オープンワーク株式会社は2023年5月31日、「中途入社者23万人が選ぶ『人事評価が適正な企業ランキング』」を発表した。この結果は、同社の運営する転職・就職のための情報プラットフォームに2020年以降に投稿された、中途入社者による会社評価レポート回答238,416件を対象データとして使用している。これにより、「人事評価の適正感」の会社評価スコア上位30社と、その特徴が明らかとなった。
中途入社者23万人が選ぶ「人事評価が適正な企業ランキング」TOP30
ジョブ型採用やアルムナイ採用、リファラル採用など多様な経験者採用(中途採用)が広がり、転職者数は近年増加傾向にある。今後、さまざまな入社形態やバックグラウンドを持つ社員がそれぞれの強みを生かしながら働くためには、一人ひとりの社員を公平に人事評価することが一層重要になるだろう。中途入社者が実際に働いてみて「適正な人事評価制度である」と感じた企業には、どのような特徴があるのだろうか。そこでオープンワークは、中途入社した社員による「人事評価の適正感」の企業評価スコアを基に、独自でランキングを作成した。本ランキングにおける「人事評価の適正感」とは、業務成果やパフォーマンスに対する評価の適正度を5段階評価でスコア化した指標であり、「待遇面の満足度」とは異なる別の指標として設けている。
同社が「人事評価が適正である」と判定された企業を集計しTOP30をランキング化したところ、1位はケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社だった。以下、2位にプルデンシャル生命保険株式会社、3位に株式会社ネオ・コーポレーションが続いた。
ランキング全体では、コンサルティング・金融・メーカー・不動産・インターネットサービスなど、業界業種を問わず多様な企業が並んだ。
上位30社の「人事評価の適正感」スコア平均は4.32点。評価への納得感・公平感が高く
本ランキングにおける集計対象データ全体の「人事評価の適正感」スコアを見ると、平均が「2.82点」だったのに対し、上位30社の平均は「4.32点」と、1.5ポイントの差があった。上位30社で働いたことのある中途入社者が投稿したコメントを見ると、「完全な実力主義」や「給与テーブルや評価基準が非常に明確・オープン」、「新卒中途も関係ない雰囲気」といった特徴があがった。企業で導入されている制度に対し、従業員が納得・理解した上で業務にあたっている様子が見て取れた。
特に、不動産・生命保険業界の企業では「完全成果主義」や「フルコミッション制」の評価に対する声が、外資系企業では「待遇の良さ」や「オープンでフラットな評価制度」に対する評価の声があがったという。
従業員の人事評価制度への納得感につながる要因として、同社は「不公平感が少なく、評価結果は上司のみぞ知る“ブラックボックス”状態にしないこと、その上で自社の制度が名ばかりで形骸化せず、しっかり機能していること」であると推察している。
本ランキングから、上位の企業で働いたことのある中途入社者は、人事評価への適正感が平均よりも高いことが明らかとなった。今後ますます活発化が予想される経験者採用(中途採用)市場において、企業では入職者がどのような入社形態であっても、「適正に評価される人物像」を定義することが重要になると考えられる。その人物像を定義した上で、自社での人事評価制度を設計・再考していくことが企業経営のカギとなりそうだ。