ソニー生命保険株式会社は2022年4月21日、「社会人1年目と2年目の意識調査2022」の結果を公開した。本調査は2022年3月15日~23日に実施されたもので、「2022年春から働く社会人1年生」と「就職後1年経過した社会人2年生」の合計1,000名(20~29歳)から回答を得た。なお、同社はこのテーマを経年で調査しており、今回が9回目となる。本記事では、社会人1年生・2年生の年次や前回2021年調査の結果と比較し、若手層が求めている働き方や、組織におけるサポートのあり方を紹介する。
社会人1年生の4人に1人が「最初の会社で定年まで働き続けたい」。一方、2年生は約10ポイント下回る
転職市場が活性化している昨今において、入社間もない社会人1年生、2年生はどのような仕事観を持っているのだろうか。まず、同社は、「最初に就職する会社でどのくらい働いていたいか」を尋ねている。社会人1年生の回答は、「定年まで働きたい」が25%(昨年比+1.2ポイント)で最多となった。2位は「2~3年くらい」で19.8%(昨年比+5.4ポイント)、3位は「4~5年くらい」で16.4%(昨年比-1.8ポイント)だった。一方で、「すでに辞めたい」との回答も8.2%(昨年比-2.8ポイント)あった。
社会人2年生の回答は「すでに辞めたい」が21.4%(昨年比-3.6%)と最も多い回答となった。以下、「2~3年くらい」が20.4%(昨年比+3.8ポイント)、「4~5年くらい」が16%(昨年比-1.4ポイント)となった。「定年まで働きたい」と回答したのは15.6%(昨年比-0.4ポイント)で、社会人1年生の回答より約10ポイント近く数字を下げた。
社会人2年生が入社後「がっかり」したことは給与が1位
次に、同社は社会人2年生に「入社後『がっかりしたこと』」を尋ねている。すると、全体結果では「給料が少なかった」が28.8%で最も多い回答となった。以下、「同期で集まる機会が少なかった」(25.6%)、「ボーナスが少なかった」(21.8%)、「仕事を教えてもらう機会が少なかった」(18.4%)、「残業が多かった」(16.6%)などとなった。さらに、この回答をテレワーク実施の有無別にみると、“テレワークをすることがあった人”で最も多かったのは「同期で集まる機会が少なかった」で33.8%となった。また「先輩・上司と話す機会が少なかった」が22.1%となり、“テレワークをすることがなかった人”より11.3ポイント高い結果となった。テレワークによって、同期や先輩・上司と直接会う機会が少ないことを残念に感じていた人が多いことがうかがえる。
社会人1・2年生の5割以上が「完全テレワーク」を希望
次に、同社は働き方について「『完全出社』か『完全テレワーク』のどちらか一方が選べるならどちらを希望するか」を尋ねた。すると、全体結果(社会人1年生+2年生)は、「完全テレワーク」を選択した人が54.9%で、「完全出社」は45.1%となり、完全テレワーク派が半数を上回る結果となった。また、社会人2年生の結果をテレワーク経験の有無別にみると、テレワーク経験者は「完全テレワーク」との回答が60.8%で、未経験者の50.3%よりも10.5ポイント高くなっていた。
また、「『居住地域制限(※)がないテレワーク制度』を利用したいか」を全体に尋ねると、「利用したいと思う」が77.2%、「利用したいと思わない」が22.8%となった。
※居住地域は制限されず、通常はテレワーク勤務。出社が必要な際は新幹線、高速バス、飛行機の利用が認められ、国内であれば交通費の上限なく支給されるものとして聴取。
先輩や上司からの「共感」がやる気に火をつけるカギ
同社は「仕事で落ち込んでいるときに、先輩社会人から言われてやる気が出るセリフ」を尋ねている。すると「君がいて助かった、ありがとう」の40.4%が最も多い回答となった。以下、「本当によく頑張った」(28.4%)、「何でも相談してね」(26.2%)、「一緒に乗り越えよう」(22.5%)、「大丈夫、なんとかなるよ」(17.9%)などと続いた。同社は、「自身の仕事に対する感謝の言葉をもらうことが、モチベーションアップにつながるのではないか」と分析している。また、この回答を男女別に見ると、「君がいて助かった、ありがとう」(男性:34.2%・女性:46.6%)、「一緒に乗り越えよう」(男性:17.2%・女性:27.8%)の2項目は、女性の回答が男性よりも10ポイント以上、上回った。「自分が仕事で役に立っている」という実感や、共に困難に立ち向かってくれる先輩の存在が、仕事のモチベーションに?がる女性が多いと予測される。
テレワークの導入や、働くことに関する個人の価値観の多様化などで、コミュニケーションや人材育成に関する課題を抱える企業も多いだろう。若手社員のやる気を引き出す働き方や、コミュニケーションの取り方について、本調査結果が手がかりとなるかもしれない。