【2021年度最新情報】いま注目されるHRテクノロジーとは?テクノロジーの力で人事が変わる

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企業がビジネスの成長を目指す上では、経営資源となる人材の力と最新のHRテクノロジーの掛け合わせが必要です。組織内に新たな価値を生み出し生産性を高めるには、企業がどのようなHRテクノロジーを導入し、またどのように活用していくかが重要になります。

この記事では、いま企業から注目されているHRテクノロジーとは具体的にどういうものなのか、そのトレンドや導入後の成果事例をご紹介します。

目次

HRテクノロジーとは?

HRテクノロジーとは、人事に関するあらゆる業務について最先端の技術を活用すること、またはその技術の総称を指す言葉です。HRテクノロジーを導入することで、採用活動や人材の育成、配置、勤怠、給与、労務、評価といった人事関連業務を効率化でき、生産性の向上が見込めます。

HRテクノロジーの技術には、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、クラウドなどがあります。こうした最先端テクノロジーの活用によって、これまで手作業でおこなっていた業務を自動化して、ミスの抑制や労働時間を短縮することができます。これにより、人事担当者はより企業の成長に必要な仕事に時間を費やすことが可能になります。

HRテクノロジーが急拡大している背景

近年、HRテクノロジーが急拡大している背景のひとつに、日本政府が推進する働き方改革の浸透が挙げられます。少子高齢化で働き手が減少する今、人手不足を解消するためには従業員の定着率を上げなければなりません。そのためには、これまで人事担当者が経験値でおこなってきた採用や配置・異動、評価などをHRテクノロジーを用いてデータ化、見える化し、人事担当者だけではなく、現場担当者や経営層にも情報を開示することで、共通認識のもとで人事関連業務を遂行し、従業員が働く環境をよりよいものにしていく必要があります。

また、近年は企業が長期的に成長していくための重要な要素「ESG」が世界中で注目されています。ESGとは「環境(Environment)」「社会(Social)」「管理体制(Governance)」の頭文字をとった言葉です。自社の具体的な経営資源を投資家に開示することが求められるようになったことで、人事は人材や資金、物、情報、知的財産などの正確なデータを把握し、いつでも開示できる準備をしておく必要があります。こうした業務を手作業でおこなうには人事担当者の負担が大きいため、企業にはHRテクノロジーを駆使して人事業務を自動化し、担当者の効率性や生産性を上げることが求められています。

HRテクノロジーで得られた成果事例

人事領域の研究・調査をおこなう「HR総研」は、企業の人事責任者・人事担当者に対し働き方改革(HRテクノロジー)に関するアンケート調査を実施しました。ここでは、HRテクノロジーの導入によって得られた具体的な成果事例を一部抜粋してご紹介します。

HRテクノロジーの成果事例従業員規模業種
採用プロセス管理の時短と効率化が達成された1,001名以上メーカー
エンゲージメント向上1,001名以上メーカー
労務手続きなど業務のマルチタスク化ができた301〜1,000名サービス
業務の自動化、完全テレワークの実現301〜1,000名情報・通信
経営の制度や施策の導入・改訂に関する意思決定を数値により支援することができた300名以下サービス
日々の残業時間、連動状況が管理でき、事前に注意できるようになった300名以下マスコミ・コンサル
参考:HR総研『HR総研:働き方改革(HRテクノロジー)に関するアンケート 結果報告』

いま注目されるHRテクノロジーとは?

企業の人事には多様化する人材の採用や育成、さらに従業員の定着率アップが常に求められていますが、差し迫った課題としては以下が挙げられます。

・従業員エクスペリエンス(良い体験)の創出・向上
・従来の業務プロセスの見直し・脱却
・作業コストの削減とその意識の高まり
・自動化による効率化と業務量の削減
・ビジネス環境の急激な変化への対応

また、HR総研が実施した働き方改革(HRテクノロジー)に関するアンケート調査によると、HRテクノロジーの導入目的として多かったのは「属人的作業の標準化」「定型業務量の削減」「作業コストの削減」でした。一方、HRテクノロジーの追加導入を検討する企業においては、導入目的として「エンゲージメント向上(離職率低減)」や「従業員の健康改善」を挙げる企業が多いことがわかりました。HRテクノロジーの新規導入では人事業務の効率化を目標とし、追加導入ではHRテクノロジーを活用して従業員体験の向上を目指したい考えがうかがえます。

参考:HR総研『HR総研:働き方改革(HRテクノロジー)に関するアンケート 結果報告』

まとめ

HRテクノロジーとは、最新のテクノロジーを駆使してあらゆる人事関連業務をおこなう手法です。HRテクノロジーで業務を自動化することで、人事担当者の定型業務を減らし、企業の将来に向けた人材育成などの施策を検討することができます。また、従業員が働きやすい職場環境をつくることで人材の流出を防ぎ、従業員の定着率向上につながる効果も見込めます。

人事業務を改善するには、人事が優先すべき課題やトレンドを踏まえた上で、自社の飛躍に必要なHRテクノロジーを選択する必要があります。自社に最適なHRテクノロジーを導入すれば、人事の改革に成功でき、企業力の底上げにも効果が期待できるでしょう。

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