株式会社フリーウェイジャパン(以下、フリーウェイジャパン)は2022年3月3日、「女性活躍推進法改正」に関する認知度調査の結果を発表した。調査期間は2022年2月2日~8日で、中小企業および零細企業の従業員338人、ならびに代表取締役129人から回答を得ている。これにより、女性活躍推進法改正の認知度や、企業の取り組み状況と課題などが明らかとなった。
中小・零細企業における「女性活躍推進法改正」の認知率は約2割
2022年4月より「女性活躍推進法」が改正されたが、改正前時点での中小・零細企業における認知度や取り組みはどのような状況だったのだろうか。まずフリーウェイジャパンは、「女性活躍推進法の改定を知っているか」と質問している。すると、「知っていた」が21.2%、「知らなかった」が78.8%という回答となった。「女性活躍推進法改正」の認知状況は、全体の約2割にとどまることが判明した。
「知っていた」と回答した割合を回答者の属性ごとに見ると、「経営者」が24.8%、「従業員」が19.8%となり、経営者に比べ、従業員の認知度が低いことがわかった。
「女性活躍推進」に取り組んでいる企業は約3割にとどまる
「現在の女性活躍推進への取り組み」に関する質問では、「すでに取り組んでいる」が31.5%、「検討していて実施予定」が5.1%となり、合わせて36.6%が「実施またはその予定」であることがわかった。また、「検討しているが実施は未定」は11.6%となっている。他方で、「取り組んでいない」は51.8%と半数超になり、中小・零細企業での女性活躍推進が思うように進んでいない実態も明らかとなった。
時短勤務やテレワークなど「勤務形態の多様化」への取り組みが最多。福利厚生や管理職登用なども
また、現在女性活躍推進に取り組んでいる企業に対して「具体的な取り組み」を質問すると、「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」が70.1%で最も多く、他の回答を大きく引き離した。以下、「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」が35.4%、「管理職への積極登用」が34.7%などと続いた。約6割が「女性の活躍推進が業績アップに繋がる」と回答
同社が「女性の活躍推進は業績を高めることに繋がると思うか」を尋ねると、59.7%が「繋がる」と回答した。そのほか、「どちらともいえない」が29.1%、「わからない」が6.9%、「繋がらない」が4.3%という結果だった。約6割が「女性活躍推進が業績アップに貢献する」と考えていることがうかがえる。「性別による業務上の不利」を実感している女性は約4割。しかし男性は約1割に
また、「自身の性別によって、業務上不利だと実感したことはあるか」との質問では、全体の29.3%が「ある」と回答。この回答を男女別に集計すると、女性は43%、男性は12.5%だった。具体的に不利を実感する場面について、女性からは「給料が上がりにくい」や「補助や雑務ばかり依頼される」などの回答があった。一方、男性からは「個人の許容量を超える業務が割り振られる」や「長時間の労働を強いられる」などの声が聞かれた。
“女性の働きやすさ”のためには「勤務体制の優遇化」や「時短勤務制度」が必要か
最後に同社は、「今後の女性の働きやすさ向上に向け、会社にあればいいと思う制度」について、複数回答で尋ねている。すると、子どもの発熱時などに出社時間の融通や自宅勤務が可能な「勤務体制の優遇化」が63.4%で最多となり、以下「時短勤務制度」が40.7%、「会社内ベビーシッター」が36.4%などと続いた。
中小・零細企業において、「女性活躍推進法改正」の認知度は2割ほど、女性活躍に向けて取り組む企業は3割ほどにとどまるなど、「女性活躍推進」に意識が向く企業は少数派であるのが現状のようだ。しかし、「女性が活躍できる職場環境を構築することが業績向上にも繋がる」という意見が6割を超えることからも、企業にとって重要な施策であると認識していることがうかがえる。施策を未実施の企業では、今回の調査結果も参考にしながら、今後の対応を検討してみてはいかがだろうか。