自社の経営状況・景気が「悪くなっている」と認識する人は半数に迫る…“商品”や“サービス”に関する改善・対策が必要か

株式会社フリーウェイジャパンは2024年7月17日、「2024年上期経営状況に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2024年6月25日~7月2日で、中小企業/零細企業の従業員・代表取締役、および個人事業主の計373人より回答を得ている。調査結果から、経営者および会社員等が、景気状況や自社の状況についてどう捉えているかが明らかになった。

自社の景気が「悪くなっている」との認識が半数に迫る。“受注量”などから危機感か

物価上昇等によって“不況感”が漂う昨今、企業には価格転嫁が求められるなど、苦しい状況が続いている。そうした中、特に苦境に立たされていると考えられる中小・零細企業の経営者や会社員は、景気状況や自社の状況についてどのように捉えているのだろうか。

はじめにフリーウェイジャパンは、「自身が働いている会社・業界の景気について、どのように感じるか?」と尋ねた。すると、「やや良くなっている」が25.7%、「悪くなっている」が25.3%、「やや悪くなっている」が21.7%、「変化なし」が21.4%、「良くなっている」が5.9%という結果だった。「悪くなっている」とする人は合計で47%と、半数近くに迫った。

そこで、「悪くなっている」もしくは「やや悪くなっている」とした人に、「その理由」を尋ねたところ、最多となったのは「受注量や販売量の動き」で61.7%だった。以下、「取引先の様子」が42.3%、「受注価格や販売価格の動き」が28.6%と続いている。
自身が働いている会社・業界の景気について、どのように感じるか?

営業利益は「変化なし」が44.5%で最多に

次に同社は、「営業利益が2023年度下期と比較してどうだったか」を尋ねている。すると、「変化なし」が44.5%、「悪化」が29.8%、「改善」が25.7%となった。「変化なし」との回答が最多となるも、「改善」と「悪化」では、やや「悪化」と回答する人が多い結果となった。
営業利益が2023年度下期と比較してどうだったか

7割弱が事業戦略/ビジネスモデルの強化・見直しは「行なっていない」と回答

続いて、「2024年度上期に事業戦略/ビジネスモデルの強化、見直し、対策を行ったか」を尋ねたところ、「行っていない」が67.6%、「行った」が32.4%となった。事業戦略/ビジネスモデルの強化・見直しを行っていない企業が7割に迫るようだ。
2024年度上期に事業戦略/ビジネスモデルの強化、見直し、対策を行ったか
そこで、前質問で「行った」と回答した人に、「どのような見直し施策を行なったか?」と尋ねた。すると、最多となったのは「既存の商品・サービスの見直し、アップデート」で39.7%、以下は「新しい商品・サービスの開発」が35.5%、「取引先の見直し」が25.6%、「事業の拡大」が22.3%となった。
どのような見直し施策を行なったか?

2024年度下期に向けた対策は“商品”や“サービス”に関するものが多数に

続いて、「2024年度下期に向けてどのような対策を予定しているか?」と尋ねたところ、「既存の商品・サービスの見直し、アップデート」が34.6%で最多となり、次点で「新しい商品・サービスの開発」が20.9%となった。2024年度下期に向けて、“商品”や“サービス”に目を向ける企業が多いようだ。

また、以下には「取引先の見直し」(18.2%)、「社員の待遇調整(給与・賞与も含む)」(15.5%)、「事業に必要な機器の購入費用の見直し」(12.1%)などが続いている。
2024年度下期に向けてどのような対策を予定しているか?
本調査から、半数近くの人が自社の景気について「悪くなっている」と捉えているものの、7割弱の企業が事業戦略/ビジネスモデルの強化・見直しを行っていない実態が見えた。また、2024年度下期に向けた対策は“商品”や“サービス”に関する回答が多くなっていた。不況が広まるなか、企業には売上に直結する“商品”や“サービス”の改善・見直しが求められそうだ。