KDDIが月額最大「約8.5万円」の賃上げ、初任給は「30.5万円以上」に。ベースアップや特別昇給など、非管理職平均“約6%”アップ

KDDI株式会社は2025年3月6日、基幹職(非管理職)に対する平均約6%の賃上げを行うことを発表した。併せて、2025年4月に入社を予定する新卒社員の初任給について、2.5万円のベースアップを行い、30.5万円からとするという。なお、高いスキルを持つ新卒社員については、初任給が最大で36.5万円となる。

賃上げ・初任給引き上げの目的

KDDIは、「全従業員の物心両面の幸福の追求」との企業理念を掲げている。同社はこの理念のもと、近年の物価高騰や社会保険料上昇を受けても全従業員が安心して同社で働くことができるよう、給与のベースアップを行うという。

さらに同社は、採用競争が激化する中で専門性の高い人材を確保することを目的として、新卒初任給の引き上げも同時に実施する。なお、この初任給引き上げは、入社後も安心して将来のキャリアプランの実現に向けた業務・自己研鑽ができるような支援も目的としているとのことだ。

同社は2020年に「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入しており、同制度では職務とスキルを明確に定義し、実力に基づいた評価・報酬で社員の成長を加速させることを目指している。今回の賃上げでは、高評価者を対象に特別昇給および特別賞与の支給を行うことで、社員それぞれが自身の専門性や能力を深め、社内外のパートナーと連携しながら成果を創出することを目指し、自発的に行動することを促進していく構えだ。

高評価者に重点を置いた「平均6%」の賃上げ。初任給は「30.5万円以上」に

今回の賃上げでは、基幹職(非管理職)の社員に対する1.2万円のベースアップおよび平均1.1万円の定期昇降給に加え、高評価者を対象とした平均0.8万円の特別昇給および平均12.4万円の特別賞与支給を行うとしている。これらを合計すると、昨年に引き続き、平均約6%の賃上げとなるようだ。

また今回、同社は特に高評価者の給与引き上げを重点的に行うことで、先述の「KDDI版ジョブ型人事制度」で掲げられる“プロ人財の育成”の加速を目指すという。これにより、非管理職における平均のグレード給(基本給)を支給されている社員が最高評価を獲得した場合、月額換算で約8.5万円の賃上げとなる見通しだ。

賃上げの内訳、およびイメージは以下のとおり。
賃上げの内訳(見込み値)

賃上げの内訳(見込み値)

賃上げのイメージ

賃上げのイメージ

なお、KDDIは今春、本社を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に移転することを契機とし、社員自身が成果創出に向けて挑戦・工夫できる環境・風土の醸成を進めていくとしている。
引き続き、賃上げの波は続き、新卒就活生においても“高給”へのニーズは高まっていると考えられる。採用競争が激化する中、より高スキルかつ優秀な若手人材の確保・リテンションに向けては、大幅な賃上げや初任給引き上げが有効打となるだろう。本事例を、自社の賃上げ検討の参考にしてみてはいかがだろうか。

出典:https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr_s-32_3769.html