EdTech(エドテック)の市場規模とは?拡大が進む背景と導入する際のポイント

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コロナ禍で対面からオンラインへ社会のニーズが急速に変化する今、テクノロジーの力で課題解決を目指す「EdTech(エドテック)」に注目が集まっています。
EdTechは教育現場や企業の人材育成などに活用が期待されるグローバルビジネスのひとつですが、その事業領域の拡大にはどのような背景があるのでしょうか。

この記事では、近年世界的に拡大が進むEdTech業界の現状や概要、具体的な市場規模、EdTechを活用するメリットや効果、導入する際のポイントもあわせてご紹介します。

目次

EdTechとは?

EdTechとは「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語です。
学校教育の現場から生涯学習、企業の人材育成・研修まで、あらゆる領域に「学び」の仕組みを提供できるビジネスやサービス、ベンチャー企業などの総称をいいます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会活動のオンライン化が加速する中、最新のテクノロジーを教育産業とかけ合わせてイノベーションを起こすEdTechの需要が増加しており、市場として今後も成長が見込まれています。

EdTechは2000年代中頃に誕生し、発祥地・アメリカではリーマンショックのあった2008年頃から活発化してきたといわれています。
日本では2017年に「Society5.0(ソサエティ5.0)」(※)が掲げられたことで、IoTやAI、クラウドサービスなどの最新技術で経済や社会の問題を解決し、便利で快適な暮らしを目指すという政策の実現に向け、EdTechが急速に発展し始めました。

(※)第5期科学技術基本計画で提唱された日本が目指す未来社会のこと。同計画にて「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されている。

参考記事:EdTech(エドテック)企業7選!企業内教育にも導入できるサービスを紹介

EdTechの市場規模

近年世界的な注目を集めるEdTechの市場規模は、海外だけでなく日本においても確実に拡大しているといえます。

下のグラフは野村総合研究所(NRI)が公表している日本のEdTech市場規模の推移です。

出典:野村総合研究所「ITナビゲーター2020年版」

野村総合研究所はEdTech市場規模の推計において、2023年には約3,000億円、2025年には3,200億円超に達すると予測しています。
日本でのEdTech市場は黎明期にあるものの、個人向け・法人向けを問わず、パソコンやタブレット、スマートフォン、その他専用端末を利用した学習コンテンツの市場は拡大していく予測結果となっています。

また、海外では「第4次産業革命」でEdTechの導入が進んでいます。独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、EdTechの世界市場規模は2018年から2025年にかけておよそ2倍の伸び率を推計、2025年は38兆円超の予測となりました。

EdTech市場の世界的な拡大には、通信速度の飛躍的な向上やスマートフォンの普及が大きく影響しています。
業種によっては人件費や設備投資費が抑えられ、あらゆるベンチャー企業が市場に参入できるようになったからです。
日本のEdTech市場をさらに拡大させるには、Wi-Fiや高速インターネット回線の整備、パソコンやタブレット、スマートフォンを1人1台所有できる環境づくりが必要になるでしょう。

参考記事:世界(海外)のEdTech市場規模とは?日本との違いについても解説

EdTechで学ぶメリットとは?

EdTechを活用するメリットには以下が挙げられます。

学習者はいつでもどこでも学ぶことができる

EdTechは時間や場所の制約がなく、好きなときに好きな場所で学べるため、忙しい社会人でも自分のペースをつくりやすいというメリットがあります。

管理者の学習管理が効率化する

コンテンツの理解度や進捗はデータで管理するため、学習者の現状や課題が明確化されます。
一人ひとりにカスタマイズされたプログラムや双方向のやりとりが提供でき、個々に最適な人材育成がおこなえるでしょう。

VRやARを活用できる

学習コンテンツやプログラムにはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を導入できるため、より感覚的で実際の体験に近い業務習得・訓練がおこなえます。

参考記事:企業内教育はEdTechでどう変わる?人事が求めるIoT・AIの活用法

EdTech導入のポイントは?

企業の人材育成や社員教育にEdTechを取り入れる場合は、その導入目的をあらかじめ明確にする必要があります。EdTechの導入は課題解決に向けた手段であり、導入そのものが目的ではありません。
EdTechでどのような課題を解決したいのか、どのような学びを提供すればよいのかなどについては、実際に導入する前に検討しておくことが大切です。
学習者のニーズとまったく異なることがないように、従業員への事前周知やアンケートなどをもとに、適切なプログラムを選択しましょう。

また、企業内にEdTechの担当者や担当チームを設けるなど、学習者がツールの機能や操作方法について気軽に質問でき、かつ学習意欲が高まるような内容やサポート環境をつくっておくことも重要なポイントです。

参考記事:EdTechのサービスをカオスマップからカテゴリーごとに解説
参考記事:VR(仮想現実)とは?意味や活用例、教育分野での将来性を解説

まとめ

EdTechとは、学校教育や企業研修などのさまざまな領域にテクノロジーの力で「学び」を提供できるビジネスサービスの総称です。
近年、通信速度の改善やスマートフォンの普及が影響し、EdTechの市場規模は日本を含め世界的に拡大しています。

企業にEdTechを導入する際は、企業ごとに目的を明確にし、質の高い学習を効率よく取り入れることが大切です。
企業力の底上げを目指すために、最新のテクノロジーを活用した戦略的な人材育成がおこなえるEdTechの必要性はますます大きくなっています。

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