“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価

株式会社月刊総務は2022年11月10日、「Z世代のマネジメント」に関する調査結果を発表した。調査期間は2022年10月12日~29日で、全国の総務人事担当者70名から回答を得た。調査から、総務人事担当者とZ世代の社員間の価値観の違いや、Z世代の採用活動で工夫していることなどが明らかとなった。

半数以上の総務人事担当者が「Z世代のマネジメント」に難しさを感じている

1990年代後半~2010年代前半生まれの世代を指す「Z世代」だが、Z世代社員へのマネジメントに課題はあるのだろうか。月間総務はまず、「Z世代社員のマネジメントに難しさを感じるか」と尋ねた。すると、「とても感じる」が8.2%、「やや感じる」が47.5%で、「難しさを感じる」との回答の合計は55.7%となった。

また、「どのような難しさを感じているか」を自由回答で尋ねたところ、「モチベーションアップにつながる効果的なアプローチ方法がわからない」や「我々の世代の考え方と異なり、ハラスメント扱いされることが多い」といった声が寄せられた。

あわせて、「Z世代のマネジメントで工夫していること」も自由回答で尋ねると、「興味関心の高い分野を任せてみる」や「リモートワークや評価・賃金などの人事制度、多様な働き方への変更」といった声があがった。
“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価

Z世代は「ワーク・ライフ・バランス」や「フレキシブルな勤務体制」を重視?

次に同社は、「Z世代社員の価値観にどんな特徴を感じるか」と尋ねた。すると、「ワーク・ライフ・バランス重視である」との回答に対し、「あてはまる」との回答は96.7%(あてはまる:78.7%、ややあてはまる:18%)となった。また、「フレキシブルな勤務体制を重視する」に対する同回答の合計は86.9%(あてはまる:50.8%、ややあてはまる:36.1%)だった。
“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価

8割以上が、Z世代は「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」が高いと実感

続いて同社は「Z世代社員のスキルにどんな特徴を感じるか」と尋ねた。すると、「デジタルリテラシーが高い」については、「あてはまる」との回答の合計が90.1%(あてはまる:47.5%、ややあてはまる:42.6%)だった。また、「情報処理能力が高い」では、同合計が86.9%(あてはまる:36.1%、ややあてはまる:50.8%)となった。
“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価

“Z世代の採用活動”の難しさを感じる企業は約4割に

さらに同社は、Z世代を採用している企業に「Z世代の採用活動の難しさ」を尋ねた。すると、「とても感じる」(9.8%)と「やや感じる」(29.5%)の合計は39.3%となった。
“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価

Z世代の採用活動の工夫は「Webサイトの充実」が4割以上

また、「Z世代の採用活動で工夫していること」を同社が尋ねると、「Webサイトの充実」が45.9%で最多だった。以下、「選考のスピード感を上げる」が41%、「選考後のフィードバック」が39.3%と続いた。

あわせて、「Z世代の採用活動で今後強化したいこと」を尋ねると、「Webサイトの充実」が45.9%で最多だった。また、「SNSを活用した情報発信」が42.6%、「動画配信」が36.1%と上位にあがった。
“Z世代のマネジメント”の難しさとは? 価値観の違いに困惑する一方で、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」を高く評価
調査からは、Z世代との価値観の違いに難しさを感じる声が多くあり、試行錯誤しながらマネジメントにあたっている様子がうかがえる。一方で、Z世代のスキルについては、「デジタルリテラシー」や「情報処理能力」の高さを評価する声が多くあがった。本調査結果を踏まえ、企業が今後、Z世代の採用やマネジメントを強化していくには、フレックスタイム制度の導入など、世代の特徴を掴んだ施策を取り入れていくのが有効と言えそうだ。