株式会社学情は2023年4月28日、「採用計画」に関する調査結果を発表した。調査期間は2023年4月7日~21日で、企業・団体の人事対象者408名から回答を得た。調査結果から、採用計画における経験者(中途)採用の占める割合のほか、経験者採用を増やす年齢層などの傾向が明らかとなった。
2割以上が採用計画で「経験者採用」と「新卒採用」を同割合に設定
厚労省は2021年4月より、従業員数301名以上の企業において正規雇用労働者の中途採用比率の公表を義務付けている。また、経団連は転職者などの採用においてこれまで一般的に使用されてきた「中途採用」の呼称を「経験者採用」に改める方針であり、企業における経験者採用の重要度が増していることがうかがえる。こうした中、各企業の採用計画において、経験者採用の割合はどの程度を占めているのだろうか。はじめに学情は、「今年度の採用活動における、経験者(中途)採用と新卒採用の割合」を尋ねた。すると、「経験者(中途)5:新卒5」とする回答が21.8%で最多となった。5社に1社は経験者採用と新卒採用を同割合で計画しているようだ。また、「経験者採用より、新卒採用の割合が多い」との回答は46.6%、「経験者採用の方が、新卒採用より割合が多い」との回答は31.1%だった。
8割以上が「経験者採用の人数」を前年度と同程度かそれ以上に
次に同社は、「経験者採用の人数は、前年度と比較して変更するか」と尋ねた。すると、「前年度よりも増やす予定」との回答が38.5%と、4割に迫った。「前年度と特に変更なし」の41.9%と合わせると、約8割(80.4%)が2022年度の採用人数と同程度かそれ以上の採用人数を予定しており、経験者採用が拡大傾向にあることがうかがえる結果となった。経験者採用では「20代」を中心とした若手世代を重視
続いて、「経験者採用において、採用人数を増やす年齢層」を同社が尋ねたところ、「20代(26~29歳)」が77.2%で最多だった。以下、「30代」が56.1%、「20代(20~25歳)」が43.9%で続いた。採用計画においては、20代を中心とした若い世代の採用を増やしたい意向があるようだ。20代の経験者採用では「経験」よりも「ポテンシャル」を評価する傾向か
また、同社は本調査と同期間に、「経験者採用における採用対象」に関する調査(対象:企業・団体の人事担当者444名)も実施した。その中で「20代を対象とした経験者採用において、採用対象者に求めること」を尋ねたところ、「社会人経験は求めたいが、業界/業種の経験は問わない」が55.3%で最多だった。また、「社会人経験は問わない」(15.2%)との回答も1割以上あった。20代を対象とした採用では、経験よりもポテンシャルが重視される傾向にあるようだ。
本調査結果から、5社に1社が採用計画において経験者採用と新卒採用の比率を同割合としており、経験者採用の重要性が増していることがうかがえる。中でも20代の若年層を中心に、ポテンシャルを重視した経験者採用が拡大傾向にあるようだ。人材不足やDXなどの課題解決に向け採用を強化していきたい企業では、経験者採用を含め効果的な採用計画の策定が重要と言えそうだ。