政府は、2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、スタートアップ育成に向けた政策を強化している。その一環として、経済産業省は2022年4月に、スタートアップの法務支援を行う専門家チーム「スタートアップ新市場創出タスクフォース」を創設した。本取り組みにより、同省はスタートアップにとってハードルとなる法務課題解決をサポートし、規制改革制度の活用を促進する方針だ。
専門弁護士が法務面からスタートアップを公的に支援
新たな市場創出に取り組むスタートアップにとって、さまざまな既存規制への対応は重要な課題である。しかし、限られた経営資源の中で事業を営むスタートアップ企業では、法務面の対応は遅れがちとなっている。また、規制対応のための制度活用もハードルが高く、現状は十分に活用がなされていないという状況がある。このような実態を踏まえ、同省は専門の弁護士からなる「スタートアップ新市場創出タスクフォース」を創設した。同組織の構成員は、専門の弁護士が委嘱によって務め、任期は1年間(毎年更新を予定)となる。同組織の業務内容は、以下の通り。
(1)規制の各制度活用に向けた論点整理
・スタートアップが新事業に挑戦する際の規制に関するリーガルサポートを行う。具体的には、グレーゾーン解消制度、新事業特例制度、規制のサンドボックス制度等(※1)の法律上の論点整理を行う。
(2)スタートアップ新市場創出タスクフォースでの審議
・(1)の相談案件対応に基づき、同タスクフォースで規制改革に関する検討を行う。
なお、専門家による助言を得られる「スタートアップ新市場創出タスクフォース」の利用申込書は、経産省のウェブサイト(※2)から確認できる。