ウイングアーク1st株式会社は2022年11月17日、「DX人材およびデータ活用」に関する調査結果を発表した。調査期間は2022年10月3日~4日で、売上高100億円以上の企業に所属する役職者530名から回答を得た。調査から、企業におけるデータ活用の進度や、データ活用により感じるメリットと課題などが明らかとなった。
データの活用/分析レベルは「業務改善、オペレーション効率化」が最多に
デジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを展開することが重視されている今、企業におけるDX推進が重要な課題となっているが、データ分析はどのように活用されているのだろうか。ウイングアーク1stはまず、「自社のデータ活用レベル」について尋ねた。すると、「業務改善、オペレーション効率化」が25.5%で最多となった。以下、「パーソナル業務における効率化」が17.2%、「売上向上・意思決定のスピード化」が16.6%と続いた。データ活用/分析による効果は「効率的な経営判断」がトップに
続いて、「データ活用/分析を実施している」とした企業に対し、「自社はデータ活用/分析に注力しているか」と同社が尋ねると、「注力している」の合計値が8割以上で、「注力していない」の合計値は2割以下だったという。また、「データ活用/分析に注力している」と回答した企業に「データ活用/分析により、どのようなメリットを感じているか」と尋ねた。すると、「効率的な経営判断ができている」が40.3%で最も多かった。以下、「改善PDCAが回せるようになった」が38.7%、「ビジネスの成果を十分に実感している」が32.4%と続いた。
データ活用/分析の担当者は5割強が「社内の専門家」と回答
続いて同社は、「データ活用/分析に注力している」と回答した企業に対し、「データ活用/分析を行う担当者」を尋ねた。すると、「社内にいる専門家」の54.3%がトップとなった。以下、「社内の非専門家」が49.7%、「外部人材」が20.9%と続いた。「社内の非専門家」が担当する企業の5割以上で「属人的」なデータ活用/分析に
さらに「社内の非専門家がデータ活用/分析を行っている」と回答した企業に、「データ活用/分析はどのように行なっているか」と尋ねた。すると、「属人的にやっている」が50%で最多となった。以下、「ツールを入れてやっている」が48.9%、「勘・経験に頼っている」が34.9%、「外部の専門家にアドバイスをもらっている」が33.3%と続いた。「DX人材不足」がデータ活用/分析に注力できない要因に
最後に同社は、「データ活用/分析に注力していない」と回答した企業に、その理由を尋ねた。すると、「システム/データ/分析/事業がわかる専門人材(DX人材)が不足しているから」が33.3%で最も多かった。以下、「データが各部署にまたがり、集約できないから」が26.1%、「自社にナレッジがないから」が23.2%と続いた。
本調査から、「データ活用/分析を行っている」とする企業においても、「自社内の業務効率化」などへの活用に留まっている実態が明らかとなった。また、社外の人材や、社内の専門家を活用していないケースでは、社内の非専門家に属人的に任せている傾向もあるようだ。今後、自社のDXをより加速させるには、社内のDX人材育成への投資や社内のデータを集約できるツールの導入などといった施策が必要なのかもしれない。