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【HRI特別プログラム】両立支援キャリアワークショップ 【HRI特別プログラム】両立支援キャリアワークショップ

企業に求められる両立支援とは?仕事と家庭も上手くいく必要なサポートを紹介

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2015年以降、急激な増加をみせている共働き家庭。育児や介護を担う社員が仕事を続けられるように、企業には仕事と家庭を両立できる職場環境の整備が求められています。しかし、両立支援のための制度は内容が複雑なうえに改正も多く、人事担当者にとっては知識のキャッチアップだけでも大きな負担となります。

この記事では、人事担当者が制度の概要を把握できるよう、企業に求められる両立支援や取組み方についてわかりやすく解説します。

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両立のあるべき姿を明確にし、自分らしい活躍で組織に価値貢献している実感を持つための両立支援のためのプログラムです。

目次

両立支援とは?

両立支援とは、育児や介護を抱える社員が仕事と家庭を無理なく両立できるよう、企業が必要な支援を提供することをいいます。

社員が業務以外の時間を確保できる環境を整備し、仕事と家庭を両立しながら働ける職場になれば、社員の長期的なキャリア形成を目指すことができます。誰もが働きやすい環境が整うことで社員の成長と定着が図れるという、社員にとっても企業にとってもメリットのある取り組みです。

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仕事と家庭の両立支援が求められる背景

企業による両立支援が求められる背景には以下が挙げられます。

背景①「生産年齢人口の減少」

高齢化の進行により、15歳から64歳までの生産年齢人口の減少が際立っています。日本の生産年齢人口は1995年に過去最多を記録しましたが、その後は減少に転じ、2050年には2021年との比較で約30%減少する見込みです。今後ますます人手不足が加速することは確実のなか、人材確保・定着を図るために社員の「働きやすさ」を支援する取り組みが急務となっています。

参考サイト:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

背景②「共働き世帯の増加」

共働き世帯は2020年の調査で1,240万世帯あり、2000年前後の900万世帯と比較して約40%も増加しています。共働き世帯の増加とともに、育児や介護などの家庭生活と両立しながら仕事を続けられるよう支援する必要性も高まっているといえるでしょう。

参考サイト:厚生労働省|令和3年度版厚生労働白書|図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移

背景③「女性の就業意識の高まり」

女性が第一子出産後に退職する割合は、2010年頃まで60%前後で推移していました。しかし、2019年(2014〜2018年に第一子出生)の統計では42.1%まで低下しており、第一子出産後も働く女性が増えていることが読みとれます。出産を経て復職した女性が育児と両立しながら無理なく働き続けられるよう、企業側の柔軟なサポートが求められています。

参考サイト:リクルートワークス研究所|出産離職(2020年11月版)

背景④「後期高齢者における要介護認定される割合の増加」

高齢者における要介護認定を受けた人の割合は、65〜74歳では2.9%であるのに対し、75歳以上になると23.0%まで上昇します。75歳以上の後期高齢者を家族介護する場合、介護に携わる人(後期高齢者の子どもなど)は現役世代である40代・50代が中心となります。介護を担う社員に就業を継続してもらうためには、企業による仕事と介護の両立支援が不可欠です。

参考サイト:内閣府|令和3年版高齢社会白書(全体版)(2)65歳以上の者の介護

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仕事と家庭の両立支援で得られる企業のメリット

企業が両立支援をおこなうことで得られるメリットには以下が挙げられます。

  • 社員、特に女性社員が職場に定着しやすくなる
  • 社員の制度理解や就業意欲が向上する
  • 企業の社会的なイメージと信用性が向上する
  • 新卒者・中途採用者を確保できる

両立支援によって仕事と家庭をうまく両立できる環境が整えば、社員の定着率と就業意欲の向上が期待できます。また、社員が働きやすい職場づくりに取り組む企業として認知されることで企業イメージが向上し、人材確保の面でもよい影響を及ぼすと考えられます。

企業に求められる両立支援のサポート

企業に求められる両立支援のサポートはまず制度の導入からスタートします。次に、実施状況を確認しながら働き方の見直しをおこないます。その後、制度を効果的に運用できる職場づくりに取り組み、両立支援の効果を最大限に高めていくことが重要です。

企業に求められる両立支援制度と運用のポイントを以下にまとめました。

育児との両立支援

制度詳細
育児休業子どもが1歳になるまでの期間に認められる休業制度
正社員に限らず、パートなどの非正規雇用も基本的に対象
子の看護休暇       小学校就学前の子どもがいれば、1人につき年5日まで看護休暇を取得できる制度
育児短時間勤務3歳未満の子どもを持つ場合に、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる制度
育児時間1歳未満の子どもを育てる女性を対象に、
育児をするための時間が1日2回付与される制度
フレックスタイム制所定の総労働時間内で勤務する時間帯を自由に決められる制度
フレキシブルタイムとコアタイムの両方を設定するのが一般的
・フレキシブルタイム:いつ出退勤してもよい時間帯
・コアタイム:必ず勤務しなければならない時間帯

介護との両立支援

制度詳細
介護休暇要介護状態にある家族を介護するために1人につき年5日まで休暇を取得できる制度
(2人以上の場合は年10日まで)
介護休業要介護状態にある家族を介護するために1人につき3回まで、通算93日まで休業できる制度
介護短時間勤務要介護状態にある家族を介護するために勤務時間を短縮できる制度
(1人につき連続する3年以上の期間で2回以上利用可能)

そのほか企業で活用されている両立支援制度

制度詳細
スーパーフレックス制度出勤が必要なコアタイムが存在せず、すべてフレキシブルタイムとなる、より自由度の高い勤務形態
時間単位の年次有給休暇年5日の範囲内で、時間単位での取得が可能な制度。社員のさまざまな事情に応じて、柔軟に休暇を取得できる

両立支援制度の運用のポイント

両立支援制度を運用するポイントとして以下の5つが挙げられます。

  1. 制度について就業規則や労使協定に明記し、職場の慣行による曖昧な運用は避ける
  2. 制度導入後も柔軟に見直しをおこない、社員のニーズに適合した内容に改善する
  3. 行政の相談窓口や外部セミナーなど、社外のリソースを活用して制度運用に活かす
  4. 両立支援のための行動計画を策定し、会社の方針を明確化する
  5. 労務担当者にとどまらず、経営層も巻き込みながら両立支援を推進する

行政による両立支援に関する企業へのサポート

両立支援に対する行政のサポートに「両立支援等助成金」があります。育児休業や介護休業の取得を支援する事業主に支給される助成金のことで、2023年度は「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」「介護離職防止支援コース」「育児休業等支援コース」の3コースが設定されています。

参考サイト:令和5年度両立支援等助成金

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働き方の見直しを図るポイント

企業や部署によっては長時間労働を前提とした働き方が恒常化しており、両立支援制度を利用する社員が現れると業務の運営に影響が出てしまう可能性があります。両立支援に限らず、社員が急に休んだ場合でも滞りなく業務を遂行できるよう、働き方の見直しや改善に取り組むことは経営上も重要なテーマとなります。

制度の円滑な利用に向けて、働き方の見直しを図るポイントを以下にまとめました。

ポイント①:労働環境

  • 1日のスケジュールを把握して時間管理を徹底する
  • 特定の時間を業務に集中する時間に指定する
  • 会議や研修を必ず業務時間内に実施する
  • 在宅ワークの導入など、どこでも仕事ができる環境を整える

ポイント②:業務内容

  • 業務の仕分けをおこない、必要性の低い業務を削減する
  • マニュアル化を徹底する
  • 部署内で業務分担を均等化する
  • 細かい短納期タスクではなく、仕事をかたまりで依頼する

ポイント③:業務システム

  • タスクの進捗状況を可視化する
  • 管理職からの決定裁量の移行を進める
  • 個人に依存しないよう、タスクのダブル担当制を進める
  • 仕事の相談をいつでもできるようなチャットツールや定期的な1on1の場などコミュニケーション手段を整える

制度の活用を促進する職場づくりに向けて

企業が両立支援制度を整備・拡充しても、対象の社員が周囲に対する遠慮から利用をためらうと、制度が形骸化していく可能性があります。重要なことは社員が気兼ねなく制度を活用できる職場づくりであり、その取り組みは社員と企業の双方にメリットをもたらします。

制度の活用を促進する職場づくりの方法には以下が挙げられます。

方法①:制度の周知

  • 就業規則に明記する
  • ホームページやパンフレットに明記する
  • 説明会を開催する

方法②:社員の意識改革

  • 研修やセミナーを通じて学習機会を提供する
  • 座談会などの社員向けのイベントを開催する
  • ニュースレターなどで多様な働き方をしている社員を紹介する

方法③:制度利用の促進

  • 相談窓口を設置する
  • 制度利用時のサポート体制や本人の処遇を明確にする
  • 管理職向けの説明会を開催する

まとめ

共働き世帯が増えるなか、働く社員にとって「仕事と家庭の両立」は大きな課題となっています。企業としては、必要な両立支援制度の導入とともに、対象となる社員が周囲に遠慮することなく制度を活用できる職場づくりに取り組む必要があります。今回ご紹介した両立支援制度や取り組み方を参考に、対象者へのサポートや運用方法について見直してみてはいかがでしょうか。

また、両立支援の施策には「両立支援キャリアワークショップ」もあり、近似した境遇にある他社社員と課題を共有する場として活用できます。ワークショップを通じて仕事と家庭の両立という経験が「強み」になると気づき、自分のありたい姿や活躍の場を明確にイメージできるようになります。

HRインスティテュートが開催する両立支援キャリアワークショップでは、育児や介護の経験をキャリアアップに活かすことを目指しています。人事担当者が自社の両立支援・キャリア支援の一環として、対象となる社員に受講機会を提供するのもよいでしょう。

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監修者
江口 瑛子
株式会社HRインスティテュート/チーフコンサルタント、事業開発担当 慶応義塾大学法学部卒業後、外資系コンサルティング企業に入社。 戦略コンサルタントとして、主に製造業におけるサプライチェーン変革を支援するプロジェクトなどに従事。入社したコンサルタントの育成を担うインストラクターも担当。 その後、HRインスティテュートに参画。自身のコンサルティング経験を活かし、人材育成・組織開発に関する企業の課題解決やスキル育成を支援する。 企業向けのプログラムの企画・開発・実施に加えて、大学でも講師として登壇。また、自社の新サービス開発、提携先開拓、新規事業創出などの事業開発領域も担う。Global Mindset認定コーチ。
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