心幸ホールディングス株式会社は2022年10月17日、「転職者の“企業の健康経営”に対するイメージ」に関する調査結果を発表した。調査期間は2022年6月28日~7月1日で、コロナ禍に転職をした101名から回答を得ている。調査からは、「健康経営」が企業選定に与える影響度や、「健康経営」を重視する理由などがわかった。
半数以上が、転職先選定において「健康経営への取り組み」を重視
「健康経営」を推進する企業が増えているが、転職者の企業選びにはどのような影響があるのだろうか。心幸ホールディングスはまず、「転職先選定に際し、『健康経営』への取り組みを重視するか」を尋ねた。すると、「かなり重視した」が11.9%、「やや重視した」が41.6%で、「重視する」とする回答の合計は53.5%となった。「健康経営」を重視する理由は「前職の激務で健康を崩した」が最多に
次に同社は、「健康経営を重視する」と回答した人に「その理由」を尋ねた。すると、「前職が激務で健康を崩した」が40.7%で最多だった。以下、「健康に気遣っている会社の方が、雰囲気が良さそう」が35.2%、「生産性高く働く上で、健康は重要だから」が29.6%、「リモートワークで孤独を感じた」が20.4%、「日ごろから健康を重視しているから」が18.5%と続いた。自由回答では、「健康経営に取り組めている会社は社員も大切にすると思う」(33歳)、「健康経営に取り組む会社は、企業として余裕やステータスがあると思う」(31歳)、「ワークライフバランスにも影響しそう」(33歳)などといった声が寄せられたという。
「会社の雰囲気」や「業務量」を判断ポイントとする傾向か
また、同社は「健康経営に取り組めているかを判断するポイント」を自由回答で求めた。すると、「会社の雰囲気」、「適切な業務量かどうか」、「平均残業時間・福利厚生」、「勤務時間や柔軟性」、「求人サイトで健康に気を使っているような記述があるか」などといった声があがったという。“健康経営の実現”に必要な施策は「ノー残業デーの設置」が最多に
続いて、「『健康経営』の実現にはどのような施策が必要か」を尋ねた。すると「ノー残業デーの設置」が56.4%で最も多くなった。以下、「ストレスチェック」が51.5%、「産業医の設置」が31.7%、「受動喫煙対策」が27.7%と続いた。自由回答では、「思った意見が交換できる場」(34歳)、「有給休暇の積極的な取得促進」(31歳)、「適切な業務量かの確認」(33歳)、「エクササイズやメンタルヘルスの講義」(32歳)などといった声が寄せられたという。
“あったら嬉しい福利厚生”は「定期検診」が最多
さらに同社は「取り入れてほしいと思う、『健康』に関する福利厚生」を尋ねた。すると「定期検診」が62.4%、「ヘルシーな社食」が51.5%、「スポーツ施設」が42.6%、「充実した社内売店」が29.7%、「トレーニング指導」が18.8%と続いた。自由回答では、他にも「健康診断での追加項目の無償化」(31歳)、「予防接種の補助」(32歳)、「健康関連サービスへの金銭的な補助」(32歳)、「リフレッシュ休暇」(30歳)などといった声があがったという。
約6割が「現状において『健康経営』を実施している企業は3割未満」と回答
最後に、「『健康経営』を実践できていると感じる企業の割合」を尋ねた。すると、「0~9%」が8.9%、「10~19%」が25.6%、「20~29%」が24.8%で、3割未満と回答した人が59.3%となった。
本調査から、転職者が企業選びに「健康経営」への取り組みを重視している傾向が明らかとなった。また、その判断基準は企業の「雰囲気」や「業務量」がポイントとなっていることもわかった。一方、現状で「健康経営」を実施していると思う企業は3割未満だった。今後、スムーズな人材確保につなげるためには「健康」を意識した施策に取り組む必要があると言えそうだ。
※ 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
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