株式会社ライボは2023年5月15日、「2023年ワークライフ実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年4月14日~17日で、全国の20名以上規模の会社働く男女796名(20~50代)から回答を得た。調査結果から、ワークライフバランスの“理想と現実”のギャップや、モチベーションへ与える影響が明らかとなった。
7割が“理想”として「プライベートを重視」と回答。“現実”は過半数が「仕事を重視」
働き方が多様化する中で、「ワークライフバランス」の在り方は社会全体で模索されている。では、ワークライフバランスの“理想と現実”に、働く人個人はどの程度ギャップを感じているのだろうか。まずライボが「理想的なワークライフバランスのあり方」を尋ねると、「プライベートを重視」が38.7%、「どちらかといえばプライベートを重視」が33.5%と、全体の7割が「プライベートを重視したい」考えであることがわかった。
次に、「実際のワークライフバランスのあり方」を尋ねると、「仕事を重視している」が17.8%、「どちらかといえば仕事を重視している」が39.7%となり、これらを合計すると57.5%と過半数を占めた。反対に、「プライベートを重視している」(21.6%)、「どちらかといえばプライベートを重視している」(20.9%)の合計は42.5%だった。理想のワークライフバランスと現実の間にはギャップがあることがわかった。
7割が「ワークライフバランスが仕事のモチベーションに影響する」と回答
次に同社が、「ワークライフバランスがどのようなことに影響しているか」を尋ねると、「仕事のモチベーション」が73%で最多だった。以下、「メンタル面」が68%、「体力面」が48.9%で続いた。また、同社は「転職を想定した場合の仕事選びにおいて『プライベートな時間の確保』をどの程度重視するか」を尋ねた。すると、「とても重視する」(37.1%)、「重視する」(36.7%)、「どちらかといえば重視する」(21.2%)の回答の合計は95%となった。大半の人が、転職時の企業選びにおいて、「ワークライフバランスの維持」という観点を大事にしていることが見て取れる。
4割が「プライベート時間に仕事上の連絡がある」と回答
また、同社が「プライベートの時間に仕事上の連絡はあるか」を尋ねた。すると、「ある」が40.8%、「ない」が59.2%という結果となった。さらに、「プライベートの時間に仕事上の連絡がある」との回答者に「連絡に対応するか」を尋ねた。すると、「電話とメール(SNS)両方対応する」が42.5%で最多となった。以下、「メールやSNSのみ対応する」が29.2%、「電話のみ対応する」が13.2%と続いた。プライベートの時間であっても何かしら仕事上の連絡に対応しているとした人は、計84.9%と8割に達した。
7割がプライベート時間では「メンタル面のケア」を重視している
次に同社は、「プライベートの時間に重視している自身のケア」について尋ねた。多数派が回答した項目は「メンタル面」で、「メンタル面のケア」(29.1%)と「どちらかといえばメンタル面のケア」(36.7%)は計65.8%となっていた。一方で、「体力面のケア」(15.5%)と「どちらかといえば体力面のケア」(18.7%)は計34.2%だった。また、「プライベートで時間を使っていること」について同社が尋ねると、最も多かったのは「一人の時間」で72.9%が回答した。以下、「家族との時間」(42.3%)、「友人との時間」(27.9%)が続いた。
自由回答では、「プライベートが充実すると、仕事のモチベーションがあがる」や「仕事から離れてメンタルや体力のケアをする時間で仕事のパフォーマンス向上につながる」などの声が寄せられたという。
本調査結果から、ワークライフバランスの“理想”はプライベートを重視したい人が多い一方で、“現実”とはギャップが生じている実態が明らかとなった。また、「プライベート時間の確保」が転職の際の企業選びの条件の一つにもなっているようだ。企業が、人材定着や採用を効果的に進める上で、従業員のワークライフバランスに配慮した施策実行が大きなカギを握るといえるだろう。