「ミドル世代」の7割以上が“スタートアップへの転職”に好意的。スタートアップ企業に寄せる期待や不安とは

エン・ジャパン株式会社は2022年7月20日、「スタートアップ企業への転職」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年3月29日~5月5日で、転職サイトを利用する35歳以上の1,059名から回答を得ている。調査からは、35歳以上のいわゆる「ミドル世代」における、スタートアップ企業への転職意欲の実態などが明らかとなった。

スタートアップ企業へ転職意欲のある人は8割近くに

政府がスタートアップ企業の支援を行うなど、スタートアップ企業への注目や期待が高まっているが、ミドル世代はそうした企業への転職にどのような意識を持っているのだろうか。エン・ジャパンはまず、「スタートアップ企業への転職についてどう思うか」を尋ねている。すると、「積極的に転職したい」が16%、「条件次第では転職したい」が60%で、「転職したい」派の合計は76%だった。一方で、「どちらかと言えば転職したくない」は17%、「転職したくない」は4%で、「転職したくない」派の合計は21%となっている。
「ミドル世代」の7割以上が“スタートアップへの転職”に好意的。スタートアップ企業に寄せる期待や不安とは

スタートアップへの転職意欲は50代が高い傾向。「トップとの距離」や「実力主義」が魅力か

次に同社は、先の回答を年代別に分類している。すると、「積極的に転職したい」、「条件次第で転職したい」との回答の合計は、50代が82%で最も多くなった。

また、「スタートアップ企業へ興味を持ったきっかけ」を自由回答で尋ねた質問に対しては、「スタートアップでは、大企業と比べてよりトップの考えや動きを感じながら働けるイメージがある」(54歳男性)、「組織として未完成ながら、リスクをとって事業展開する環境が魅力的」(56歳男性)、「年功序列ではなく、自分の才能を発揮でき、それを評価してもらえそう」(44歳女性)などといった声が寄せられたという。
「ミドル世代」の7割以上が“スタートアップへの転職”に好意的。スタートアップ企業に寄せる期待や不安とは

スタートアップに転職したい理由は「先進性・革新性」が最多

続いて同社は、「スタートアップ企業に転職したい理由」を尋ねている。すると、全体では「先進性・革新性のある事業に携われると思う」が46%で最多だった。以下、「責任のあるポジションに就きたい」が23%、「経験やスキルを活かしたい」が14%と続いた。

回答を年代別に見ると、30代では「今後のキャリアのために経験を積みたい」が14%と、他世代と比べて高くなった(40代:7%、50代:3%)。また、40代・50代では「責任あるポジションに就きたい」がそれぞれ21%・28%となり、30代の15%に比べて高い傾向となっている。
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スタートアップ企業に転職したくない理由は「将来性」や「年収・待遇」への不安か

同社は、「スタートアップ企業に転職したくない」、「どちらかと言えば転職したくない」と回答した人に、その理由を尋ねている。すると、「企業の将来性が不安だから」が34%で最も多かった。以下、「年収や待遇が下がりそうだから」が32%、「これまでの経験やスキルを活かせないと思う」が31%と続いた。
「ミドル世代」の7割以上が“スタートアップへの転職”に好意的。スタートアップ企業に寄せる期待や不安とは

「年収が下がっても転職したい」人は50代に多い結果に

また、同社は「スタートアップ企業へ積極的に転職したい」、「条件が希望にあえば転職したい」と回答した人に、「年収が下がったとしても、スタートアップ企業へ転職したいか」を尋ねている。すると、「転職したい」が25%、「条件による」が37%となった。

回答を年代別にみると、50代は「転職したい」が31%で、30代の20%や40代の19%に比べて約10ポイント高くなった。

また、「条件による」と回答した人に対し、「求める条件」についてのコメントを求めたところ、「ポジション、業務内容、勤務条件などスタートアップに限らず様々な条件を複合的に考える」(36歳男性)や、「転職後に、自分に見合うだけの年収になる見込みがあること」(44歳男性)、「フルリモートなど働き方に柔軟性があること。待遇面で給料が下がっても、他に見合うだけのものがあればいい」(53歳男性)などといった声が寄せられたという。
「ミドル世代」の7割以上が“スタートアップへの転職”に好意的。スタートアップ企業に寄せる期待や不安とは
本調査では、スタートアップ企業への転職を好意的にとらえる人が多数派を占め、中でもスタートアップ企業の魅力を最も感じている層が50代であることもわかった。「年収が下がっても転職したい」との意向を持つ人もいることから、スタートアップ企業において人材確保を優位に進めるには、“自社の先進性”や“転職後に就けるポスト”などを明示することが必要かもしれない。