事例
DX推進と人材マネジメントの視点から、各自治体の実情に沿ったe-ラーニングを導入・活用している事例をご紹介します。
事例1. 福井県庁
福井県庁では、職員向けのDX人材研修プログラムにオンライン学習サービスを導入しています。
行政のデジタル化に注力し、県知事をはじめ多くの職員が最新のIT関連技術や知見をオンラインで学んでいます。
地域全体のDXリテラシーを高めるため、まずは職員一人ひとりがデジタル化への知識を深め、行政サービスやDX政策に活かしていくのがねらいです。
また、民間企業と人材交流を深めることにより、IT教育とDX人材の育成加速にも取り組んでいます。
事例2. 三重県庁
三重県庁では、職員向けのブラッシュアップ研修に「e-ラーニング研修」を導入しています。
所属先の自分のパソコンから受講でき時間や場所を選ばないため、若手から中堅、ベテラン、管理職まで個々の都合やペースに合わせて効率的に活用できます。
三重県は令和3年度より「デジタル社会推進局」を立ち上げ、デジタル技術を活用しながら組織的課題を把握し、業務の進め方や働き方、人材活用について見直す「スマート改革」に取り組んでいます。
同時に、DXやICT(Information and Communication Technology)の知識・スキルを習得するための職員向け研修も積極的に進めています。
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e-ラーニング導入、自治体はどこまで進んでいるか?
政府による自治体DX推進計画の後押しもあり、オンライン研修であるe-ラーニングは、組織力向上や職員一人ひとりの教育、人材育成の方策として、地方自治体に広く浸透してきたといえるでしょう。
民間企業が提供するe-ラーニングにも、地方自治体用の研修プログラムが数多く構築されています。
e-ラーニングを導入するうえでは、いかに飽きさせず、受講者の学習意欲を持続させるコンテンツを提供できるかが重要になってきます。
自治体の要望に合わせてカスタマイズされたオリジナル教材であれば、実務内容との結びつきが強く、研修で学んだ内容を実務に応用できるため、研修の効果が最大化しやすくなるという特徴があります。
多岐にわたる業務を効率的にインプットする動画、自治体が抱える課題の解決に即して構築されたオリジナルプログラムなど、各自治体に最適なe-ラーニングを選択することが大切です。
先進の技術を取り入れながら革新し続けるe-ラーニング。
地方自治体におけるこれからのe-ラーニングは、受講者がさらに学びやすく感動するような学習体験ができること、また、DX推進によるICTを活用した新たな学びを継続して提供することが重要になるでしょう。
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まとめ
政府が推進する地方行政のデジタル化により、さまざまな地方自治体がデジタル技術を用いたe-ラーニング研修を効率的かつ効果的に活用しています。
社会情勢の変化やニーズに対応できるプロフェッショナルな人材を育成するには、それぞれの自治体の問題解決に適したe-ラーニングプログラムを選択するとともに、職員のモチベーションが向上するような学びを提供し続けることが大切になるでしょう。
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