“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに

株式会社未来塾は2022年12月21日、「経営の相談に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年11月14日~15日で、右腕・番頭・No.2人材がいない中小企業の経営者101名から回答を得た。調査の結果として、中小企業経営者の経営相談に纏わる実態のほか、相談相手に求めることなどをフリーコメントを交え紹介する。

経営の悩みに関する「相談相手がいる」との回答は半数にとどまる

人材不足や事業承継等が中小企業の課題となっているが、経営者には課題や悩みについて相談できる相手はいるのだろうか。未来塾はまず、「現在経営の悩みに関する相談ができる人が周りにいるか」と尋ねた。すると、「はい」が50.5%、「いいえ」が42.6%だった。4割以上が、経営に関する相談相手の不在を明らかにした。
“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに

経営に関する相談相手は「顧問税理士・会計士」が最多に

次に同社は、「経営の相談ができる人がいる」と回答した人に、11項目の選択式で「経営に関しての相談相手」を尋ねた。すると、「顧問税理士・会計士」が72.5%で最多だった。以下、「知人経営者」が47.1%、「友人」が29.4%、「家族」が21.6%と続いた。フリーコメントでは、「前任者」や「地域の相談所」、「他業種の経営者」、「SNSを使う」などといった声も寄せられたという。
“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに

相談相手がいても、「想定している返答が得られない」などの悩みを抱えている

続いて同社は、「経営に関する相談ができる人がいる」と回答した人に、9項目の選択式で「経営の相談の悩み」を尋ねた。すると、「特にない」(47.1%)以外では、「想定している返答が得られない」(19.6%)が最多だった。ほかにも、「デリケートな内容を相談できない」(17.6%)、「答えがみつからない」(15.7%)、「自分の弱みを見せることに抵抗がある」(13.7%)が上位となった。

フリーコメントでは、「相談するきっかけ・時間がない」や、「景気の不安定や感染病などの影響で先がわからない」、「何でもかんでも人に言えない」といった悩みの声があがったという。
“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに

経営の悩みを「相談したい」との回答は半数近くに

次に、「経営に関する相談相手がいない」と回答した人に、「経営の悩みに関する相談をしたいと思うか」と同社が尋ねた。すると、「非常にそう思う」が23.3%、「ややそう思う」が25.6%で、相談したいと考えている人は計48.9%と、半数に迫った。
“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに

相談相手に「的確なアドバイス」を求める人が半数超

また、同社は「経営に関する相談をしたい」と回答した人に、9項目からの選択式で「経営に関する相談相手に求めること」を尋ねた。すると、最も多かったのは「的確なアドバイスをくれること」(54.2%)だった。他には、「ちょっとした相談でも親身になってくれること」(37.5%)、「実績のある方から直接学べること」(31.9%)が上位にあがった。

さらにフリーコメントには、「状況を正確に把握してくれるスキル」や、「飾らない率直な意見」、「丁寧に話を聞いてくれること」といった声が寄せられたという。
“右腕不在”の経営者の4割以上が「経営の相談相手がいない」と回答。「的確な返答を得られない」など抱える悩みも明らかに
本調査から、右腕がいない中小企業の経営者の4割以上が、経営の相談相手がいない実態が明らかになった。顧問税理士や会計士、知人の経営者などに相談するも「的確な返答が得られない」といった悩みを抱えている人も多いようだ。課題について的確なアドバイスを得られる相談相手を見つけておくことで、早期解決につながるかもしれない。