10月の「産後パパ育休」施行に合わせ、ワークスアプリケーションズが“男女共通の育児支援制度”導入で男性育休を促進

株式会社ワークスアプリケーションズは2022年9月9日、男女共通の育休支援制度を同年9月1日付で導入したと発表した。これは、「改正介護・育児休業法」によって「産後パパ育休」が10月から開始されることに伴い、これまで女性のみを対象としてきた同社の育児支援制度の内容を、性別を問わず利用できる制度に改めたものだ。また、同社のテレワーク導入後に増加している、「男性の育児参加を支援してほしい」という声に応える内容にもなっているという。

「復帰ボーナス」や「半育休」、「短時間勤務」など、子育て世代の男女を支援する制度に

ワークスアプリケーションズは、性別を問わず子どもを持つ社員を支援する「FAMO(ファーモ)サポート制度」を新たに導入した。現在、同社の男性育児休業取得率は23.8%と、全国平均を13.97%上回る水準になっているという。同社はその理由について、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけにテレワーク中心の働き方に変化する中で、男性社員が育児参加しやすい状況となったことをあげている。

他方で、同社は2004年から女性の「仕事」と「出産・育児」の両立を後押しすることを目的とし、妊娠判明から小学校卒業までの約12年に渡り支援を受けられる制度「ワークスミルククラブ」を運用してきた。しかし、同制度が対象が女性に限られていたことから、同社は育児負担が女性に偏る傾向にあることを課題視していたという。そこで新制度は、この課題を解決すべく、男性の育児参加を後押しすることを狙った内容に刷新したとのことだ。

新制度の名称である「FAMO」は英語の“father and mother”を略したもので、「性別を問わず子どもを持つ社員をサポートしたい」という同社の思いが込められているという。また、新制度では対象者に男性を加えただけでなく、「(育児休業取得後に)スムーズに職場復帰するため、休業中も少しだけ働きたい」という社員からの要望を受け、「半育休制度」が取り入れられている。

さらに、産前・産後休暇と育児休業を計6ヵ月以上取得したのちに職場復帰した社員に対し、復帰後1年間勤めた後、休業前の年収の10%を復帰ボーナスとして支給する規定も盛り込むなど、支援策を充実させたという。同社は新制度において、仕事の調整がしやすくなることや、休業が取りやすくなることなどへの効果に期待を寄せている。「FAMOサポート制度」の概要は下記の通りだ。

【FAMOサポート制度概要】
●復帰ボーナス
休業前年収の10%を支給

●半育休
週12時間以上20時間未満の範囲で取得可

●FAMO短時間勤務
小学校卒業まで4~8時間/日の範囲で取得可

●FAMOサポート休暇
小学校卒業まで以下を毎年付与
子の人数×5日(有給)+5日(無給)


同社は、男性の育児休業取得率を早期に30%に引き上げることを目指し、今後、育児休業取得希望者が必要な期間休めるよう、周囲の協力体制も充実させていきたいとしている。このことで、社員一人ひとりが望む形で仕事を継続できる環境づくりや活躍の場を提供していく方針だ。

企業における女性の活躍を推進するには、男性の育児参加が一つのポイントとなる。「産後パパ育休」の開始が迫る中、企業としても、性別を問わず子育ての支援を行う姿勢が必要といえそうだ。