「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か

株式会社GOAL-Bは2023年8月22日、「20代・30代既婚者、未婚者の夏季休暇後の転職意向調査」の結果を発表した。調査日は2023年8月17日で、一都三県に在住の、企業に勤める20代・30代の男女400名(既婚者と未婚者、各200名)より回答を得ている。本調査により、夏季休暇中に転職を検討した経験の有無や、今後の転職活動で優先したい仕事などに関する、未婚者・既婚者別の回答割合が明らかとなった。

夏季休暇時は既婚者の転職意向が高まる傾向に

夏季休暇などの連休よって仕事から離れることで、自身の働き方や業務について振り返る人も多いだろう。そのような中で、今回の夏季休暇をきっかけに、転職を考えた人はいるのだろうか。

はじめにGOAL-Bが、「夏季休暇中に転職を考えたか」を尋ねると、「考えた」との回答は全体で約3割におよんだという。

そこで、同設問を「既婚者」と「未婚者」に分けて比較した。すると、既婚者は「考えた」が32%、「考えなかった」が68%だった。対して、未婚者は「考えた」が26%、「考えなかった」が74%だった。夏季休暇での転職意向は、既婚者が未婚者に比べて6ポイント高いことがわかった。このことから、夏季休暇時の転職意向の高まりは、既婚者のほうが顕著であると推測される。
「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か

転職を考えたきっかけ、既婚者は「友人との会話」、未婚者は「一人の時間」が多数

次に同社は、「夏季休暇中に転職を考えた」とした回答者に対して、「そのとき誰と話して転職しようと考えたか」を尋ねた。その結果、「近くの友人と話して」(29.7%)が最も多く、以下、「話す前から考えていた」(24.6%)、「田舎の友人と話をして」(23.7%)、「誰とも話をしないで」(22%)と続いた。

既婚者・未婚者を比較すると、既婚者のほうが近くの友人や田舎の友人などと話をしたことをきっかけに転職を考えた傾向が強いことがわかる。対して未婚者は、「友人に話をする以前」や「誰にも話をせずに」など、一人の時間に転職を考える傾向にあるようだ。
「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か

転職を考える理由には「働いていて楽しくないから」が最多。既婚者は特に強い傾向に

続いて同社は、「夏季休暇中に転職を考えた」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。すると、最も多かったのは「働いていて楽しくないから」(39.8%)だった。以降、「給料が上がらないから」(36.4%)、「今の仕事が自分にあってないから」(34.7%)、「努力が報われないから」(28%)と続いた。

既婚者・未婚者の比較を見ると、転職を考える理由として、既婚者は「働いていて楽しくないから」や「今の仕事が自分に合っていないから」と考える傾向が強かった。一方で、未婚者は「給料が上がらないから」と考える傾向が強いことがわかった。
「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か

転職活動で優先したいのは「給料の安定」や「自分の強みを発揮」が叶う職場

次に同社は、全体に対し「これからの転職活動で優先したい仕事・職場は何か」を尋ねた。その結果、「給料が安定した職場で働きたい」(50.5%)が最も多く、以下、「自分の強みを活かせる会社で働きたい」(33.8%)、「努力すれば給料が上がる職場で働きたい」(29.3%)、「活気がある元気な職場で働きたい」(21%)が続いた。

既婚者・未婚者で比較すると、いずれも「給料の安定した職場」を強く求めており、収入を重要視する様子がうかがえる。ただし、「努力すれば給料が上がる環境」よりも「自分の強みを活かせる職場」を求めていることから、自分の能力を最大限に発揮して、“会社へ貢献することで給料が安定する環境”を望む傾向が見受けられる。
「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か

「年内の転職」を考える人は既婚・未婚を問わず約3割に

最後に同社が、「今後転職活動をしようと思うか」を尋ねたところ、全体では「すぐにしようと思う」と「今年中にはしようと思う」の合計が3割に迫ったという。

そこで、転職意向のある人の割合を既婚者・未婚者に分けて見てみると、既婚者における「すぐにしようと思う」(11%)と「今年中にはしようと思う」(19%)の合計は29%だった。対して未婚者では、「すぐにしようと思う(9%)と「今年中にはしようと思う」(18%)の合計は27%となった。既婚者と未婚者で大きな差はないものの、未婚者よりも既婚者のほうが3ポイント高かった。
「夏季休暇中に転職を考えた」人は約3割、既婚者は未婚者よりも高い結果に。離職防止には「働く楽しさ」のある職場が必要か
本調査結果から、「夏季休暇中に転職を考えた」人は、既婚者のほうが未婚者よりもやや多いことがわかった。また、既婚・未婚を問わず、「給料の安定した職場」や「自分の強みを活かせる職場」を求めているようだ。長期休暇が転職を考えるきっかけとなることを踏まえ、いま一度「働いていて楽しいと思える職場」や「個々のスキルを活かせる職場」づくりについて検討し、従業員のエンゲージメント低下を防ぐ方法を検討したい。