11月の「下請取引適正化推進月間」を中小企業庁らが呼びかけ。“下請取引の適正化”に向け講習会や相談窓口の利用促進を図る

中小企業庁および公正取引委員会は、2022年11月の「下請取引適正化推進月間」に向けて、「下請代金支払遅延等防止法」(以下、下請法)の適正な運用や、違反行為の未然防止などを呼び掛けている。同月間の取り組みは毎年11月に実施されているもので、本年度は、各種講習会や専門家による「下請かけこみ寺」の利用促進に向けた啓発活動、シンポジウムの開催などが予定されている。

中小企業庁の独自事業および、公正取引委員会との連携事業を通じて啓発活動を実施

2022年11月の「下請取引適正化推進月間」では、中小企業庁の独自事業と公正取引委員会との連携事業ごとに、下記の事業を展開する見込みだ。

●中小企業庁独自事業

1.適正取引講習会(テキトリ講習会)の開催
発注側企業と受注側企業の間の適正価格に基づいた取引推進を図る講習会を開催。受注側企業の経営者および担当者を対象にした「価格交渉サポート」、発注側企業の購買・調達担当者も対象とした下請法の遵守に向け、取引事例や違反事例を解説するオンライン講習会を開催する。

2.下請かけこみ寺の利用促進
全国48ヵ所に設置の、中小企業が抱える取引上の悩み相談を受け付けている「下請かけこみ寺」の利用を呼びかける。

3.下請取引適正化シンポジウムの開催
下記の内容を盛り込んだシンポジウムを開催する。
●下請法に詳しい弁護士による基調講演
●取引条件改善、働き方改革に向けた企業および行政の取り組み事例紹介
●中小企業の適正な取引環境の実現に向けたパネルディスカッション


●中小企業庁・公正取引委員会の連携事業

1.下請取引適正化推進講習会の開催
適正取引支援サイトにおいて、親事業者の下請取引担当者を対象に、下請法および下請振興法の趣旨・内容を周知する。

2.広報誌等への掲載・掲示
●新聞各紙・インターネットでの政府広報
●ホームページ、メールマガジンを通じた広報
●都道府県や中小企業関係団体、事業者団体等の協力による機関紙等を通じた広報

昨今のエネルギー価格や原材料費の高騰を受け、下請中小企業が取引先に価格転嫁を促す取り組みが求められている。適切な価格交渉に悩む中小企業の経営者や、中小企業との取引がある企業の担当者は、本月間における取り組みを活用し、下請法などへの知識を深める機会としてみてはいかがだろうか。