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クラウドファンディングのやり方|種類ごとの特徴や基本的な手順を解説

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インターネット上で広範囲に支援者を募り、資金提供を呼びかける「クラウドファンディング」。資金調達方法の1つとして興味があっても、具体的なやり方がわからずに躊躇している企業も多いのではないでしょうか。

この記事ではクラウドファンディングの基礎知識とともに、プロジェクトを実行するための基本的な手順を6つのステップでわかりやすく解説します。

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目次

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて複数の支援者から資金を集める方法をいいます。「群衆」を意味する「Crowd(クラウド)」と「資金調達」を意味する「Funding(ファンディング)」の2つの単語を組み合わせてつくられた言葉です。

クラウドファンディングでは起案者がインターネット上でアイデアを公開し、これに賛同する支援者から資金を提供してもらう形をとります。「All or Nothing型」「All in型」と呼ばれる2つの実施方式があり、All or Nothing型では目標金額を達成しなければ支援金を受け取れませんが、All in型では目標金額に届かなくても支援金を受け取ることができます。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは設定するリターンによって「寄付型」「購入型」「融資型」「投資型」の4種類に分けられます。この「リターン」とは資金提供してくれた支援者に対する「お返し」のことです。ここでは種類ごとの特徴をご紹介します。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングとは、金銭的価値のないリターンを設定して資金を募る方法です。純粋な寄付を目的としたクラウドファンディングであり、支援者に対する金銭的リターンはありません。社会課題の解決を目指すものなど公益性の高いプロジェクトで利用されることが多く、資金提供者にはお礼のメールや手紙、活動報告などを送ります。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングとは、金銭的価値のある商品やサービスをリターンとして資金を募る方法です。資金提供した支援者は商品やサービスを先行して買えたり、割安で利用できたりするメリットがあります。明確なリターンが設定され、具体的な成果物を得られる購入型は人気の高いクラウドファンディングです。

融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングとは、出資に対する元本と利息をリターンとして資金を募る方法です。ファンド業者を通じて集めた出資金が企業に融資され、投資家はその対価として金銭的リターン(=元利金)を受け取ります。企業としては短期間で資金を調達できるメリットがあります。一方で、元本や利子が保証されておらず、プロジェクトの成功に応じて利益が変動することは投資家側のデメリットとなります。

投資型クラウドファンディング

投資型クラウドファンディングとは、出資に対する利益の分配をリターンとして資金を募る方法です。投資家は未公開株に投資し、企業の成長によるキャピタルゲイン(資産の売却によって得られる売買差益)をねらいます。ただし、市場に上場していない企業が対象となるため、投資家にとっては十分なリターンが得られないリスクもあります。

クラウドファンディングのやり方

クラウドファンディングはどのような流れで実施されているのでしょうか。ここではクラウドファンディングのやり方を6つのステップで詳しく解説します。

プロジェクトの決定

クラウドファンディングでは支援者からの共感・賛同によって資金を集めるため、より多くの人々に応援してもらえるプロジェクトを設定する必要があります。お金を集めることばかりに注力し、何を目的としているかわからない曖昧なプロジェクトでは興味を持ってもらえません。まずはプロジェクトの目的を明確にし、そこから逆算して目標金額や募集期間、リターンを設定することが大切です。

プロジェクトの準備

クラウドファンディングの形式を決定し、支援者からの出資に対してどのようなお返しをするか、リターン内容を詳細に決めていきます。

クラウドファンディングへの参加は「プロジェクトを応援したい」という無償の応援だけでなく、出資によって得られる魅力的なリターンが決め手となることもあります。支援者が好みのものを選べるようにリターンの種類を増やす、出資金額に対してリターンの内容を変えるなど、支援者の興味を惹きつけるための工夫が必要です。

プロジェクトの立ち上げ

プロジェクトが準備できたら、その性質に合致する適切なクラウドファンディングサイトを選び、プロジェクトを登録します。ビジネスや起業、まちづくり、ガジェット開発、クリエイター作品など、サイトによって力を入れているジャンルやユーザー層が異なるため、自社のプロジェクトに合うサイトを選ぶことがポイントです。

プロジェクトページを作成する際は、文章だけでなく写真や動画も取り入れて視覚的にアピールします。プロジェクトを達成したいという熱意とともに、そのプロジェクトを応援することでどのような未来が待っているのか、成功後のイメージを支援者に持ってもらうことも大切です。

プロジェクトの審査

作成したプロジェクトページは、各クラウドファンディングサイトの規約に基づいて審査がおこなわれます。審査の基準はサイトによって異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

審査の結果、何も問題がなければ掲載許可が出ますが、修正点がある場合は複数回差し戻されることもあります。公開希望日がある場合は修正による差し戻しを加味し、余裕を持った日程で提出するのが望ましいでしょう。

プロジェクトの運用

プロジェクトが公開されたら、SNSやWebサイトを活用して広報活動をおこない、その目的や内容に賛同してくれる支援者を集めます。複数のツールを活用して広く発信し、まずは自社のプロジェクトを多くの人に知ってもらうことを意識しましょう。

プロジェクトの期間中は定期的な進捗報告も欠かせません。プロジェクトページやSNSなどを通じてこまめに発信することで、支援者は自分が応援しているプロジェクトがどのように進んでいるのか確認できます。進捗報告の投稿を見た人が新たな支援者となって出資してくれることもあるため、プロジェクトを公開して満足するのではなく、その後の運用にも力を入れましょう。

プロジェクトの完了

目標達成・未達成にかかわらず、プロジェクト完了後は支援者にお礼の連絡をおこない、リターンがある場合は迅速に提供します。プロジェクトが終わった後の経過を気にかけてくれる支援者も多いため、その後どのような活動をしているのか定期的に発信し、次のプロジェクトにつなげるとよいでしょう。

クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングのメリットは、新しいプロジェクトを始める際の資金を効率的かつ迅速に集められることです。インターネットを介して広範囲の支援者にリーチし、従来の融資手続きよりも短期間で資金調達がおこなえます。事業の規模にかかわらず申し込めるため、創業したばかりの小規模事業者でも資金調達にチャレンジできます。

また、新しい商品・サービスを市場に投入する前のテストマーケティングとして活用することで、需要の有無やターゲット層を再確認できるメリットもあります。テストマーケティングで得られた情報は分析し、具体的な改善策につなげることが大切です。

クラウドファンディングのデメリット

当然ながら、実施したプロジェクトが必ず成功するとは限りません。実施形式を「All or Nothing型」とした場合、目標金額に達しなければ支援金を受け取れず、それまでの労力が無駄になってしまうこともあります。「All in型」を採用していても、支援者へのリターンを約束している場合は目標未達でも提供しなければなりません。

さらにクラウドファンディングには、自社の商品・サービスが他社に模倣されるリスクがあります。インターネットを通じて不特定多数の人々に認知してもらえる反面、新しいアイデアを簡単に盗まれてしまうリスクがあることに注意しなければなりません。

クラウドファンディングを成功させるには

クラウドファンディングを成功に導くポイントは、プロジェクトを立ち上げる目的を明確にし、支援者の共感を集めることです。プロジェクトを実施する背景やストーリー、達成後のイメージなどを言語化し、写真や動画も交えながら起案者の熱意を伝えましょう。

また、支援者の関心を集めるには、多くの人が「ほしい」「やってみたい」と思うような魅力的なリターンを用意することも大切です。プロジェクト掲載後は原則としてリターン内容を変更できないため、リターンの種類や金額設定も含めて慎重に検討する必要があります。

まとめ

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの支援者から資金を集める効果的な方法です。クラウドファンディングを成功させるためには入念な事前準備が欠かせません。目標金額や募集期間、リターン内容などはプロジェクトの目的から遡って設計していきます。まずはプロジェクトの目的を再確認し、支援者の賛同・共感を得られる内容を検討することが大切です。

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