北九州市と日本IBMが連携協定を締結。リスキリングやイノベーション創出、シニア活用をDXで推進し、地域活性化を目指す

北九州市は2022年8月4日、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)と連携協定を締結したことを発表。本協定により、日本IBMは2022年11月、北九州市に「IBM地域DXセンター」を新設する。同センターが、DX人材育成やイノベーション創出、大学および産官学連携の企業誘致の中核拠点となることで、地域経済の活性化を目指す構えだ。

日本IBMの知見を活かし「北九州市グリーン成長戦略」の取り組みを強化

これまで、北九州市は素材産業や加工組立産業を中心に“ものづくり産業”が集積する場として発展してきた。現在は、環境モデル都市として「グリーン成長戦略」を推進し、2050年に“ゼロカーボンシティ”を実現することを目指している。そうした中で同市は、脱炭素化の実現には、産官学の連携や脱炭素化を促進できる人材育成に係る環境整備が欠かせないと捉え、DX人材育成や産官学の共創に関する知見を有する日本IBMとの協定を締結。本協定に基づき、日本IBMは、国内で4ヵ所目となる「IBM地域DXセンター」を市内に設置する。

同センターは、日本IBMデジタルサービス株式会社(以下、IJDS)が運営主体となり、IJDSの実務担当者とディスカッションをしながら学ぶ「地域共創DXワークショップ」が展開される予定だ。さらに、IBMの社会貢献プログラムを活用し、社会人のリスキリングや就労支援も行う見通しとなっている。

さらにIJDSでは、地域の雇用創出を目的に、シニア層を含むITエンジニアの採用枠を拡大。「フルリモートの勤務体系」や「年次の雇用契約」によって、最大65歳まで働ける人事制度を導入して、「I・Uターン」や「ワーク・ライフバランスを保った働き方」といった働き手のニーズに答える環境を整備していくという。

本取り組みのような「DX環境が整った拠点」を設けることで、地域企業やスタートアップ、大学、働き手はこれまで以上に連携しやすくなる。地域のイノベーション創出に向けた本スキームの今後に注目したい。