「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

株式会社マイナビ(以下、マイナビ)は2022年2月14日、「週休3日制の意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年12月24日~27日で、20代~50代の各世代の正規雇用者200名、計800名から回答を得ている。これにより、週休3日制の導入においてハードルとなる条件や、現在の職場で週休3日制を導入できない理由など、ビジネスパーソンの「週休3日制」への意識が明らかとなった。

収入が減少する場合「週休3日制は利用したくない」が8割弱

一部の大手企業などが導入を開始し話題となっている「週休3日制」について、ビジネスパーソンはどのように考えているのだろうか。

マイナビは、週休3日制の利用意向について、条件ごとに質問をしている。まず、「勤務日数に比例して収入も減少する場合」について尋ねると、「利用したくない」が47.6%、「どちらかといえば利用したくない」が30.9%と、「利用したくない」とした回答が合計78.5%となり、全体の8割に迫った。「利用したい」(8.1%)と「どちらかといえば利用したい」(13.4%)の合計21.5%を大きく上回る結果となった。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

「1日の労働時間が増加」の条件では「利用したい」が4割超に

また、「収入は変わらずに、一日あたりの労働時間が増える場合」の週休3日制の利用意向を尋ねると、「利用したくない」が25.5%、「どちらかといえば利用したくない」が28.4%と、合計で53.9%になった。一方で、「利用したい」が16.1%、「どちらかといえば利用したい」が30%で、合計46.1%となった。「勤務日数に比例して収入が減る場合」の結果と同様、「利用したくない」が上回ったものの、「収入減」の条件より「労働時間の増加」の条件の方が、「利用したくない人」と「利用したい人」の差が小さくなった。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

1日の労働時間も収入も変わらない場合、「利用したい」が7割超に

さらに同社は、「1日の労働時間と収入が変わらない場合」の、週休3日制の利用意向を尋ねた。すると「利用したい」が48%、「どちらかといえば利用したい」が29.9%で、「利用したい」が合計77.9%に上った。一方、「利用したくない」は9.8%、「どちらかといえば利用したくない」は12.3%で、「利用したくない」は合計22.1%にとどまり、「利用したい」が大きく上回る結果となった。収入や勤務時間の変動の有無が、週休3日制導入を前向きに考えるかどうかのポイントであることがうかがえる。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

休みが増えることの影響は「収入が減りそう」が最多

また同社は、週休3日制の導入に限らずに「今より休みが増えた時に想定される仕事への影響」について尋ねている。すると、最も多い回答で「収入が減りそう」が35%、以下「効率的に仕事を進めるよう努力しそう」が26.5%、「長く働き続けられそう」が25.3%、「一日の労働時間が長くなりそう」が24.6%、「人手が足りず仕事がまわらなくなりそう」が22.3%という結果になった。

収入の確保を重要視する人が多いことが明らかになった一方で、休みが増えることで「効率的な仕事につながりそう」や「長く働けそう」などの前向きな意見も回答の上位となった。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

6割が「今の職場で週休3日制は不可能」と回答

続けて同社は「今の職場で週休3日制の導入は可能か」を尋ねている。すると全体の60.1%が「不可能」と回答。「不可能」と回答した人を年代別にみると、20代が52.5%、30代と40代が共に62%、50代が64%と、年代が上がるにつれ「不可能」との回答率が高くなった。職場での責務が大きいほど、「週休3日制の導入は不可能である」と考える傾向にあると推測できる。

また、「週休3日制の導入は不可能である」と回答した人にその理由を聞くと、「人手不足」や「仕事量が多いから」などの意見が多くあがったほか、「仕事内容的に難しい」や「属人的業務がある」など、職種を理由とする声も見られたという。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

週休が多いほど「仕事満足度」が高い傾向

さらに同社は「今の仕事の満足度」を尋ね、回答者の週休数別に回答を調べた。すると、「満足」と回答した人は「週休3日以上」の回答群で29.2%と最も多く、以下「土日祝が休み」群で11.3%、「週2日」群で5.4%と、週休が多い人ほど仕事満足度が高い傾向にあった。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答

若年層は休み重視、ベテラン層は給料を重視する傾向

また、「給料」と「休み」のいずれかを選べる場合はどちらを選ぶか尋ねると、「給料は高いが、休みが少ない」が50.1%、「給料は低いが、休みが多い」が49.9%となり、「給料重視」と「休み重視」の結果が拮抗していることがうかがえる。回答を年代別にみると、20代・30代では「休み」を重視する割合が、40代・50代では「給料」を重視する割合が高くなった。若手社員においては特に、「休み」が仕事満足度の向上に重要な要素であるといえそうだ。
「週休3日制」の導入を左右するのは「給与額」か。約8割が「収入が減るなら週休3日制は利用したくない」と回答
本調査結果では、「週休3日制」の導入に対し「収入の減少」を懸念する声が多かった。同時に、休みが多いほど仕事満足度が高くなる傾向も明らかとなった。業務効率化や人手不足の解消などにより、生産性向上が実現すれば、「週休3日制」は従業員満足度向上の有効な施策となりえるだろう。