パーソルキャリアが「年収最大32%、約170万円」の報酬水準の引き上げを実施。賃上げにより人的資本への投資を強化

パーソルキャリア株式会社は2023年3月30日、同年4月1日付で人事制度の改定および特別昇給による報酬水準の引き上げを行うと発表した。同社では、労働力不足の深刻化などの課題解決に向け、採用力強化や離職防止につなげるべく、今後も人事制度や働き方をアップデートしていきたいとしている。

キャリアオーナーシップを育む社会の創造を目指し、人的資本への投資を強化

パーソルキャリアでは近年、人的資本への積極的な投資を進めている。社員の勤務地を限定しない「フルリモートワーク制度」や、ライフステージに合わせて勤務日数・時間・場所・休暇を選択できる「FLASH制度」、育休中の社員に社内での就労機会を提供する「育休ウェルカムバック制度」など、新たな制度を創設し、多様な働き方を支援しているという。

さらに同社では、従業員が自らの意思で自身のキャリアや人生を選択できる「キャリアオーナーシップ」を育む社会の創造を目指している。それを実現する原動力となるのは、社員の有するスキルや知識、資質であるとの考えのもと、今回、「特別昇給」と「人事制度の改定」による報酬水準の引き上げを決定したとのことだ。

「特別昇給」により月ごとの基本給を平均5%アップ。基本給、賞与基準額も引き上げへ

同社が今回行う「特別昇給」では、月ごとの基本給額を平均で5%引き上げる。併せて行う「人事制度の改定」では、会社の利益を社員報酬としてより還元できる仕組みとすることを目的に、基本給や賞与基準額を引き上げるという。また、これまでフルリモート制度を利用する社員には、就業地域の物価水準の違いにより賃金を控除する仕組みを適用してきたが、働く場所の自由度の高まりからその仕組みを廃止する。これらの報酬水準引き上げにより、社員の年収は最大32%アップ、約170万円増となり、総額にして30億円規模の投資になるとのことだ。

同社は今後も、個々の社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、キャリアオーナーシップを育む社会の創造に貢献できるよう、組織のあり方や働き方をアップデートしていく考えだ。

人的資本経営に関心が高まる中、報酬水準の引き上げ等をはじめとする人材への投資は、社員にとっても利益が大きいため、モチベーション向上に効果が期待できるだろう。また、定着率も上がることで企業力強化にもつながると考えられる。人的資本経営を推進したい企業では、他社の事例も参考にしながら、新たな施策の検討をしてみてはいかがだろうか。