IHI、三井住友銀行の「人的資本経営推進分析融資」で最高評価獲得。人材と企業の価値を結びつけESG経営の推進へ

株式会社IHIと株式会社三井住友銀行は2023年9月15日、「人的資本経営推進分析融資」の融資契約を締結したと発表した。本融資は、三井住友銀行と株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)が作成した独自の評価基準に基づいて行われ、評価が好成績である企業に還元される。IHIは本融資での最高評価を得たことで契約締結に至ったという。これにより、今後も人材価値を企業価値に結びつける取り組みを通じて、ESG経営を推進していく考えだ。

IHIの優れた人的資本経営の取り組みが評価され、本融資で初の最高評価を獲得

「人的資本経営推進分析融資」とは、三井住友銀行が人的資本経営への取り組みを支援する融資商品だ。同行と日本総研が作成した独自の基準に基づいて、企業の人的資本経営の取り組みや情報開示の状況について評価を行い、取り組みや情報開示の適切さについての現状分析、今後の課題、課題への取り組み事例などが還元される。

三井住友銀行は、2022年12月に「人的資本経営評価融資」(現:人的資本経営推進分析融資)の取り扱いを開始した。同行が本融資の取り扱いを開始して以降、IHIは初の最高評価となり、人的資本経営において優れた取り組みと情報開示を実施しているとして、以下の点が評価されたとのことだ。

(1)経営者による人的資本経営へのコミットメント
(2)変革をリードする人材育成のための体系的な研修プログラムの整備
(3)従業員それぞれのキャリアを尊重できる職場環境整備に向けた取り組み


IHIは「ESGを価値観の軸においた社会・環境に配置した適切な経営」を実現させるための具体的な取り組みを示すものとして、2021年11月に「IHIグループのESG経営」を公表し、「人権の尊重」や「多様な人材の活躍」などを推進している。あわせて、2023年5月に公表した「グループ経営方針2023」では、事業・企業体質の変革を成すため、人への投資による成長戦略を打ち出した。これらを実現するべく、従業員が事業活動を通じて「働く喜び」を得られる企業であり続けるよう、企業文化や職場環境の整備を進めていく考えだ。また、今後も人材の価値を企業価値に結びつける取り組みを通じて、ESG経営を推進していくとしている。

昨今、経営戦略として人的資本経営やESG経営に取り組む企業も多いだろう。企業価値の向上や社会的責任を果たす目的だけでなく、従業員の働きやすさや多様性の実現を目指す企業では、他社の事例を参考に取り組みの推進や融資の活用を検討してみてはいかがだろうか。