【福利厚生】新入社員に最も必要な制度は「家賃補助」か。大企業は“福利厚生への満足度”高く、「モチベーション」との相関も

スターツコーポレートサービス株式会社は2024年8月27日、「自社の福利厚生制度に対する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2024年5月20日~6月4日で、会社員783人から回答を得ている。調査結果から、企業で働く人々が自社の福利厚生に対してどのような本音を持っているのかが明らかになった。

自社の福利厚生に対し48.4%が「満足」と回答。“満足していない”人が半数以上に

福利厚生制度が社員のモチベーションアップに繋がるのか、どんな制度が求められているのかを実際のアンケートをもとに調査することで実態を明らかにし、企業の人事担当者や経営層が自社の福利厚生制度を再検討する機会を設けることを目的として、スターツコーポレートサービスが定期的に実施している本調査。企業で働く人々は、自社の福利厚生に対してどのような本音を持っているのだろうか。

はじめに同社が、「働いている会社の福利厚生に対する満足度」に関して尋ねたところ、48.4%が「満足している」と回答した(とても満足:6.1%、満足:42.3%の合計)。反対に、半数以上が不満を抱えていることもわかった。

また、同結果を年齢別で比較すると、29歳以下において満足度が最も低く、37.8%。これは年齢が経つにつれて上昇し、40歳~49歳が最も高い51.8%という結果になった。若手社員ほど自社の福利厚生制度に不満を抱えている割合が高いようだ。
働いている会社の福利厚生に対する満足度

大企業ほど「福利厚生の満足度」が高い傾向に

あわせて、「社員数」と「福利厚生制度の満足度」の相関を分析している。その結果、社員数が1,000名以上の会社は福利厚生制度に満足している社員が54.8%なのに対し、社員数が減るにつれてこの割合が低下し、100名以下の会社では40.5%と、会社の規模によって満足度に差があることがわかった。この結果に対し同社は、「ある程度社員が多い大企業は制度が充実し、満足度が高くなっている」と推測している。
「社員数」と「福利厚生制度の満足度」の相関

「福利厚生制度の満足度」が社員の“モチベーション”に大きな影響か

次に、「福利厚生によりモチベーションに変化があるか」を尋ねたところ、95.2%が「モチベーションが上がる」と回答したという。

そこで同社が、「働くモチベーション」と「福利厚生制度の満足度」の相関を分析すると、福利厚生制度に対して「とても満足している」と回答した人の66.6%が「仕事がおもしろい、仕事へのモチベーションが高い」と回答した。一方で「かなり不満」と回答した社員では30.3%と働くモチベーションに2倍以上の差が生まれていた。この結果に対して同社は、「福利厚生制度の満足度が社員のモチベーションに大きな影響を及ぼしている」との見解を示している。
「働くモチベーション」と「福利厚生制度の満足度」の相関

新入社員にとって一番重要だと思う福利厚生は「家賃補助」

最後に、「新入社員に戻ったら、どの福利厚生制度が一番重要だと思うか」を尋ねている。その結果、「寮・社宅、住宅手当などの家賃補助」が、「特別休暇」や「財産形成支援」を上回って1位となった。

なお、アンケートに書かれたコメントでは、“生活に直結すること”や“可処分所得が大きく変わること”が選ばれた理由になっていたという。また、自社の福利厚生に不満を持っている人の中には「住宅系の手当が廃止されたこと」を理由に挙げている人も多く、生活の基盤を支える福利厚生として需要が非常に高いことがわかったとしている。
新入社員に戻ったら、どの福利厚生制度が一番重要だと思うか
本調査から、自社の福利厚生に対し48.4%が「満足」と回答するも、“満足していない”人が半数以上であるがわかった。また「福利厚生の満足度」と、従業員規模やモチベーションに相関関係があることもうかがえた。さらに、新入社員にとって重要だと思う福利厚生として、「家賃補助」に多くの回答が集まっていた。離職率や定着率に課題のある企業では、いま一度自社の福利厚生制度について、従業員の満足度を得られる内容になっているかを顧みてみてもよいかもしれない。