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ビジョンボードとは?効果や作り方、活用ポイントを紹介

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よく目にする場所に掲げることで、自身の夢や理想がかないやすくなるといわれる「ビジョンボード」。

戦略的なマネジメントを行う上で注目される自己実現のメソッドですが、「自社の人材育成に取り入れるべきなのか」「必要性は感じるが取り組む方法が分からない」という企業担当者も多いようです。

本記事では、ビジョンボードとは具体的にどのような意味を持つものなのか、その効果や作り方、活用ポイントについて、詳しく紹介します。

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目次

ビジョンボードとは?

未来の組織開発・人材育成の手法の一つとして注目される「ビジョンボード」。

ビジョンボードとは、自身のかなえたい夢や希望、目標を可視化し、一つのボードにまとめたものです。大きな夢や理想の状況と関連するイラスト、写真、画像などを切り取り、ボードに貼り付けて作成します。かなえたい夢や希望、目標を具体的に分かりやすく表現することで、夢の実現をアシストしていくことがポイントです。

近年、目まぐるしく変化する社会環境の中では、明確な目標を掲げて行動することが難しくなっています。これからの組織成長や戦略的な人材育成には、一人ひとりが自身の夢や希望、目標に向き合い、その実現に向けてポジティブに行動することが欠かせません。

ビジョンボードを作成し、目につくところに掲げておけば、自身のかなえたい夢や希望、目標達成を強く意識するようになります。これは、科学的にも根拠が証明されている「RAS(ラス)」と呼ばれる脳機能の特徴の一つです。

人の脳には「自身が持つ興味・関心事への情報収集に鋭敏になる」という習性があります。夢や希望、目標を可視化し、回数を重ねて何度も繰り返し見ることで、その必要性を脳がはっきりと意識するようになるのです。

その結果、目標達成に向けてのモチベーションが飛躍的に高まったり、行動変容が起きたりして、自然と自身の夢がかなうことにつながっていくと言われています。

脳が「必要な情報」として夢や希望、目標を明確に認識するためには、「こうなりたい」「これを達成したい」という願望を、実際に目で見えるよう「カタチ」として表すことが重要です。

そのためには、理想を漠然と頭に思い描いているだけではなく、ビジョンボードとして常に目につくところに置いておくことが大切です。いつでも側にあることで、ビジネスや人生の成功にとって重要な夢、希望、目標のイメージを強く持ち続けることができるようになります。

ビジョンボードの作成は「理想の姿はあるけれどうまく進めない人」や「やりたいことがあるのに長続きしない人」「将来的に必ず達成したい目標がある人」には、目標設定のメソッドとして、大きなメリットがあると言えるでしょう。

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ビジョンボードの効果

自身の夢や希望、目標を可視化するビジョンボードの効果には、主に次の3つが挙げられます。

効果①目標達成のイメージを具体化できる

夢や理想と関連するイラストや写真を貼り付けて作成するビジョンボードは、文字のみのツールよりも多くの情報量があります。

自身が頭に描いているイメージをより具体的なものにでき、言葉や文字だけでは表現しにくい感情・感覚・ビジョンを明確化するのに効果的です。ぼんやりしていた理想の姿、目標達成のイメージがはっきりと捉えられるように変わります。

効果②自身の行動が無意識のうちに変化する

ビジョンボードを目につくところに掲げていることで、無意識のうちに自身の理想と現実のギャップを意識するようになります。いつの間にか自然とその差を埋めるような行動変容が起こりやすくなることがポイントです。

毎日ビジョンボードを見れば、潜在意識の中に理想の姿がインプットされ、リマインダーのように自己実現欲求へとつながっていくでしょう。

効果③夢がかなう疑似体験によりモチベーションが高まる

ビジョンボードを作成することで、自身の夢や希望、目標が達成できたときの将来の姿が鮮明にイメージできるようになります。目標を設定した当初を思い出してモチベーションが高まったり、より早く実現することに向けての動機づけになったりと、大きな効果を発揮するはずです。

また、組織のメンバーがそれぞれのビジョンボードを持つことで、対話を通じて達成したい目標や達成した際のイメージが明確化されます。それにより新たな価値が生まれ、組織全体の活性化・ボトムアップにも期待が持てるでしょう。

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ビジョンボードの作り方

目標の解像度が上がるビジョンボードの作り方は、次に挙げる5つの手順が基本となります。

手順①夢や希望、目標の達成までの時間軸、ビジョンボードに含める領域を設定する

最初に自身のかなえたい夢や希望、目標をいつまでに達成するか期限を決め、時間軸を設定します。「これはできないかも」といった思考の制限をなくし、柔軟な発想から生まれたビジョン達成までプランを描くことがポイントです。
また、漠然とビジョンをイメージするのではなく、仕事面(上司として・部下として・いちビジネスパーソンとして…)やプライベート面(親として・子として・友人として・いち市民として…)など、様々な立ち位置からのありたい姿を考えると、イメージがしやすくなります。

手順②かなえたい理想の姿を具体的に文字に起こす

時間軸が設定できたら、自身のかなえたい夢や希望、目標を大胆に描き、文字にしていきます。達成することが自身にとって意義があるもの、心から達成したいと望む夢や目標を想像し、具体化してみましょう。

手順③かなったときの状況や感情を具体的に文字に起こす

手順2で夢や目標、理想を書き起こしたら、今度はそれがかなったときの周囲の状況や自身の感情を文字にします。できるだけ具体的に記すことが大切です。夢がかなうことで周囲に与える影響や、自身の気持ちの変化を先取りするように文字にしてみましょう。

手順④自身が思い描く理想に近いイラスト・写真・画像などを収集する

次に、自身が思い描いている夢や希望、目標達成などのビジョンに近いイラストや写真、画像を雑誌・パンフレット・インターネットなどから探します。気になるものは、どんどん収集し、切り抜いていきましょう。イラストや写真、画像は、夢がかなったり目標が達成できたりした際の自身の感情が感じられるものを選択することがポイントです。

手順⑤選んだイラスト・写真・画像を自由にレイアウトして、ボードに貼り付ける

理想の画像が集まったら、今度は自身でレイアウトしてボードに貼り付けていきます。イラストや写真、画像は、どのように配置しても問題ありません。自由にアレンジすることが大切です。蛍光ペンで文字を書いたりマスキングテープやシールで飾り付けたりして、オリジナルのビジョンボードを完成させましょう。

※インターネットなどで収集したイラスト・写真・画像については、著作権の確認が必要なため、外部公開せず個人で利用する範囲にとどめましょう。

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ビジョンボードの活用ポイント

ビジョンボードは、目標達成・夢の実現という「ゴールへ向かう際の促進ツール」として活用することがポイントです。明確な夢・目標を認識・浸透させることで、自然と行動変容につながり、自身に成長をもたらします。

また、ビジョンボードは一度作成したら終わりではなく、その都度更新していくことが大切です。夢がかなったとき、目標を達成したときや、ライフステージが変化したとき、一定の時間が経過したとき、ビジョンボードを見ていてしっくりこないと感じた際には新たな理想を描き、更新し続けることがポイントになります。

最適な研修プログラムの導入などで、より効果的なビジョンボードが作成できるよう、企業が社員をサポートすることも重要です。自身の内面から湧き出る「こうなりたい」という感情・心の動きに向き合い、その実現に向けて、どんどんアウトプットしていきましょう。

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まとめ

ビジョンボードとは、自身のかなえたい夢や目標を可視化し、一つのボードにまとめたものです。

理想の状況が関連するイラスト、写真、画像などをボードに貼り付けて目につくところに掲げることで、「目標達成のイメージを具体化できること」「自身の行動が無意識のうちに変化すること」「夢がかなう疑似体験によりモチベーションが高まること」などの効果が見込めます。

作り方の手順を理解し、活用ポイントを踏まえて作成すれば、自然と行動変容と成長をもたらしてくれるはずです。自社の組織開発や人材育成に、ビジョンボードを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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監修者
高尾 祐輝
慶應義塾大学法学部卒業後、国内メガバンクにおけるソリューション営業、新卒採用、システム企画・開発、国内および米国ニューヨークの現地法人にて国際金融規制(バーゼル規制)対応等のプロジェクトマネジメントに従事。その後、HRインスティテュートに参画し、ビジネススキル研修や次世代リーダー育成プログラム(ワークアウト)の企画・実施、オンラインプログラムの開発、人財採用および情報システム業務等を担当。 特定非営利活動法人日本エニアグラム学会アドバイザー / 一般社団法人日本コーチ連盟会員 / 中京大学経営学部・経済学部非常勤講師 / 一般社団法人ジャパンビアソムリエ協会認定ジャパンビアソムリエ
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