NTT東日本が地域課題解決に向けた人材支援を開始。横須賀市の「中小企業支援策」に賛同し、社内副業人材の活用へ

東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)神奈川事業部は2022年6月10日、横須賀市による「新たな人材の活用による中小企業支援モデル」に賛同し、横須賀市内の中小企業に対して人材支援等の取り組みを行うと発表した。同社は本取り組みを通し、地域企業が抱える課題解決への貢献を目指すとともに、新たな視点を取り入れた働き方改革の展開を目指すという。

「社内パラレルワーク」を活用し、地域中小企業へ人材支援を実施

今回、NTT東日本が賛同の意を示したのは、横須賀市が同日に施策の開始を発表した、副業人材と市内中小企業とのマッチングを支援する「中小企業支援施策」だ。これは、市内中小企業における“採用難”や“人材不足”などの経営課題の解決を目指す取り組みで、この中では「需要の掘り起こし」、「人材マッチング」、「人材供給」を軸に施策を実施するという。

NTT東日本ではこれまでも、「持続的成長が可能な地域社会の実現」に向け、同社が保有する情報通信技術を活用した付加価値の高いサービスの提供に努めるとともに、地域課題の解決にも取り組んできた。その取り組みの一環として、これまで2つ以上の仕事に同時に携わる働き方を推奨する「社内パラレルワーク」を用いた人材支援を実施。同社社員の能力を発揮する場を拡大させつつ地域活性化に貢献するべく、横須賀市を舞台に、企業人と地域実業家が地域課題の解決に取り組むプロジェクト「ことこらぼ×NTT EAST@よこすか」を今年2月に開始している。

NTT東日本は同プロジェクトを通じ、「同社による人材支援が地域企業の課題解決に貢献するとともに、NTT東日本としても地域企業を理解する貴重な場になる」として、双方にメリットのある取り組みであると実感したという。そこで今回、横須賀市の中小企業支援モデルへの賛同および、横須賀市内の企業に対して課題感に応じた人材支援を行うことを決めたとしている。

同社は本取り組みにおいて、通信関連ニーズに留まらず、「IT・DX推進」や「マーケティング戦略」、「経営戦略」など、幅広い人材支援をテーマに据え、同社の社内人材とのマッチングを進めるという。本取り組みの目的を「社員能力発揮の場の拡大」および「地域活性化貢献」とし、その人材支援にかかる経費および報酬について、無償で対応するとしている。
NTT東日本が地域課題解決に向けた人材支援を開始。横須賀市の「中小企業支援策」に賛同し、社内副業人材の活用へ
本取り組みは、社員の活躍の場を社外に求める試みの一つのモデルケースだと言え、「人材不足に悩む中小企業」と「専門的知見を活かした副業人材」のマッチングは、両者にとってメリットがある取り組みだろう。今後、施策効果の検証を待ちたい。