パーソルキャリア株式会社は2023年10月23日、同社が運営する転職サービスdodaを通じて実施した「リモートワーク・テレワークの実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年8月23日~9月1日で、22~59歳の正社員15,000名より回答を得ており、正社員の地域・年代・性別に合わせてウェイトバック集計を実施している。本調査により、勤務先でリモートワーク・テレワークが認められているか、また今後の継続の有無、個人が希望する働き方などが明らかとなった。
新型コロナの5類移行を機に、リモートから出社に切り替えた企業が2割を超える
新型コロナの流行に伴い、リモートワーク・テレワークは急速に普及した。アフターコロナのフェーズに入ったいま、オフィス回帰またはリモート継続をする企業のほか、リモートワークと出社勤務を併用した「ハイブリッドワーク」の働き方を推進する企業もあるだろう。現在、企業においてリモートワークはどの程度認められているのだろうか。はじめにパーソルキャリアは、「勤務先でリモートワークが認められているか」を尋ねた。すると、「認められており、リモートワークを実施している」が27.4%、「制度上は認められているが、現在リモートワークを実施していない」が23.8%で、「認められている」との回答は計51.2%だった。
一方、「制度上、認められたことはない」は30.5%、「制度上、期間限定で認められたことはあるが直近3ヵ月(2023年6~8月)は認められていない」が7.2%で、「認められていない」とした回答者は37.7%となった。
また、「直近3ヵ月は認められていない」とした回答者に、「認められなくなったタイミングを尋ねたところ、「新型コロナの5類移行後(2023年5月)から」との回答者が2割を超えたという。この結果から、新型コロナの5類移行をきっかけに、リモートワークから出社に切り替えた企業があることがわかった。
約6割が「今後もリモートワークを継続する」と回答。廃止・減少はそれぞれ1割程度に
次に同社は、「リモートワークが認められている」とした回答者を対象に、「リモートワークは今後もこれまで通り継続されるか」を尋ねた。その結果、「継続する」は57.2%と6割に迫った。その内訳は、「変更なし」が43.4%、「減少」が11.2%、「増加」が2.7%となった。また、「廃止」とした人は9.4%だった。リモートワークの廃止や減少を行う企業も、それぞれ1割程度あることが明らかとなった。リモートワーク可能な日数は「週1~3日」が多数
続いて同社は、「リモートワークが認められている」とした回答者に、「リモートワークが可能な日数」を尋ねた。すると、「週1日」(19.2%)と「週2~3日」(20.4%)が僅差となり、いずれも2割程度であることがわかった。続いて、「週4~5日」(10.9%)、「週6日以上」(6.7%)となった。「リモートワークの廃止・減少」に対する不安を抱える人は3割を超える
次に同社は、「リモートワークが廃止または減少する」とした回答者を対象に、「不安や困難、不満感の有無」を尋ねた。その結果、「ある」(16.1%)と「ややある」(20.8%)の合計は36.9%と、3割を超える人が何らかの不安感を抱えていることがわかった。不安や困難、不満の内容を尋ねると、「子育て・介護と仕事の両立」が最も多く、「出勤することで生じる人間関係や仕事環境のストレス」などの声も聞かれたという。
一方で、リモートワークが廃止・減少したことによるメリットを尋ねたところ、「社内の人とコミュニケーションが取りやすいため仕事も進めやすい」、「仕事上、個人情報などの守秘性の高いデータを扱うことが多く、リモートワーク時に持ち出す情報に関し、手続きが煩雑であり、業務が進まないから」などが寄せられたとのことだ。
6割超が「リモートワークができる働き方」を望む
最後に同社は、「希望する勤務スタイル」を尋ねた。すると、「ハイブリッドワーク」(41.5%)が最も多く、次いで「自宅などでリモートワーク(在宅勤務・テレワーク)」(19.7%)となった。「リモートワークができる働き方」を望む人が6割を超えることが明らかとなった。一方で、「会社が定める場所(オフィス・店舗・工場など)に出社」は38%と、出社を希望する声も4割弱あることがわかった。
本調査結果から、リモートワーク・テレワークが認められている企業は半数を超え、うち約6割で「リモートワークは今後も継続される」ことがわかった。また、全体の約4割がリモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」を望んでいることも明らかとなった。リモートワーク/出社/ハイブリッドの選択肢をつくることで、従業員の多様な働き方が実現でき、個々のキャリア形成支援にもつながるだろう。