株式会社学情は2023年8月18日、「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査」の中から、「転職希望時期」と「入社時期」に関する結果を発表した。調査期間は2023年7月25日~8月2日で、20代の社会人363名より回答を得ている。本調査より、20代転職希望者が転職を望む時期、および入社研修の有無や充実に対する意識、入社研修で学びたいことなどが明らかとなった。
「すぐに転職・就職したい」20代は6割にのぼる
働き手による主体的なキャリア形成に関心が高まる今、企業における経験者採用(中途採用)も活発化している。そのような中、20代の転職希望者は、転職時期や入社時研修にどのような考えを持つのだろうか。はじめに学情は、「転職希望時期」に関する調査において、「希望する転職・就職時期」を尋ねた。すると、「すぐに転職・就職したい」が35%、「どちらかといえばすぐに転職・就職したい」が25.3%で、合計60.3%と6割にのぼった。
一方で、「よい企業が見つかったタイミングで転職・就職したい」は12.1%、「どちらかといえばよい企業が見つかったタイミングで転職・就職したい」は21.8%で、合計33.9%と3割程度にとどまった。
転職先の入社希望時期は「2023年の9月・10月」が半数。春・秋入社の希望が多数に
そこで同社が、「転職・就職先の企業への入社希望時期」を尋ねると、「2023年9月」が30.3%、「2023年10月」が20.9%と続いた。9月・10月の秋入社を希望する20代が半数を占めた。自由回答には、「同期がいると安心して入社できる」や「下期が始まる区切りのよいタイミングで入社できると思う」、「新入社員が入社するまでの半年間で、仕事を覚えていきたい」などの声が寄せられたという。
次いで希望が多い時期は、「2024年4月」で12.1%だった。8人に1人は、春入社を見据えて転職活動をしていることがうかがえる。
6割の転職希望者が「必ず転職したい」と強い意思を示す
続いて、同社が「転職意向」を尋ねたところ、「必ず転職したい」は60.3%、「よい企業があれば転職したい」は39.7%だった。転職意思を固めて転職活動をしている20代は6割と、多数派であることがわかる。約9割が「入社研修の有無や充実度を意識する」と回答。研修を通じたスキル習得が目的か
さらに同社は、「入社研修」に関する調査から、「入社研修の有無や充実度を意識するか」を尋ねた。すると、「意識する」が56.2%、「どちらかといえば意識する」が33.1%で、合計は89.3%だった。20代の9割近くが「入社研修の有無や充実度」を意識していることがわかった。自由回答では、「研修を通じて、スキルを習得したい」や「基本的なことを押さえて仕事をしたい」、「自己学習と研修の両軸で、スキルや知識を習得していきたい」などの声があがったという。
入社研修の充実は志望度の向上にも寄与。“効率”や“成長機会”のため重要視か
次に同社は、「入社研修が充実していると志望度が上がるか」を尋ねた。その結果、「志望度が上がる」(50.7%)と、「どちらかといえば志望度が上がる」(35.8%)の合計は86.5%におよんだ。転職希望者の8割を超えることから、入社研修の重要性は高いといえるだろう。自由回答では、「必要なスキルや知識を得た上で仕事をする方が、生産性高く働けると思う」や「体系的な研修がある方が安心できる」、「研修が充実している企業の方が
成長できると思う」などの声が聞かれたという。
入社時の研修では「業務上必要なスキル」や「仕事の進め方」を望む声が多数
最後に同社は、「入社時に研修で学びたいこと」を尋ねた。すると、「業務で必要になるスキル」(84.1%)が最も多く、以下、「仕事の進め方」(82.5%)、「コミュニケーションツールなど社内システムの利用方法」(65.9%)、「会社の規程・ルール」(51.3%)と続いた。
両調査の結果から、すぐに転職を望む20代の社会人が6割存在し、入社時期として「2023年の9月・10月」を望む人が半数を占めることがわかった。次いで、「2024年の4月」の春入社を考える人も多いようだ。また、「転職の際、入社研修の有無や充実度を意識する」人は8割を超え、志望度にも影響するとしていた。このことから中途採用を行う企業では、春・秋入社ができるよう採用計画を整え、研修を充実させていくことが、今後の人員確保に効果的だといえるだろう。