エン・ジャパン株式会社は2023年5月31日、「2023年度版・就活状況調査」の結果を発表した。調査期間は2023年5月8日~14日で、2024年に卒業予定の大学生・大学院生(以下、24卒生)735名から回答を得た。調査結果から、24卒生の2023年5月時点での内定状況や、内定を受けた企業との接触のタイミングなどが明らかとなった。
5月中旬における内定企業数は「1~5社」が最多
労働者人口の減少や社会情勢の影響により、深刻な人材不足が企業の課題となっている。そのような中、企業が求める人材を確保するためには、就活生の動向に合わせた人材採用計画が不可欠であると言えるが、24卒生の就活状況の実態はどうなのだろうか。エン・ジャパンはまず、「現在の内定状況」について尋ねた。その結果、最も多かった回答は「1~5社」で67%だった。以下、「6~10社」が6.5%、「11~20社」が0.4%、「21社以上」が0.1%で、5月中旬時点で内定を取得している人は83%となった。一方で、「内定はまだない」が17%で、2割弱の学生は内定を未取得であることがわかった。
内定取得後も半数以上が就活を継続
次に同社は、「すでに内定を取得している」と回答した人を対象に、「内定承諾の状況」について尋ねた。その結果、「すでに内定承諾して就活を終了した」が48%で最多だった。他方で、「すでに内定承諾をしているが就活は続けている」が19.1%、「まだ内定承諾はしていない」が32.9%で、計52%だった。内定の有無にかかわらず、就活を継続している学生が半数にのぼることが明らかとなった。「2022年9月」までに接点のあった企業に内定承諾した学生が半数以上
続いて同社は、前設問で「すでに内定を承諾した」と答えた人を対象に、「内定承諾をした企業との最初の接触時期」について尋ねた。すると、「2022年3月以前」が15.6%、「2022年4月~6月」が16.5%、「2022年7月~9月」が21.2%となり、2022年9月までに企業と接触した人の割合が53.3%となった。この結果から、半数以上がサマーインターンの時期までに接点を持った企業に内定承諾していることがわかった。内定承諾の決め手は「事業内容が魅力的だから」がトップ
また、前設問と同対象者に「内定承諾の決め手」を尋ねると、「事業内容が魅力的だから」(72.6%)が最も多かった。以下、「給与や待遇が魅力的だから」(59.9%)、「キャリアの選択肢が広がる経験ができそうだから」(36.1%)が上位にあがった。半数以上の人が2022年中に志望業界・企業を決定。就活早期化の傾向に
最後に、同社が全体に対し「志望業界・志望企業を絞った時期」について尋ねたところ、「2023年1月~3月」(33.3%)が最多となった。他方で、「2022年3月以前」(11.4%)、「2022年4月~6月」(5.3%)、「2022年7月~9月」(9.4%)、「2022年10月~12月」(25.4%)が合わせて51.5%となった。2022年12月までに志望業界・企業を絞った人が半数を超えたことから、学生の就活はますます早期化していることがうかがえる。
本調査結果から、2023年5月時点で24卒生の8割以上が内定を得ている一方で、そのうち半数以上が就活を継続中であることがわかった。また、すでに内定承諾をした学生からは、承諾の決め手は「事業内容が魅力的だから」との声も聞かれた。このことから採用活動では、サマーインターンの時期など早い段階でいかに就活生に自社の魅力をアピールできるかが、内定承諾を得るカギとなりそうだ。