株式会社東京商工リサーチは2023年4月24日、2023年「企業のゴールデンウィーク連休期間」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2023年4月3日~11日で、4,307社から回答を得た。2023年は、ゴールデンウィーク期間である4月29日~5月9日うち平日が2日間あるが、この2日間を休日とすると9日間の大型連休とすることもできる。本調査結果では、企業の連休日数の傾向などが明らかとなった。
全体ではカレンダー通りの「5連休」が最多も、企業規模別では日数に差あり
2023年のゴールデンウィークは、最大9日間の大型連休とすることも可能だが、企業規模別・業種によって連休日数に差はあるのだろうか。東京商工リサーチはまず、「今年5月のゴールデンウィークは何連休か」を尋ね、回答結果を全体と企業規模別(※)でそれぞれ集計し分析した。すると、全体では「5連休」が60.5%で最多となった。また、企業規模別では「大企業」が61.3%、「中小企業」が60.5%となり、カレンダー通りの「5連休」との回答でほぼ同等の割合となった。今年のゴールデンウィークは5月3日~7日の5日間を連休にする企業が多いようだ。5連休に続いて回答割合が多かったのは「4連休以下」で、全体では19.2%だった。企業規模別では「大企業」が13.6%、「中小企業」が20%で、中小企業が6.4ポイント上回った。他方で、連休の最大期間である「9連休」は全体では11.9%だった。企業規模別では、「大企業」が17.8%、「中小企業」が11%と、大企業が6.8ポイント上回った。
なお、調査における最大期間の「10連休以上」は、全体では0.8%となった。企業規模別では、「大企業」が2.1%、「中小企業」が0.6%だった。企業規模が大きいほど、大型連休を取得しやすい傾向があるようだ。
※本調査では、資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」として定義している。
「9連休」の割合が最も多いのは製造業
また同社は、連休日数を業種別に集計し構成比を分析している。すると、構成比が最も高い「5連休」については、「金融・保険業」が80%で最多だった。以下、「情報通信業」が69.6%、「建設業」が61.2%で続いた。一方、「4連休以下」の構成比が最も高かった業種は「農・林・漁・鉱業」で43.7%、最も低かった業種は「情報通信業」で10%だった。また、「9連休」の構成比が最も高かったのは「製造業」で19%と突出した。一方、「9連休」の構成比が最も低かったのは「金融・保険業」の3.3%だった。業種別では、一次産業の連休日数が短く、対して製造ラインを止める製造業では連休日数が長い傾向があるようだ。
消費者が近い「飲食店」、「娯楽業」などは大型連休の取得が困難な傾向に
さらに同社が、「6連休以上」と「4連休以下」の回答を、細分化した業種で集計し分析した。すると、「6連休以上」では自動車メーカーなどの「輸送用機械器具製造業」が71.4%で最多だった。また、上位には「電子部品・デバイス・電子回路製造業」や「非鉄勤続製造業」など、製造業が多くランクインした。一方、連休期間の短い「4連休以下」の業種は、「飲食店」が75%で最多となった。以下、「娯楽業」が73.3%、「飲食料品小売業」が72.2%、「社会保険・社会福祉・介護事業」が63.3%で続いた。消費者に近い業種ほど、ゴールデンウィークが繁忙期となり、大型連休の取得が難しいのが実情のようだ。
本調査結果から、2023年のゴールデンウィークはカレンダー通りの「5連休」とする企業が多いことがわかった。中でも、製造ラインを止めることで製造業では「9連休」の連休取得が可能な企業もあるようだ。他方で、消費者に近い業種や一次産業では大型連休の取得が難しく、業種による連休取得日数の差が顕著だった。各企業で大型連休への対応は異なると考えられるが、同業他社や提携企業のスケジュールも加味しながら、従業員にとっての休暇の取りやすさを意識した連休の設定を検討してみてはいかがだろうか。