リンクトイン・ジャパン株式会社は2023年2月9日、「仕事」に関する意識調査の結果を発表した。調査はリンクトインが2022年12月7日~12日の期間にアメリカ・イギリス・ドイツ・フランスなど17ヵ国の18歳以上の就労者(計22,985人)を対象に実施したもので、日本では1,026名から回答を得ている。調査から、若手のビジネスパーソンであるZ世代・ミレニアル世代の仕事観の特徴などが明らかとなった。
ミレニアル世代・Z世代は「全力で仕事に取り組めていない」と実感か
ミレニアル世代(25~34歳)やZ世代(18~24歳)との関わりにおいて、“仕事への意識”などに関する世代間ギャップが話題となることもあるが、仕事への取り組みに関する意識はどうなのだろうか。リンクトインはまず、「仕事に全力で取り組んでいると感じるか」を尋ねた。すると、「全力で取り組んでいる」との回答は、「55歳以上」が60%、「45~54歳」が54%、「35~44歳」が53%と、35歳以上のいずれの世代も5割以上だった。対して、「25~34歳」(以下、ミレニアル世代)は40%と、全世代の中で最も割合が低く、「18~24歳」(以下、Z世代)は44%と、他世代と比較して若年層の平均数値の低さが顕著だった。4割以上のミレニアル世代が「仕事以外にもっと優先すべきことがある」と回答
次に同社は、「仕事に全力で取り組んでいない」と回答した人に対し、「全力で取り組んでいるとはいえない理由」を尋ねた。先の質問で、「仕事に全力で取り組んでいる」とする割合が最も低かったミレニアル世代の回答をみると、「仕事以外にもっと優先すべきことがある」との回答が46%で最も割合が高く、全体(31%)よりも15ポイント上回った。次いで、「今の賃金では割に合わない」、「頑張って働いてもあまり評価されないと感じる」、「仕事に対してやる気が起こらない」がいずれも43%で、ミレニアル世代における回答の上位を占めた。「2023年に転職を考えている人」の割合もミレニアル世代がトップに
続いて、「2023年に転職することを考えているか」と同社が尋ねると、全世代では「考えている」との回答は27%だった。世代別にみると、35歳以上ではいずれも3割を下回ったのに対し、Z世代は33%と3割にのぼった。中でもミレニアル世代は、40%と突出していた。2023年中の転職検討率については、特に若年層において高いことがわかった。ミレニアル世代が転職を検討する理由は「もっとお金を稼ぎたい」が最多に
また同社は、「転職を考えている」との回答者に「今の仕事を辞めたい主な理由」を尋ねた。すると、2023年中の転職検討率が最も高いミレニアル世代では、「もっとお金を稼ぎたい」(37%)が最多だった。以下、「ワーク・ライフ・バランスを改善したい」(29%)、「今の仕事では成長の機会がないと感じる」(21%)と続いた。ミレニアル世代は転職やキャリアアップにおいて「専門分野」を課題視
さらに、「転職やキャリアアップに際して抱えている課題」について同社が尋ねた結果、「特にない」の項目を除くと、全体では「専門分野」が35%で最多だった。ミレニアル世代の回答をみると、「特にない」以外では「専門分野」が43%で最も多く、全体よりも約10ポイント高かった。このことから、ミレニアル世代は他世代よりも、専門分野の知識やスキルを高めることを課題視している傾向にあることがうかがえる。
Z世代・ミレニアル世代は、他世代と比べると「仕事以外に優先すべきことがある」と考える人の割合が高かった。特にミレニアル世代では、2023年中に転職を検討している人の割合や、専門的な知識やスキルを高めることを重視している人が多いようだ。離職防止や採用力強化に向けては、こうした世代ごとの特徴を把握し、従業員のワークライフバランスやスキル向上のために行っている施策などをアピールしていくことが重要だろう。