株式会社帝国データバンクは2024年8月9日、南海トラフ地震防災対策推進地域が含まれる29都府県の事業継続計画(BCP)の策定状況を発表した。
今回発表されたデータについては、同社が今年6月に発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2024年)」をもとに再整理したものとなる。
29都府県のうち、BCP策定率が最も高かったのは「高知県」で33.3%
2024年8月8日、宮崎県沖・日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生した。気象庁はこれを受け、同日に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表。気象庁による「巨大地震注意」の発表は初で、防災対策の推進地域に対し、地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけた。これに際して帝国データバンクは、同社が2024年6月に発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2024年)」の結果から、南海トラフ地震防災対策推進地域が含まれる29都府県における、BCPを「策定している」割合(以下、BCP策定率)を再整理した。なお、同調査において、BCP策定率の全国平均は19.8%であったという。
今回の再整理の結果、指定された29都府県のうち、BCP策定率が最も高かったのは「高知県」で33.3%だった。以下、「静岡県」が26.8%、香川県が23.3%と続いている。また、今回の地震の震源に近い宮崎県は、18.1%と全国平均を下回っていたという。
東日本大震災以降、企業に限らず日本国内の防災意識は高まっているが、今回の宮崎県沖で発生した地震、および「南海トラフ地震臨時情報」によって、その危機意識もさらに高まっているだろう。災害対策に関する項目も含まれる「事業継続計画(BCP)」の策定についても、いまだ未策定の企業においては優先度を高めていきたいところだ。