「従業員持株会加入率」が9割超に上昇の高千穂交易。「奨励金の引き上げ」や「社内向けIR強化」など人的資本投資の成果

高千穂交易株式会社は、2022年4月より従業員持株会の加入率が上昇し、2024年3月は90.5%であったと発表した。従業員持株会の加入率上昇は、同社が行った「従業員持株会の奨励金の引き上げ」や「社内IR強化」の2つの取り組みによる効果であるという。

従業員持株会の利用促進に向け「奨励金の50%への引き上げ」、「社内向けIRの強化」を実施

高千穂交易は、従業員持株会の利用促進に向けた取り組みとして、2022年4月より「奨励金の50%への引き上げ」および「社内向けIRの強化」を実施した。これにより、従業員持株会の同社加入率が、2022年4月は「65.5%」であったのに対し、2024年3月は「90.5%」と、右肩上がりに上昇したという。

なお、東京証券取引所が2024年1月に公表した2022年度の「従業員の持株会加入状況」では、同社における加入率は36.97%だった。
従業員持株会加入率
同社が行った2つの取り組みの概要は以下の通り。

1.従業員持株会の奨励金を50%に引き上げ
同社では人的資本投資を強化しており、現在の中期経営計画を開始した2022年4月より、従業員持株会の奨励金を10%から50%に引き上げている。この取り組みの目的は、社員一人ひとりが株主目線を持って業務を進め、企業価値を高めるとともに、社員への還元を強化することでエンゲージメントを向上することである。

2.社内向けIRの強化
「従業員持株会を活用した資産形成」をテーマとした社内説明会などで、持株会の意義・メリットについて理解促進を行った。今後は社内IRをさらに強化し、社員向け決算説明会の開催などを通じ、社員の経営参画意識を高めていく。

同社は、今後も従業員持株会を通し株価を意識した経営を進め、企業価値向上に取り組んでいく考えだ。
従業員持株会の加入率の上昇は、従業員のエンゲージメント向上のほか、安定的な企業経営にもつながると考えられる。このような他社の事例を参考にしながら、自社でも従業員持株会制度の利用促進に向けて取り組んでみてはいかがだろうか。